ここ数日与野党間で盛んに安保法制で議論が交わされている。丁々発止とはほど遠いものだが、やらないよりはましといったところであろう。
ところで一言口を鋏まないわけにいかぬことがある。それは首相の度重なる発言で、首相は自衛隊の海外派遣についてこう述べている。国民の生命財産が脅かされる事態が起きた場合と言う。まあそれは置いといて、その後、国民の幸福を追求する権利がいちぢるしく侵されかねない事態が生じた場合と声を高めて言う。一寸待ってくれと言いたい。
それならである。現在政府は国民の幸福を追求する権利を侵すことなくそれを認め、それに応じる施策を実行しているのかと問いたい。なにもここへきて、いきなり自衛隊の海外派遣を言いだすなんて止めてくれ。
よそからの攻撃をあれこれ心配する前に、やることがあるのではないのか。
日本社会の現実を、そうです、自分の足元を見てくれ。それらを棚にあげて、自衛隊の海外派遣の論議などしてもらいたくない。
巷では親殺し子殺の惨状、年寄りや女性が日々殺されている。そして貧困家庭の現実がある。そして子供の貧困の悲しき存在に、幸福を追求する権利なんて白々しいうわ言は言って欲しくないのである。
格差社会に貧しく生きる民草に、暖かい施策に一段の努力を願いたい。アベさんよ、貴方ならできる。
「アメリカと約束しちゃったから」と言えれば楽だろうけれど。