朝礼の話題

見たり読んだりして、感じたことを朝礼で話しています。この頃は仕事の話は少なくなりました。

「おしん」再放送をみました。

2008-01-12 10:50:33 | 21世紀
「おしん」再放送を見ました。
正月休みに13時から20時まで4日間「おしん」を28時間観ました。
田中裕子が主役の戦中部分です。あまり面白いものではありませんでした。
  
 小林綾子主演の子供時代は、縁あって2度観て、無心の演技に感激しましたが、それ以降の部分は見る機会がありませんでした。

 おしんが辛抱して頑張る姿に、日本の未開発国時代はこんなものでその結果が現代の発展した日本だと、外国で宣伝として放映されていたと聞いています。
 成功するためには、何事も辛抱がいるという教訓で、戦前の日本を知るいいドラマだとイメージし、何時か観たいと思っていました。

 私の平成20年に観ての感想は、時代がどうだと言うより、「おしん」は所謂サゲマンであって、関わったすべての人を不幸にした女である、こんな女に触れてはいけない と言うことです。
 田中裕子が美人で、苦労している姿は同情され、皆からヒイキにされるけれど、もし、おしんが、兄嫁のおとらさんの容貌だったとしたら、疫病神として扱われるだろうと思います
 「君の名は?」で真知子さんが、全国の色んな所を旅して生活したように、山形・酒田・佐賀・伊勢・東京と不自然に移動します。
 そして、【風と共に去りぬ】のように色んな男性・女性と交際しますが、意図しないまま、おしんはスカーレットのように、関わりあう人をすべて不幸にしてしまうのです。
 作者の橋田寿賀子は、苦労して生き残る「おしん」を偉い見本・まわりの苦労して失敗する人を馬鹿な見本として、これでもかこれでもかと不幸に落とします。

 加賀屋のおかよさんは、売春婦に落ちおしんに会って死んでしまいます。
 雄三さんは、おしんと結婚し、満州に行くというのを、おしんに止められ、伊勢で魚屋になりますが、自殺することになります。
 長男の雄は、行きたい士官学校に行くことをおしんに止められ、京都大学から学徒動員され、フィリッピンで餓死します。

 おしんは、言わば逆張りで相場を張っている。その思惑ははずれ、ロスカットもしていないままなので悲劇になってしまいます。

 おしんの亭主雄三は、三男坊で、土地もなくおしんが佐賀で奴隷のように扱われるのに発奮し、干拓事業で土地を手に入れようとします。
 その干拓事業が台風で流され駄目になったのが不幸の始まりとされますが、
干拓の最初の工事は、捨石堤防作りです。堤防が出来上がったあと水門を閉じ、海水が入らないようにして完成です。
 江戸時代以前から行われている有明海の干拓で、台風で流される堤防などありそうもない話に思えました。広さにもよりましょうが個人が手を出す仕事ではなさそうです。


 おしんは、ヤオハンを作った、和田一夫さんの母「カツ」さんがモデルと言われていましたが、失礼な話です。カツさんは、こんな運の悪い人ではありません。
 この戦中時代のおしんを見ていますと、橋田寿賀子の人間観が見えるようです。「渡る世間は鬼ばかり」の登場人物が日本人の典型だと言っているようです。

 しかし、観ていると次はどうなるだろうと観てしまうのは、ドラマ作りが上手なのでしょうね。
 劇の雰囲気は、「大石 静」さんの方が好きですね。

 あぁ 損した!
 


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