朝礼の話題

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感性をむしすると?

2008-10-29 09:44:30 | 21世紀
訴えられる医者2008/10/29
 36才の妊婦が出産に際し、脳溢血を起こし救急車で運ばれましたが、8か所の病院で入院拒否され、3日後に死亡しました。医者不足について東京都・厚生省が批難されています。
 遺族のご主人は、記者会見を開き「関係する医者がこの事件で退職するようなことは、不本意である。関係した医者に不満はない」と言っています。行政機関を訴えるという意味なのでしょう?

 産婦人科では、医療過誤で訴えられることが多く、産婦人科になる医者が減っています。その結果過重労働が起こり、また産婦人科を志望する医者が減ります。

 アメリカの医療過誤保険を売っている保険会社が、どんな医者が訴えられ易いか調査した結果が、「第一感」光文社刊 マルコム・グラッドウェル著の本に出ていました。

 医者が医療事故で訴えられるかどうかは、ミスを犯す回数とはほとんど関係ない。訴訟を分析したところ、腕のいい医者が何度も訴えられたり、たびたびミスをしても訴えられない医者がいることがわかった。
 一方で、医者にミスがあっても訴えない人がかなりの数に上がることもわかった。要するに、患者はいい加減な治療で被害を受けただけでは医者を訴えない。訴訟をおこすのにはほかに「わけ」がある。
 その「わけ」とは何でしょう?
 知りたい人は、本を買って読んで下さい。

 新婚カップルが、飼っているペットについて話しているビデオがあります。
 15分のビデオを観て、このカップルが何年続くかを判定しますと、ほぼ90%正解が得られるそうです。
 それには「わけ」があります。

 学生たちに教師の授業風景を撮影した音声なしのビデオを10秒間見せただけで、彼らは教師の力量をあっさり見抜いたといいます。
 こうした瞬時の判断を1学期終了後の評価と比べて見たところ本質的な相違はなかったそうです。
 
 生活の知恵とも言える、瞬時の判断のコツを教えている本です。

 科学的調査では、どれが重要な要素か分らなくなるとき、これらの直観の効用が大事なものとなります。

 西部劇でジョン・ウェインは、敵の待ち伏せに気付き、「Too Quiet」(静かすぎる)と言います。勘がいいのです。
 知識の積み重ねのみを大切にしていると、相手の反応に気が回らず、いろんなトラブルが起きます。
 知識の王様である医者に起きる医療過誤訴訟は、その際たるものでしょう。
理詰めでは限界があり、次元の違う情・感性で感じなければ限界を超えることは出来ないようです。

 定量的な考え方と定性的な考え方があります。
 現代は全て定量的な考え(理性)で進みます。サブプライム証券だって、定性的な考え(感性)で見直してみると、こんなサギ的商品!と見えてくると思えるのです。
 
 医療だって生身の身体を扱っていて、100%理論通り行きはしません。
 失敗だって必ずあります。正常な医者が治療したって、正常に進まない場合もあるでしょう。
 正常な治療をしても、患者に異常のある場合だってあり、100%治ることなどありえませんが、医者が100%治るようなことを言うから患者は盲目的に信じてしまいます。
 医療には限界のあること、生命の神秘は未だ解明されてないこと、など一般国民に教育し、身体の変調が分かるのは自分だ、そしてそれを伝える義務は自分にあることを自覚させる必要があるとも思います。

 定性的教育とは、五感でまず判断しそれを信じることです。
 寒暖計を見る前に、今何度かを感じ判断して、寒暖計を確かめる。
 物差しで長さを測る前に何センチ何ミリか検討をつけて、それから測る。
 量を計って砂糖を入れるだけでなく、味見して砂糖の不足を判断する。
 人の満足感・不満など表情から感知し、何を喜んでいるか訊いて確かめる。
 口に入れて、味、腐れ度、有毒を感知し味わって食べる。
 味わえば、パン丸呑みの死亡児童も居ないでしょう。
 感性無視から本格的錯誤が起こります。知識重視の高学歴者は要注意です。


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