花紅柳緑~院長のブログ

京都府京田辺市、谷村医院の院長です。 日常診療を通じて感じたこと、四季折々の健康情報、趣味の活動を御報告いたします。

蓮蓬草(れんほうそう)│ツワブキ

2019-12-03 | 漢方の世界

十七 水仙 徒者ぶき│「四季の花」冬之部・壹, 芸艸堂, 明治41年

蓮蓬草あるいは橐吾(たくご)は、キク科、ツワブキ属の常緑多年草、ツワブキ(石蕗、艶蕗、大呉風草)、学名Farfugium japonicum(L.f.) Kitam.(=Lingularia tussilaginea Makino)の全草から得られる生薬である。薬性は辛、甘、微苦、凉、効能は清熱解毒、止血、消腫である。ツワブキはピロリジン型アルカロイドのセンキルキンの他、ヘキセナール、タンニン等を含有し、本邦でも民間薬として根茎や葉を食中毒、下痢、皮膚炎や打撲に煎服あるいは外用で用いた。ツワブキの花期は10~12月で茎上部に散房状の黄色花を咲かせる。「石蕗花」(つはのはな)は冬の季語である。


一切の魚の中毒を解す鰹河の毒に中たるに最良なり│多紀元悳著「廣惠濟急方」巻下・中魚介禽獸肉毒, 東都書肆, 寛政二

咲くべくもおもはであるを石蕗花  與謝蕪村


蓮華王院 三十三間堂・京都の境内にて