中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

夏の顔

2011-08-09 17:41:45 | 危機管理
 男の子にとって、「夏」になくてはならないものの一つは、やはりカブトムシとクワガタでしょう。こんなにカッコいいおもちゃみたいな生き物いませんからね。彼らに天敵がいるとすれば、それは間違いなく「男の子」でしょう。家の息子も小学6年生になりましたが、もちろん大好きです。


 ということで、今年の夏も我が家にやってきました。ノコギリクワガタです。昨日、らびお氏に頂きました。大江町では夜の街灯の下に落ちていることがよくあるらしいよ、という話を息子にしたら、
「なんでもらってきてくれないのっ!」
ということだったので、お願いしてあったのです。

 最近は「カブトムシのえさ」というのも便利なやつが売っていて、「こんにゃくゼリー」みたいに小分けになっているんです。ニオイもなし。昔はカブトムシのケースといえば、放り込んだスイカの皮が発酵するのか、なんともいえない蒸れたようなニオイがしたものですが、そういうことはなくなりました。世の中のお母さん方もお喜びのことでしょう。去年に買った分が残っていたので、息子がさっそくあげていました。

 ちなみに息子に言わせると、スイカは水分が多すぎて、虫にとっては「体にわるい」そうです。ふ~ん・・・健康志向の世の中だね。


 息子も来年は中学生だし、娘はもちろん興味ないみたいだから、我が家にクワガタがいる夏も今年で終わりかな・・・。
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八月蝉

2011-08-08 10:08:34 | 山形
 「うるさい」というのを「五月蠅い」と最初に書いた人は、センスがあると思います。「うるさい」という言葉は、音量とは無関係の「鬱陶しさ」とか「邪魔くささ」を表すこともありますから、そういう不快感を的確に、しかも季節感を込めて表記したそのセンスは素晴らしい。


 そこで「八月蝉い」と書いてみたらどうでしょう?

・・・音がうるさいけど一生懸命だし、まあこれも夏らしさ。不快に感じるのも無粋でしょう。もし年がら年中だったら許さないけど・・・

・・・みたいなニュアンスになるでしょうか。


 山形の夏の風物詩である「花笠まつり」が、昨日で終わりました。東北の復興への願いを込めて、例年以上に盛り上がったようですね。

 しかし街の中心部に住んでいる私にとっては、部屋の中まで聞こえてくる、エンドレスで数時間流れっぱなしの「花笠音頭」が、最終日ぐらいになるとちょっときつい。おまけに今年は居間のエアコンが壊れて、窓をしめていられない。

 ・・・ということで「八月蝉い」と表現しておきます。
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再会

2011-08-07 00:00:24 | 雑記
 先ほど山形に帰ってきました。新幹線を降りると、蔵王から吹きおろす涼風が爽やかに頬をなで・・・ることはなく、夜なのに結構な暑さ。まあ、仕方がない。


 東京では結局、金曜日の夜も飲み会。今度は昔の塾講師時代の同僚と、10年以上ぶりに会いました。

 今は世の中の学校は夏休みなので、塾は「夏期講習」に追われています。塾講師にとっては師走以上の忙しさ。ということ今回会うことができたのは私と同じく、すでに転職した仲間二人。かつての理知的な数学科講師は機械関係の技術職に、元気で生徒に人気があった社会科講師は営業職に就いています。

 山形に住んでいるので、たまに開催される「同窓会」に参加できない私は、かつての同期の講師たちの近況に飢えているので、乾杯もそこそこに質問責めにしてしまいました。
「○○先生は今どこの塾でやってるの?」
「ええっ!△△先生と◎◎先生、結婚したのっ!?」
・・・もう「先生」でない人も多いんですけどね。


 話をしているうちに、すっかり忘れていたようなことも、鮮やかな映像となって頭に蘇るのが不思議です。

 社員旅行でアメリカに行った時に、酒好きなその数学講師と恐る恐る二人で夜の街に飲みに出かけたこと。
「ここの店なら平気かな?」
「やっぱ誰か、英語の先生についてきてもらえば良かったかな?」
「いくら何でも、1杯オーダーする度に『ハウマッチ?』って訊くのやめた方がよくない?」

 夏期講習で、私が初めて配属された校舎での授業の時。今ひとつ反応が悪い生徒達の前で、気合いを入れて「文章の読解の極意」を熱く語り始めた時に、その数学講師が教室の外から手招きしている。「邪魔なやつだな・・・授業中だぞ」とばかりに出て行き、
「なにっ?」
「あの・・・ここ俺なんだけど。」
「は?」
「中島先生2ーAでしょ?隣だってば。ここ1ーAだし。」
・・・うそ・・・だから何となく空気がおかしかったのか。


 などなど・・・ずいぶん昔のことになりましたが、良い想い出です。しばし、経過した時間の長さを忘れて、楽しく過ごしました。

 そろそろ昔の仲間が恋しくなる年頃になったのかな・・・?
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ゴールデン

2011-08-05 13:12:41 | お酒の話(県外)
 帰省中ですが、毎日忙しくしております・・・正確には「毎晩」というべきでしょう。

 昨晩は久しぶりに新宿のコアな方面に飲みに行きました。新宿文化センターに向かって歩いていく遊歩道の途中から広がる、昭和のミクロコスモスとでもいうべき「新宿ゴールデン街」です。


 新宿の街は、高校時代の通学路でもあったので、なんとなく親しみは感じています。学校のある新大久保から連れだってブラブラとひと駅歩き、新宿で遊んでから、それぞれの電車に乗って帰ったものです。もちろん学制服姿でウロウロすると、いろんな意味で危ないので、きちんと新宿に着く前に脱いでカバンにしまいます。ちょっとコワい目に遭ったりもしましたが、若い頃の良い想い出です。

 しかし・・・勝手知ったるはずの新宿の街で、道に迷いました。もともと駅を出る時点から「こんな所あったっけ?」の連続。知っているつもりなので、方角や表示を確かめずに景色の記憶だけでどんどん歩いてしまうのが良くない。「ゴールデン街」の位置も、記憶の中では勘違いしていたようでした。残念・・・私と同じく、街も20年以上経過するとその姿を変えるものです。田舎者は田舎者らしくしましょう。


 さすがに高校生ではゴールデン街に遊びに来ることはなかったのですが、そのあたりの雰囲気は昔とまったく変わってないように感じます。遊歩道を歩いている間にタイムスリップしたような。昔ながらの新宿が出現します。

 小さいスナックのような居酒屋が、長屋のようにひしめきあって連なっています。その奥のほうの2階に、目指すお店はありました。


 去年に東京(正確には横浜)でやったサロンコンサートの時に、聴きに来てくれた中にその店のママがいたのです。打ち上げの時に楽しく飲んで、そのうちお店にも顔を出す約束をしていたのでした。

 10人入れないほどの小さい店でしたが、やはりママの人柄でしょう。いろんなジャンルの、ちょっとクセがある常連たちが入れ替わりやってくる面白い空間でした。引退した元舞台監督、天下り先からの帰り道に立ち寄る元官僚など・・・。

 ママが歓迎してくれたこともあって結局、ほぼ開店から閉店近くまで過ごしてしまいました。


 周囲の新しい街のバカ騒ぎから隔絶された落ち着いた空間で、不思議ににくつろいだ時間でした。東京の本当の良さは、こういうところにあるのでしょう。「都会の無機的な冷たさ」みたいなものとは無縁です。

 「故郷の良さ」というものは、距離的にも時間的にも、「離れてからようやくわかる」ところがあるのかも知れませんね。
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薫陶

2011-08-04 11:35:59 | クァルテット
 帰省中です。新幹線を降りた時には、雑味のある「空気の粘り気」が不快に感じましたが、一日も経つと、すっかり気にならなくなってしまいます。


 さて昨日は朝から、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲「第4番」を、独りで練習しておりました。休みでも、やってることは結局同じ。楽器弾くか酒飲むか寝るか・・・進歩がございません。

 しかし「ベト4」を練習していたのにはワケがあります。

 昔からの友人がやっているカルテットの練習を見せてもらうからなのです。そして行くからには若干偉そうに指導などしてみようと・・・。

 週末のアマチュアオーケストラ活動に飽き足らない腕と情熱を持った4人が、水曜日の夜の仕事帰りに集まるカルテット・・・こういうマニアックで、ややアンダーグラウンド的な情熱こそ、カルテットの基本ですね。素晴らしい。そういうマニアに対して手抜きは通用しません。きちんと予習してから出かけました。


 会場は椎名町の商店街の外れにある貸しスタジオ・・・シチュエーションも完璧です。

 落書きだらけの壁が崩れかかった暗い階段を地下へと降りていくと・・・という想像(失礼)に反して、きれいなペンションのような3階建てのスタジオでした。

 そして恐る恐るドアを開けると、予想に反して(大変失礼)、綺麗な女性4人のカルテットでした。


 さっそく音を聴かせてもらうと、見た目に反して(これは多分失礼ではない)ずいぶんしっかり弾いています。やはり平日の夜に集まるだけのことはあります。本当に真剣にベートーヴェンに取り組んでいます。

 昔から感じていますが、音楽においての指導は、大学生が中学生に数学を教えるのとは全く違います。10年以上カルテットをやってきた私が自分で抱えている課題や目標は、目の前にいる結成2年に満たない4人にもまったく等しくあてはまることばかりなんです。私自身が今それを乗り越えようと四苦八苦しているまさにそのことについてアドバイスをするのは難しいことです。だから「指導」という言葉はあまり使いたくないんです。

 たとえば、すべての音符に対して誠実であろうとするあまりに音楽的な起伏がなくなってしまうとか、他のメンバーや、作品そのものに対する「遠慮」のようなものが、そのひと本来の自然な表現を妨げているとか・・・。

 
 もうちょっと偉そうにカッコよく「指導」できれば良かったのですが、そういう余裕はありませんでした。ただ同じように苦労しつつ、同じようにカルテットが好きな者同士として、楽しい時間を過ごしました。

 さあ、自分も飲んでばかりいないで頑張らないと。
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宿題

2011-08-02 09:27:34 | 山形弦楽四重奏団
 待ちに待った夏休み(それほどのものでもありませんが)に突入する前に、昨日は山形Qのリハーサル。「夏休みの宿題」を確認しておく感じで。


 9月に依頼演奏会が何本か入ったので、ハイドンの「日の出」「ひばり」は、「持ちネタ」にしてしまいたいところ。四重奏として「まとまる」という目標は達成しつつあるので、それ以上のものが提案できるように各自、研究を重ねるべし。

 ベートーヴェンの「セリオーソ」は、休み明けに四重奏でレッスンを受けることにしたので、これも各自「自分でできることはすべてやっておく」べし。せっかく高度な事を要求してくれている時に、音がならばないと興ざめしてしまいます。これは惨めなものなんです。なんとしても避けたいところ。

 あとは10月定期の「譜よみ」を、始めておくべし(ちょっとゆるめ・・・努力目標程度)。


 休みというものは、あっと言う間に終わってしまいますから、大げさな目標を立てすぎてもだめです。8月の後半からは怒濤のスケジュール。それも今から不安になるほどの「未曾有の」激しさ(みぞゆうではありません・・・もう古いですね)。きちんと休むことも大切です。 

 まずは5日間の休みを楽しむことにします。
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ロ短調

2011-08-01 22:15:26 | 音楽
 昨日は「ロ短調ミサ」を弾いて、山形に帰ってきましたが・・・長かった。やはり神に祈るというのは、なかなか大変な作業です。小銭を投げ込んで「パンパンッ」と手を打つだけが祈りではないんですね。


 それにしても、この曲は本当に素晴らしい。高校生の時に、ヘルムート・リリング指揮のCDを買ってよく聴いていました。

 とにかく冒頭の「キリエ」がすごい。プレーヤーの再生ボタンを押したら急いで少し離れないと、最初の「キーリエー!」の「K」の子音の直撃を受けてギョッとします。「いったい何がそこまでキリエなの?」と心配になってしまうほどですが、「主よ!」という呼びかけは、ここまでの切実さがあって初めて意味があるのでしょう。とにかく魂のこもった良い演奏です。


 しかし曲としては、私がこの長大なミサのなかで一番好きな曲は、おしまいから2曲目の「アニュス・デイ」です。

 いろんな作曲家のいろんな曲(主にレクイエム)に、いろんな「アニュス・デイ」がありますが、これが一番好きです。こんなに静かな曲は珍しい。孤独な「神の子羊」には、こういう静けさが似合うと思います。


 ところでそのリリングのCDですが、残念なのはジャケットの背表紙に「MASS IN D MAJOR」とおもいっきり書いてあること。そこは間違えたらダメでしょう・・・たしかにシャープ2つだけど。ある意味でレアものかな。
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