観測にまつわる問題

政治ブログ。政策中心。「多重下請」「保険」「相続」「農業」「医者の給与」「解雇規制」「国民年金」を考察する予定。

満州国の検討(大艦巨砲主義より2)

2017-07-11 22:20:31 | 日記
ついで大艦巨砲主義記事「国土が小さい日本、なぜ中国を侵略しようと思ったのか」(2017年07月10日 19:00)を検討します。

>おい中国人、当時中国には英露米仏蘭日が 各地に駐留していて日本と中国が戦争しなければ 香港の様に中国全土が英露米英仏の植民地になってたと思うぞ 日本に感謝しろよ!

事実と思いますが、戦争に負けてガンガン主張する訳にもいかないですからね。逆に言えば、その辺を認めると中共の正統性が怪しくなりますから、あるいはその辺をつかれるのを恐れて歴史で日本を口撃しているのかもしれませんよね。攻撃は最大の防御といいますし。

例:上海租界(ウィキペディア)

>理解に苦しむのは当然で、動機が侵略ではなかったという事だ。有色人種の中で白人の走狗となって日本を苦しめたのは中国だけだった。

満州国は侵略のようにも見えます。台湾も侵略に見えますね。講和できるチャンスがあったのに講和できず結局たてた汪兆政権も侵略に見えなくもありません。白人の走狗になったか知りませんが、白人とつるんで中国を苦しめたのは日本です。そういう時代だったんですけどね。それを日本人が自覚していたら、ちょっとアジア開放みたいな理想を真顔で語ることは中々難しかったろうと思います(第一次大戦は勝ち組につきましたが、その後負け組みに逝ってしまって慌ててこさえた言い訳を真面目に信じるべきではないと思います。日本は必ずしも聖人ではありません)。

>このまま欧米列強のアジア植民地化が広がると いつか日本も植民地化の脅威に晒されるから アジアから欧米列強の力を追い出そうと考えざるをえなかった 最終的に敗戦したけど初期の目的は達成されアジアは欧米の植民地ではなくなった

欧米列強とつるんで中国利権を刈りとっていた時代にそんなことを言う奴はいなかったろうし、いても馬鹿にされたろうと思います。日本がアジアで強くなり過ぎたから欧米に敵視された部分があったかもしれませんよね。あるいは。オフショアバランシングのようなことを考える奴は当時の欧米にもいたのでしょう。ただ、三国干渉のようなことはありましたし、不平等条約もありましたから、欧米に対して思うところがなかった訳でもないでしょう。筆者は日本人とて負ければ悔しいでしょうし、言い訳のひとつやふたつしたくなろうと思いますが、ちょっと冷静になった方がいいと思います。

>侵略?ふざけるな、あんたらがだらしがないから国防上合法的にシナに居ただけだろ。戦争仕掛けたのはあんたらの方だったのは常識
欧米に植民地化されて国防も出来なかったシナ人

満州事変は日本の侵略ですね。その前の日清戦争も日本の侵略です。日中戦争は中国の侵略ですが、その辺をごっちゃにしています。中国は欧米に一部植民地化されましたが、日本も一緒になって侵略しています。

>もともと満州は支那とは関係ない。 清朝がロシアに割譲してロシア軍を押し返したのが日露戦争。 その後、日本が開発して繁栄したら、蒋介石が北伐の余勢で侵攻してきた。 (欧米の紐付き) そりゃ、応戦するだろ。普通。 その後は、あまりに支那が弱すぎ、勝手に自滅したから、空白地の中原の統治責任が生じた。

もともと満州に漢民族は住んでいませんでしたが、19世紀末にロシアの圧力に対抗して禁止していた漢民族の流入を解禁して急速に漢化したようです。満州事変以前に満州を支配していたのは満州人ではなく、張学良でした。清がロシアに割譲したのは今の沿海州・アムール州にあたる地域(アイグン条約・北京条約)ですが、日露戦争時には満州は事実上のロシアの植民地のようになっていたようです。日露戦争で満州の権益は日本に移りましたが、決して支配していた訳ではありません。後知恵ですが、日本は満州の権益確保に徹していれば破局を避けられた可能性が高いと思います。中国に利権があるのは欧米列強も同じで、リットン報告書でも権益は認められています。権益確保に張作霖が厄介だったようですが、①日本政府がコッソリ殺る②張作霖爆殺事件の首謀者と言われる河本を厳しく処断した上で(松井石根大将は最後まで厳罰を求めました)あくまで権益を確保していく③デメリットが大きいなら撤退する・・・の選択肢があったと思います。北伐の時に日本と衝突したのは山東省で(済南事件)、北伐の時に奉天軍閥を掌握していた張学良は国民政府に服属していますから、蒋介石が満州に攻めてきたというようなことはありません。

>政治的に正当な手続きの結果日本は進出し、すっかり混乱した治安を維持することと、ロシアを睨む必要があったのとまあそんなところ

満州事変は正当な手続きとは言えません。

>満州は溥儀も望んで開拓した 現在も貧しい途上国から先進国に人が流れるように 満州人がほとんどだったが満州国に漢民族が入り込んで 漢民族が8割になってしまったそうだ

満州に漢民族を入れたのは清でロシアの圧力に対抗するためであったようです。日本が満州国を建設する以前から奉天軍閥(張作霖・張学良)がいました。

>満州国というのは、理にかなった存在だと思う。 本来、女真族などの土地だった満州だが、当時は人口が希薄になって 無主の地のようになっていた。放置すればロシアが占領していた。それを日本の主導で「五族協和の国」にしようとしたわけだ。満州国がそのまま続いていれば良かったんんだ。

当時はソ連ですね。奉天軍閥がいたから漢民族の土地のようになっていたでしょう。誰もいないところ(無主の地)に権益もありませんし、鉄道を引くやつもいません(満州国以前から鉄道利権はあります)。ソ連は張学良と戦争していますが撤兵しています。五族協和の理念は美しいですが、多数派は漢民族でした。

>日本は支那を侵略しようなんて思っていない

満州事変は侵略ですし、日清戦争も侵略でした(福建人メインの台湾もとっています)。日中戦争は中国の侵略で開始したと思いますが、日中和平交渉は日本が当初の条件をつりあげて決裂しており、傀儡政権を樹立しています。

>満州が開発されたとたん中国領とか言い出す始末。

奉天軍閥が国民党政府に服属したから中国領なのでは?日本が満州国を建設して開発する以前、誰が支配していたかです。あるいは何人が多数派かです。また清の故地が満州ですが、日本を含め国民党政府が後継を認めています。

>ああしなければルーズベルトは共産主義者だからね。しかも戦争で世界を変えようとしてたから スターリンそっくりなんだよ。方向が違ってもヒトラーに近い。日本はあのままでは共産勢力に侵略されておしまいだったよ。無駄な戦いだったとは思えない。

ルーズベルトは中国に思い入れがあったようですね。ルーズベルトはチャーチルの戦争終結のため日独の降伏条件を緩和しては?という意見を蹴ったようですから、日本にとって都合が良くない人だったのは確かだと思います。

こんなところですかね(勉強しながらで申し訳ありません)。歴史に造詣が深いのは素晴らしいですが、あまり満州国建国近辺のキナ臭さを誤魔化さない方がいいと思います。続きはまた気が向けばやります。

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1 コメント

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Unknown (めろん)
2017-07-12 18:50:39
原爆が問題ないとは思いませんが、本土決戦をしないために仕方なくというのは本当だったんじゃないでしょうかね。少なくとも1960年代まではこのような認識だったようですが、何がキッカケで意識が変わったのでしょうか。少し不思議です。ちょと検索してみても答えが見つからなかったですね。70年のカルト化した安保闘争にでも関係してるのでしょうか。
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