読書感想330 ブラック&ホワイト
著者 : カリン・スローター
生年 : 1971年
出身地 : アメリカ、ジョージア州
分野 : 推理小説
出版年 : 2013年
邦訳出版年 : 2019年
邦訳出版社 : (株)ハーパーコリンズ・ジャパン
訳者 : 鈴木美朋
☆☆☆感想☆☆
ジョージア州を舞台にした代表的なシリーズが二つある。ジョージア州の架空の郡グラント郡を舞台にしたグラント郡シリーズとトレント(アトランタ)シリーズ。前者は医師のサラ・リントンを主人公とするもので、後者はジョージア州捜査局特別捜査官ウィル・トレントを主人公とするものである。本作はアトランタ・シリーズに属している。しかし、サラ・リントンもウィル・トレントの恋人として出てきて両シリーズは舞台も登場人物も重なり合っている。
本書ではメイコン警察の刑事レナ・アダムスとその夫の白バイ警官のジャレド・ロングが自宅で襲われることから始まる。ウィル・トレントは麻薬のボスを突き止める潜入捜査でメイコンへ行っていてその事件に遭遇。サラの前夫は捜査中にパートナーのレナを助けるために命を落としている。ジャレドはその前夫の一人息子。サラのレナに向ける眼差しは厳しい。ウィルは潜入捜査のためにニセの経歴を作って前科もちの男になり、犯罪者たちに信用させ、麻薬のボスにたどりつこうとする。
やり手のレナは犯罪者たちの標的になる恐れはあるが、誰が何の目的かがわからない。地元のメイコン警察とジョージア州捜査局との捜査権を巡る縄張り争いもある。
ここでは女性の活躍が目につく。レナは勿論優秀な刑事だが、ウィルのパートナー、フェイス・ミッチェル、ウィルの上司のアマンダ・ワグナー、メイコン警察の警視デニーズ・ブランソンといった警察関係にサラや看護婦のカイラ・マーティンなど。
白人や黒人、ヒスパニックが入り混じっているのだろうが、何人か刑事が黒人とわかる描写があるが、ウィルもサラもレナも白人なのかよくわからない。わかれば一層面白くなっただろう。