うたのすけの日常

日々の単なる日記等

うたのすけの日常 山頭火の世界 六十一

2009-09-26 06:24:07 | 日記

「柿の葉」を終え、山頭火所感を載せます。<o:p></o:p>

 柿の葉はうつくしい、若葉も青葉も、ことに落葉はうつくしい。濡れてかがやく柿の葉に見入るとき、私は造化の妙にうたれるのである。<o:p></o:p>

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あるけば草の実すわれば草の実<o:p></o:p>

あるけばかつこういそげばかつこう<o:p></o:p>

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 そのどちらかを捨つべきであろうが、私としてはいづれにも捨てがたいものがある。昨年東北地方を旅して、郭公が多いのに驚きつつ心ゆくまでその声を聴いた。信濃路では、生まれて始めてその姿さへ観たのであった。<o:p></o:p>

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やつぱり一人がよろしい雑草<o:p></o:p>

やつぱり一人はさみしい枯草<o:p></o:p>

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自己陶酔の感傷味を私自身もあきたらなく感じるけれど、個人句集では許されないでもあるまいと考えて敢えて採録した。こうした私の心境は解ってもらえると信じている。<o:p></o:p>

「昭和丁丑の夏、其中庵にて 山頭火」<o:p></o:p>

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銃後<o:p></o:p>

 

シナ事変を題材にした句は、何句か以前に載せてみましたが、銃後と題して纏めた句には初めて接します。山頭火の戦争を題材とした句は、あくまで句作者として、平均的な市民感覚で詠んでいるものとは違います。底に流れるものはやはり、人間愛の滲む戦争批判です。<o:p></o:p>

冒頭に一編の詩を詠んでいます。そこに切々と心情を吐露していると思います。<o:p></o:p>

天われを殺さずして詩を作らしむ<o:p></o:p>

 われ生きて詩を作らむ<o:p></o:p>

 われみづからのまことなる詩を

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2 コメント

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Unknown (■かわぐち えいこう)
2009-09-26 12:40:32
天われを殺さずして詩を作らしむ
年齢ゆえに徴兵されなかったのでしょうか。戦地で死ぬことを免れた自分に与えられた天命は、まことなる詩を作ることだという覚悟ですね。
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Unknown (うたのすけ)
2009-09-26 14:54:21
かわぐち えいこうさんへ。
今日は。
そう解釈したいです。
山頭火の心情を吐露したものですね。
まことなる詩を作る、その覚悟、並ではありません。
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