中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

バランス

2024-02-08 22:37:00 | 山形交響楽団
 今週の山響は、土日の定期演奏会。

 キンボー・イシイ氏の指揮で、メンデルスゾーン「イタリア」をメインに、パウルス「スペクトラ」そしてチャイコフスキーの「ピアノ協奏曲」。ソリストは上原彩子さん。

 昨日からリハーサルが始まっています。キンボー氏の指揮は大らかで情熱的で、やはり日本人とは違います。緻密さよりも、テンションとかイメージを大切にする感じ。しかし、いわゆる欧米人とも違うのは、そこに合理性が感じられることでしょうか。

 これまであまり体験してこなかったタイプのバランス感覚が新鮮です。緻密にやるところと、ノリだけで行くところの、見極めと割り切りがはっきりしているのが面白い。

 ところで、私だけの感覚かもしれませんが、日本人の「バランス」というと、それはすでに個人の内部で釣り合いが取れた状態で外部に伝わるもの。たとえば「優しさ」と「厳しさ」が、5対5だったら中庸の人。9対1だったら優しい人。7対3だったら、やや優しい人。みたいな。

 しかし、外国の人(と、まとめるのはたぶん不適切ですが)は、5対5でも「中庸の人」にならない。めちゃめちゃ優しい時と、とんでもなく厳しい時、それぞれの現れている時間が同じぐらいということ。外に出たもののトータルでバランスを取っている感じがします。

 どちらが良いという話ではありませんが、「表現」に限って言えば、日本人が平坦に感じられてしまうのはそのあたりが原因なのでしょう。…わかったところで直せるものでもありません。日本人の典型である私は、内部でバランスを取ってしまう前に外に出せる人に憧れます。

 さて、チケットはすでに完売に近いようですが、きっと良いコンサートになると思います。

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