中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

若泉

2014-08-27 21:10:42 | お酒の話し(山形県)
 我が家の酒蔵(冷蔵庫の野菜室ともいう)にも、残念ながら、不況の波が押し寄せております。なので、このカテゴリーは実は、ほとんど頂きもので構成されています。

 では普段はどんな酒を飲んでいるのか?ということで、たまには今はやりの「ありのまま」を。


 山形は飯豊(いいで)町の蔵、若乃井酒造のスタンダード、「若泉」です。大吟醸でもなんでもない「特別純米」。精米60%ですから、一応「吟醸」を名乗っても許されるところを、奥ゆかしく「特別純米」。そういう姿勢が、味にも表れています。

 一升で2200円(税抜き)とは思えない、味の透明感と、しっとりとした米の旨味。地味ながら、本当に飲み飽きしない。


 高級な酒でも、二杯目になると底が割れることがあります。「パッと見すごいけど、つき合ってみると薄っぺらで、つまらない奴だな」みたいな感じ。

 しかしこの「若泉」は、飲めば飲むほどに「良い奴だ」と思えるような誠実さを感じます。気取らないだけで、育ちも志も、実に「気高い」。長くつき合いたくなる。


 だいたい一升2000円ちょいの酒は、「すさんでる」味がするものです。愛されて、手をかけられて育ってこないと、酒も人も、どこか投げやりな出来になる。きたない野良犬のような(昔はいろんなところにいましたね)、残念でかわいそうな味・・・安い居酒屋にはたくさんあります。


 しかし、この「若泉」のように、手塩にかけられた奴が、この値段。懐にやさしく、実に助かります。ひとくち飲むと「上質な日常」が広がる酒です。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 深奥へ | トップ | グレイト »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

お酒の話し(山形県)」カテゴリの最新記事