中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

ゴールデン

2011-08-05 13:12:41 | お酒の話(県外)
 帰省中ですが、毎日忙しくしております・・・正確には「毎晩」というべきでしょう。

 昨晩は久しぶりに新宿のコアな方面に飲みに行きました。新宿文化センターに向かって歩いていく遊歩道の途中から広がる、昭和のミクロコスモスとでもいうべき「新宿ゴールデン街」です。


 新宿の街は、高校時代の通学路でもあったので、なんとなく親しみは感じています。学校のある新大久保から連れだってブラブラとひと駅歩き、新宿で遊んでから、それぞれの電車に乗って帰ったものです。もちろん学制服姿でウロウロすると、いろんな意味で危ないので、きちんと新宿に着く前に脱いでカバンにしまいます。ちょっとコワい目に遭ったりもしましたが、若い頃の良い想い出です。

 しかし・・・勝手知ったるはずの新宿の街で、道に迷いました。もともと駅を出る時点から「こんな所あったっけ?」の連続。知っているつもりなので、方角や表示を確かめずに景色の記憶だけでどんどん歩いてしまうのが良くない。「ゴールデン街」の位置も、記憶の中では勘違いしていたようでした。残念・・・私と同じく、街も20年以上経過するとその姿を変えるものです。田舎者は田舎者らしくしましょう。


 さすがに高校生ではゴールデン街に遊びに来ることはなかったのですが、そのあたりの雰囲気は昔とまったく変わってないように感じます。遊歩道を歩いている間にタイムスリップしたような。昔ながらの新宿が出現します。

 小さいスナックのような居酒屋が、長屋のようにひしめきあって連なっています。その奥のほうの2階に、目指すお店はありました。


 去年に東京(正確には横浜)でやったサロンコンサートの時に、聴きに来てくれた中にその店のママがいたのです。打ち上げの時に楽しく飲んで、そのうちお店にも顔を出す約束をしていたのでした。

 10人入れないほどの小さい店でしたが、やはりママの人柄でしょう。いろんなジャンルの、ちょっとクセがある常連たちが入れ替わりやってくる面白い空間でした。引退した元舞台監督、天下り先からの帰り道に立ち寄る元官僚など・・・。

 ママが歓迎してくれたこともあって結局、ほぼ開店から閉店近くまで過ごしてしまいました。


 周囲の新しい街のバカ騒ぎから隔絶された落ち着いた空間で、不思議ににくつろいだ時間でした。東京の本当の良さは、こういうところにあるのでしょう。「都会の無機的な冷たさ」みたいなものとは無縁です。

 「故郷の良さ」というものは、距離的にも時間的にも、「離れてからようやくわかる」ところがあるのかも知れませんね。

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