中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

松嶺の富士(純米大吟醸)

2021-09-18 23:59:00 | お酒の話し(山形県)
 今年も、山形Qに協賛いただいている行きつけの酒屋さんの、限定頒布会が始まりました。申し込んだ会員に9月から12月まで毎月一回、超限定の山形の銘酒が届くという企画です。

 本当のすごい酒ばかりなので、それなりの会費はかかりますが、山形の日本酒をこよなく愛する者として、これは見逃すわけにはいかないラインナップとなっています。

 初回の今回は、庄内の蔵から。庄内の旧松山町の「松嶺の富士」です。

 旧松山町というのは、庄内でありながら日本海に面していない山間の小さな町です。山響のスクールコンサートでも何度も行っていますが、正直、何があるかと言われると沈黙してしまう小さな町です。今では合併して酒田市に含まれているんですね。

 ここで午前午後のスクール・コンサートがあっても、昼休みにはほとんど、町外まで車で出て昼食をとる。コンビニも地元超密着のデイリーただ一軒ぐらいしか知らない。

 こんな所に(失礼)酒蔵があるとは知りませんでした。…山形の酒蔵は全部知っていると思っていましたが、思い上がりだったたようですね。

 あらためて勉強させていただきますっ、と開栓。

 山形の高級酒米「雪女神」を40%まで磨いた純大吟。これは贅沢です。

 さて味は…なるほど庄内の味ではありますが、酒田とも鶴岡とも違う。その中間のような印象を受けました。

 酒田の「透明感」と鶴岡の「キレ」を両立させた感じ。また、小さい町の蔵ならではの実直さが感じられます。

 やや地味で印象に残りにくいところはありますが、応援したくなるような、ひたむきな酒です。

 ところで、私が山響に入ってから、もう長い年月が経ったことを実感します。「松山町」と言われればすぐ「あの辺りか」とわかりますが、今は松山町は存在しない。私の大好きな「楯の川」も、平田町の酒だと思っていますが、平田町ももうありません。今は酒田市。

 「ん?…ああ、○○町のことね」と、訊かれてもいない昔の地名を出してくる年輩の人に、私ももう、なってしまったようです。

 良い酒でした。松山町の名前とともに、しっかりと記憶しておきます。

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