観測にまつわる問題

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山陰・北陸・東北(日本海側)諸都市と高速鉄道考

2018-06-09 16:32:25 | 政策関連メモ
合区関連で鳥取・島根の記事ですが、今回は同じ日本海側ということで北陸や東北まで話を広げながら、鉄道に関して記事を書きたいと思います。

山陰本線高速化(山陰ご近所鉄道資料館)

山陰新幹線の構想は新幹線の基本計画路線として存在しているようですが、着工に向けた具体的な動きは行われていないようです(参考:山陰新幹線(ウィキペディア))。それもそのはずで、山陰本線は既に高速化しているようです。だとしたら、山陰に新しい新幹線を造ろうという計画が実行に移されることはまずないのかもしれません。山陰地方は切り離せない日本の重要な一部分と思いますが、県庁所在地はそれほど人口がなく(鳥取都市圏:23万9829人、松江都市圏:29万2366人)、採算に疑問符がつく可能性もあります。本州から海を隔て地形上4県バラバラになりがちな四国も人のことは言えず、共感する部分もありますが、採算を考えないビジネスも有り得ません。

もったいないと思うのは山陰本線が高速化しているという事実が日本で広く知られていないことではないでしょうか?新幹線フル規格論争がありましたが、フル規格にするかどうかの議論は当然有り得るとしても、高速化した特急を事実上の新幹線と呼んで知名度を上げ、利用を促すという手法は有り得ないだろうかと思う訳です。これなら在来線の廃止論争も有り得ず、地元がドル箱を奪われた上で採算の合わない路線の運営に追い込まれるということがありません。鉄道の強みは通勤・通学需要と都市間輸送にあって、都市間輸送を担うドル箱である特急を新幹線に奪われ、過疎の路線を維持するのは中々至難に思えます。

山陰本線の基点は大阪ではなく京都です。元々山陰地方というのも京都中心の視点でカテゴライズされた経緯がありますが、地形上も由良川流域は京都の裏にあたり、丹波地方は京都と密接な関係を持ってきたと思います。ここから但馬地方(兵庫)~因幡地方(鳥取)~伯耆地方(鳥取)~出雲地方(島根)~石見地方(島根)~長門地方(山口県)と続くのが山陰本線です。中小ばかりですが、面白い都市も多く、山陰地方の連携が進むと面白いのではないでしょうか?各地の新幹線をテーマにした観光があるようですが、それの山陰バージョンがあっていいと思った次第です。費用対効果でフル規格のハードルは高いかもしれませんが、それに類する結果が出ればそれで良しではないかと思います。

詳しくないですが、今はわりとバラバラなのかもしれません。

北近畿ビッグXネットワーク(ウィキペディア)

ビジネス至上なら姫路経由のはまかぜルートが鳥取まで延びておりあるいはこれが一番なのかもしれませんが、完全に京都を外すことになります。こうのとりルート、はしだてルート、まいづるルートがあって、大阪発と京都発の2路線あってもいいのかもしれませんが、この辺は中々難しいところかもしれません。そういう話は地元の方々がやるのが一番と思いますが、筆者としては1本筋が通った山陰ルートで鉄道を舞台に連携が進み注目が集まれば良いと思った次第です。

次いで北陸新幹線(石川県企画振興部)に触れます。今は東京から金沢駅までですが、既に終点の新大阪まで開業することは決まっています。敦賀以西は東小浜(若狭地区)に駅が出来て京都に繋がるようです。中央新幹線も三重県・奈良県ですし、京都はまだしも滋賀県は受難の時代なのかもしれませんね。リニア新幹線後はひかり・こだまが増え、より地元に密着するというプラス思考の発想があっていいのかもしれません(JR東海がリニア開業後予想図 中日新聞 2018年2月28日)。滋賀県の停車駅は米原ですね。県都大津市は京都市の通勤・通学圏でもあって、新幹線の停車駅としては京都に近すぎるかもしれません。滋賀県に関しては、また別に記事で触れたいと思います。海と言えば日本は島国ですが、みずうみ(湖)と言えば、日本では滋賀県に決まっています。日本は海洋国家であって海のチャンピオンは決められるものでは中々ありませんが(あえて言えば沖縄?)、内水面の日本チャンプは滋賀県で異論があるはずもありません(諏訪湖の長野や北海道・秋田・青森・茨城あたりの異議は全てスルーします)。話は逸れましたが、北陸地方は通常福井・石川・富山・新潟を指しますので(新潟は時にハブられることもあります)、北陸新幹線の駅がないからと言って残念がる必要はないのではないでしょうか?いずれにせよ、全線開通すれば、東京~大阪間の日本海ルート完成で、富山・金沢・福井といった日本海諸都市に焦点があたることになります。

話はちょっと戻りますが、京都発でも大阪発でも、東京~大阪間で北陸(日本海)ルートに焦点があたったように、山陽道だけでなく、山陰道にも焦点があたって、関西~九州間の新ルートが注目され開発されれば良いと思った次第です(採算面は身の丈にあった妥当なラインで納得できればどうとでもなりそうな気がします)。

最後に羽越新幹線(奥羽・羽越新幹線整備)ですが、これは通してみれば北陸新幹線前提で大阪から青森に至るルートな訳ですが、日本海側諸都市を結びつけ、東京から新潟~秋田~青森~北海道の迂回路をつくり、北陸地方や東北地方の均衡ある発展を図るという意味合いもあると思います。これは山形新幹線(ウィキペディア)・秋田新幹線(ウィキペディア)の絡みもあって、山形新幹線は今は新庄まで開通しているようですが、酒田(庄内地方)まで伸ばすとか、大曲まで伸ばして秋田延伸まで視野に入れるとかそういう話もあるみたいですね。東京~秋田間の秋田新幹線は、盛岡から直角に曲がる感じで、東京~秋田間の最短距離になるようには思えません。採算性は極めて重要ですし、山形から大曲に繋がれば恐らく最短でしょうが、羽越ルートも日本海側で最大の新潟市(都市圏人口は唯一100万を超えます。端過ぎる九州や北海道を入れなければですが)が入って、庄内地方(酒田が挙げられますが、鶴岡も並ぶ都市です)に光が当たって、秋田・青森ですから、かなり面白いのではないかと思うんですよね。小都市なら村上市もありますね。皇太子徳仁親王妃雅子様の本籍地が村上市本町なのだそうです。山形新幹線も良いと思いますが、東北最大の都市仙台を通らないという難点がないとは言えません。そう考えると北陸最大の都市を抱える羽越ルートが面白いということになると思います。

せっかく北陸新幹線が全線開通するのだったら、北陸最大の都市まで大阪から繋げばいいとも思うんですよね。日本海の話で金沢や富山・福井とも連絡しやすくなります。上越地方に焦点もあたります。戦後時代の著名大名軍神とも言われる上杉謙信の居城は春日山城(春日山城跡 上越観光NAVI)ですが、上越地方にあります。日本の城郭の有名どころは大体安土桃山時代以来の織豊系城郭か次いで江戸時代の城郭に由来するのですが(松山市のシンボルである松山城を築いたのは豊臣系大名の加藤嘉明公(秀吉子飼いで賤ヶ岳の七本槍。賤ヶ岳は滋賀県で、柴田勝家(北陸担当)と戦った賤ヶ岳の戦いは明智光秀(山陽ルートの秀吉に対して信長に山陰ルートや四国を任され一時は秀吉以上に評価されていたとされます。秀吉との出世争いに負け始めたことが本能寺の変のきっかけのひとつの見ることもできます)との山崎の合戦と並んで秀吉が織田家を支配するという下克上を決定づけた戦いのひとつになります。日本海沿岸は決して裏で片付けられる地方ではありません)で、松山という名前を命名しており、安土桃山時代の影響は無視できないものがあります。松山城を築く以前の城が正木城で城跡に行ったこともありますが(ただの小さい岡です)、筆者の現在居住する松前町に存在します。狙った訳ではありませんが世間は狭い?)、それ以前の戦国時代の城としては春日山城は巨大でいろいろ面白いのではないかと思いますが、残念ながら今はただの城跡のようです。上越新幹線の上とは上州(群馬県)の上で上越新幹線は通っていませんが、羽越新幹線こそ真の上越新幹線と言えなくもないのかもしれません(えっ!上越新幹線は上越市も上越地方も通らない? じゃあ由来って何? にいがた就職応援団)。幾らなんでも紛らわし過ぎで、上越市民はわりと迷惑ではないかと思うのですが。

そんなこんなで山陰地方を中心に北陸・東北を含めて日本海側の高速鉄道を考えてみました。日本海側は切り離せない日本の一部で中々面白い地域だと思います。


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