中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

栄川「會津龍が沢」生原酒

2021-11-02 22:27:00 | お酒の話(県外)
 全国的にびっくりするほど感染が収まっている昨今。そろそろ、どこかに行きたいところです。

 とはいえ、その影響もあって、スケジュールがパンパンで忙しい「芸術の秋」が還ってきました。ありがたいことです。

 「GoToどこか」は、まだしばらくお預けです。

 ところで、山響のスクールコンサートのメニューのひとつに「音楽世界の旅」というのがあります。何のことはない。クラシック音楽を聴いて、それぞれの国(ほとんどヨーロッパになりますが)のことを思い浮かべて、旅行した気分になってみよう、というものです。

 昔からやっていますが、まさに、今の時代にふさわしい。

 ということで、本日も「全国銘酒の旅」のスタートです。

 今回は福島の会津。福島は山形と同じく、海沿いと山間で、はっきりと文化圏が分かれます。

 内陸である山形市からすると、同じように山に囲まれた会津には、福島の中で最も親近感を感じます。

 そしてまた、本当に良い温泉地が多いのです。一時期は、演奏旅行でいろいろと回りましたが、最近はすっかりご無沙汰で残念。隣県なのにもったいないかぎりです。

 さて、会津にも銘酒が山ほどありますが、一番メジャーなのは「栄川」(えいせん)です。これはもう、そこら中の居酒屋の看板にある、「大関」とか「月桂冠」レベルに、その地域の普通酒。

 会津の店で、メニューに「お酒」とだけ書かれていたら、出てくるのは栄川だと思って間違いない。…味も、そんなところです。

 しかし、近所の行きつけの酒屋に、見慣れない酒が。「會津龍が沢」。純米大吟醸の生原酒で、1升3150円とは破格です。思わず購入。

 家でよく見たら、キャップに「栄川」の文字が。

 …なんだよ、栄川なの⁉︎

 肩透かしを食らった気分ですが、栄川の大吟醸は初めて。会津に行った気分で飲んでみましょう。

 米沢から会津に抜ける、いわゆる「大峠」の、怖くなるぐらい迫ってくる紅葉の素晴らしさを思い浮かべながら、開栓。

 …なんと。これが栄川!信じられない旨さです。

 生原酒の、舌に吸い付いてくる濃厚さがありながら、潔くキレる後味。もう一口飲まずにはいられない甘味がほのかに残る。

 会津の郷土料理に「こづゆ」というのがあります。根菜と帆立の貝柱などを中心に煮込んだもので、飽きの来ない「おつまみ」です。この「龍が沢」と「こづゆ」があれば、冬のあいだ中、飲んでいられるでしょうね。…危険です。

 冬を控えてキリッと冷え込んできた、会津の冴えた空気を堪能しました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする