中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

いづこも同じ

2021-11-12 22:46:00 | 旅の空
 寒い。しかし空気が美味しい。…山形駅に降り立つと、いつもそう思います。

 ということで、一週間の関東ツアーを終えて無事に山形に戻ってきました。関東は夜でも、薄手の上着で充分。昼間はそれも要らないぐらい。しかし、山形では到底無理のようです。

 まだ、おっかなびっくりではありますが、今回は久しぶりに「旅行」らしく、少しは外を出歩いたり、それなりに美味しいものを食べたりなどして過ごしました。

 東京駅もそうでしたが、行く先々の街も、だいぶ活気が戻ってきているような感じがしました。やっぱり嬉しいものです。

 千葉・茨城をまわって、最終日の今日は目黒区の小学校。私の学区とはだいぶ離れたところではありましたが、閑静な住宅街の中の狭い土地に、いきなり学校がある感じは、母校と似ていました。

 狭い校庭だけでは足りないので、校舎の屋上にフェンスがあって運動場の足しに使われていたり、体育館が半地下だったり…山形では考えられない事ですが「ああ、こんな感じだったな」と懐かしく思いました。

 子供たちの雰囲気も良かった。世間で言われているような「都会の荒廃」は無縁で、安心しました。昭和の頃より大人びている感じはしましたが、「やっぱり目黒の子供たちは良い」と誇らしく思ったり。

 今回は、せっかく良い季節の山形を離れてわざわざ都会に行くということで、もったいないような気もしていましたが、目黒の実家がなくなって久しい自分には、しみじみと良い機会でした。

『寂しさに 宿を立ち出でて 眺むれば
いづこも同じ 秋の夕暮れ』

 秋の夕暮れは、なにも里山にだけあるわけではない。コンクリートジャングルにこそ郷愁を感じるということもある。「いづこも同じ」とは、場所ではなく心のことなのかと思うと、やっぱり百人一首はさすがです。

 さて、今日からはまた、山形の秋をじっくり味わうことにします。
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