旅はまだ終わらない(旧構造有機化学研究室)

構造有機化学研究室(1992-2023)のホームページを引き継いだものです。

選択と集中の結果

2020-09-18 13:32:22 | 大学のこと

     

数日前の日経新聞に掲載されていたグラフであるが、残念ながら(と言うより予想どおり)、総合的に見た研究力の低下が止まらないようである。 日本の文化的な土壌の中で、過度の「選択と集中」を行えば、このような結果になることは、誰の目から見ても明らかであった。 トップレベルの研究は何とか維持しているが、それ以外はすべて下降の一途を辿っている。 地方大学に、四半世紀身を置く者として、この間の凋落傾向は凄まじく、よほどの大きな改革をしない限り、世界に抗していくのは難しいと感じている。 また、中堅技術者の質の高さが日本の強みであったはずだが、彼らを主に教育している地方大学が空洞化した結果、日本の国際競争力の低下に繋がっている。 

     

さらに将来の研究活動を担う人材を育成する博士課程であるが、修士課程から進む、所謂、内部進学であるが、我々の学科ではほとんどゼロと言ってよい。 現状は、留学生と社会人ばかりである。 まあ、博士号をとっても、「高学歴ワーキングプア」という言葉があるように、なかなか職が見つからない現実では、誰も進学したがらないのは当然である。 さらに、トップレベルの大学の博士課程も外国人ばかりという話もよく聞く。 近視眼的になってはいけないのだが、予算の使い方(日本の税金)としても、ちょっと問題かもしれない。 法人化後、多くの大学は、生き残る(評価を上げる)ために、何か耳障りの良いことばかり次か次へと打ち上げ花火を上げている。 その陰で、地味だが大切なことが忘れ去られようとしている。

From Face Book: As the result of “Choice and Focus”.

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