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藤田まことさん「明日への遺言」で見せた“男の品格”
情熱的で、ダンディーだった。2008年に公開され最後の主演映画となった「明日への遺言」(小泉堯史監督)では、捕虜の米軍兵処刑の罪を負って絞首刑を受けた陸軍中将・岡田資(たすく)を演じた。ほとんどが法廷シーンという緊迫感あふれる内容に「この作品に、主人公に惚れ込んでいるんだ」と全身全霊を打ち込んだ。
1カ月以上をかけて全国各地を回るハードなキャンペーン。取材の席で藤田さんは開口一番、「こんなに働かせて老人虐待じゃないかね」とニヤリ。さすがコメディアン出身、一気に場の雰囲気が和んだ。
だが、インタビューの核心に入ると、「日本人としての品格を最後まで失うことなく、法廷で最後まで堂々と自分の主張を通し、散っていった岡田中将の心の声を私が代弁できたら、という気持ちでお引き受けした」と力を込めた。そこには、沖縄で戦死した兄への想いもこもっていた。
当初、借金の話題は触れない決まりだった。「昔の話をいつまでもほじくられるのはかなわんよ」と周囲に愚痴をこぼしていたからだ。ところが取材では「もう借金のことはご心配なく。ははは」と切り出すサービス精神を見せた。写真撮影では「こうすれば格好良く写るよな」とポーズを決め、「みなさん、ごきげんよう!」と右手を上げて去っていった。
映画公開直後、藤田さんは食道がんに倒れた。それでも、驚異的な回復力で復活。決まっていた昨年11月のTBS系ドラマ「JIN-仁-」を慢性閉塞性肺疾患で降板したのは無念だったのではないか。映画にドラマに、藤田まことの味のある芝居はずっと語り継がれていくだろう。
訃報を聞いた小泉監督は「『明日への遺言』のラストシーンで『お別れですね』の問いかけに『なーに、隣へでも行くような気持ちですよ』と笑顔を残し、扉の向こうへ消えた姿が忘れられません。心よりご冥福をお祈りいたします」と悼んだ。(萩原和也)【関連記事】
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■ 2009年7月9日
「我が郷は足日木の垂水のほとり」 はじめました。 本稿はその保管用記事です。
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