Winding Road

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キリンカップ コートジボワール×パラグアイ

2008-05-23 | フットボール全般

素晴しいフットボールの時間、この試合を三ツ沢で見れたことをとても嬉しく思います。1500円でこれだけ楽しいゲームに出会えればお得すぎます。

お互いにとって第3国での親善試合ですから、ユルい展開になるのかと思いきや、両チームとも立ち上がりから真剣勝負そのもの。当たりの激しさや展開の速さは試合に入り込むのに充分な要素でした。時間の経過が本当に早かった。

コートジボワールの左SB・ボカのスピードは異常。中盤を追い越す時の爽快で早送りのようなフリーランだけでも見る価値がありました。それでいてドリブルも巧い。右は右でエブエが運動量豊富なのに加えてプレミア仕込みの技と迫力で魅せてくれました。

コートジボワールの身体能力はさすがアフリカでした。普段サッカーを観ているときの基準で、そのパスは長すぎて通らないだろうとか、そんな強いパスはコントロールできないだろう、そこは囲まれているから抜けないだろう、といった常識が覆されました。何故そのパスが通るのか、といった驚きの連続でした。そして狭いところをこじ開けようとするのも何ともアフリカらしい。そういう時は大概サイドに人が余っているので単純に使えばよいのに、と思うわけですが。そういった場面での組織力が備われば恐ろしいチームになるでしょうね。


パラグアイの戦い方は現実的で良い参考になりました。前半は耐えてから後半仕掛けていく。1対1では勝てないなら、組織的な守備をベースにブロックを構築し、そこで奪ったボールを前線に当ててから展開して速攻を狙っていく。チームとしての戦い方が明確でした。そこで重要だったのが15番のカセレス。この選手が本来のポジションはボランチでしたが、アンカー的な役割でDFラインに入ったりと巧くコントロールしながらブロックを形成していました。余談ですけどこのカセレス、15番でボランチだったので、青木を見守るような目で注目してしまいました。

11番のボガドを投入してからパラグアイの攻撃のスイッチが入りました。前線で動き回ってDFにとっては厄介な存在だったでしょう。ルーズボールを狙おうとする嗅覚がまた見事で同点弾も競り合いのこぼれ球に反応してからの素早いシュート。これで俄然パラグアイペースに。終了間際にパラグアイが攻勢を仕掛けたのはボガドが居たのと、コートジボワールがFWのトラオレを下げたため、前線に基点がなくなったから。最後はセットプレーの連続で手に汗握りました。

実はカードが多い試合でもありましたが、それなのに全く荒れた試合にならず、対戦相手を尊敬しあいながら戦っているんだろうという姿勢が伝わってきました。終了後には多くの選手達がユニフォーム交換をしていましたから。自分のところを含めて日本のサッカー界は昨今色々な出来事がありますが、純粋に良いゲームを楽しめるフットボールの素晴しさがこの日の三ツ沢にはありました。