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2010年08月31日配信
記事の紹介です。
悪性度低ければ経過見て
☆☆
☆東京都の会社員、染谷峰雄さん(48)は2010年6月、慈恵医大病院(東京都港区)で、前立腺がんと診断された。
09年12月に受診した人間ドックで、前立腺がんの可能性を調べる血液中のPSA(前立腺特異抗原)の量が、1年前の1・1(ナノ・グラム/ミリ・リットル)から、7・6に上がっていた。正常値(4以下)を上回り、上昇ぶりも急激だったため人間ドックの医師から詳しい検査を勧められた。
同大病院で前立腺に針を刺して組織を調べる検査を行ったところ、8本中1本から、がんが見つかった。ただ、染谷さんは現在、手術や放射線などの治療は受けていない。
PSA値は基準を超えたとは言え、やや高い程度で、組織検査でもがんの悪性度は低かったことから、急に悪化する心配は少ないためだ。3か月ごとにPSA値を測り、経過を見る。染谷さんは「検査に時間が取られるが、がんが見つかり、よかった。医師の丁寧な説明で不安もない」と話す。
PSA検診は、数多くの早期がんを拾い上げる。ただ、前立腺がんには進行が遅いがんもあり、がんが進まないうちに、天寿を全うできる場合も多い。
結果的に死に直結しないがんと、治療すべきがんを見分けるにはどうすればいいか。その答えの一つとして期待されているのが、染谷さんが受けている「PSA監視療法」だ。定期的にPSA検査を続けながら悪化の兆しが見られた時に手術をしても、病理検査の結果には差がなく、経過を見て手術をしても問題のない可能性があることが、最近の研究でわかった。
今年からは、長期的な死亡率に差が出るかどうかを調べる国際的な大規模比較試験も始まった。同大泌尿器科教授の頴川晋さんは「監視療法の研究が進めば、不要な治療を減らすことができ、患者の負担も軽くてすむ」と話す。
PSA検診をめぐっては、死亡率を下げる証拠が不十分だとして「(住民検診は)勧められない」とする厚生労働省研究班と、進行がんを減らすために「検診を推奨する」という日本泌尿器科学会の意見対立がある。
ただ、医学的な論争をよそに、PSA検診は国内で広がりつつある。09年時点では、全国の市区町村の64%にあたる1163団体で住民検診に前立腺がん検診(PSA検査)を組み込んでいる。
PSA検診で「異常」が分かっても、いたずらに不安を抱くことなく、過剰診断・過剰治療があることを頭に入れて、主治医とよく話し合うことが必要だ。
(2010年8月31日 読売新聞)
記事の紹介終わりです。
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