夢発電所

21世紀の新型燃料では、夢や想像力、開発・企画力、抱腹絶倒力、人間関係力などは新たなエネルギー資源として無尽蔵です。

ホップ、ステップ、ジャンプ!

2010-08-27 06:32:32 | 私と福祉とであいの旅
 今年法人創設満十周年の年である。
 2001年に社会福祉法人 抱民舎 知的障害者通所更生施設「であいの家あうん」がスタートし、2005年4月に小規模作業所だった「パン工房・メトロノーム」から「授産施設ゆいまある」として法人の事業に組み入れ、2007年 自立支援法の中での旧体系施設から新事業体系への移行を行い、就労継続支援B型「パン工房・ゆいまある」を現在地で開店した。
 「生活介護・であいの家あうん」は定員20人に対し、現員は24名。うち生産の場「福祉ショップあんしん屋」「地域活動センター・あうん2」をあうんから分離し、10名程度がリサイクル活動や販売活動、農作業活動を行っている。
「就労継続支援B型・パン工房・ゆいまある」は定員20名で現員は21名。この事業所は法定雇用対象となっておらず、毎月の工賃は最高でも1万7千円程度である。

 ほかに昨年12月に「居宅介護(ヘルパー派遣事業)」と「相談支援事業所」を開設し、本年4月には法人は角ケアホーム「SEEDS]がスタートしている。
 短期入所事業・送迎サービス事業・移動支援・日中一時支援などの各種事業を整備して、ほぼ地域での安心の暮らしがある程度過ごせる環境ができつつある。
 そして今年また次のステップであるA型事業所を弘前市内へ開設するために、動き出している。このA型事業は法定雇用となるために、最低賃金の保障や、社会保険なども通常の職員雇用と変わらない事業所である。毎月10万円平均を給与として保障するとなれば、10名の賃金合計は100万円+αとなる。その分の収入が確保されなければA型事業所を維持できないことになる。ということは一日の平均収益を5万円以上確保しなければ、苦しい計算である。これはパン販売というこれまでの実績をみると、店頭での販売だけでは到底難しい額である。予約販売(配達)を約6割、店頭販売を4割程度に確保しなければ厳しいのだ。
 相当な覚悟と決意でなければこの新たな事業所を成功に導くことは難しいことがわかる。それでもやらなければならないのは、B型事業所では保障できない次のステップアップを目指さなければならない、いや目指す力を持った人たちが働いている。更にこれから卒業をする人たちが、受け皿の空きを待っているのだ。
 安易な囲いの中に閉じ込めておくのは、本来の私たちの目標ではない。 
 厳しい道のりをまた歩かなければならないが、それはまた私たち支援者自らのステップアップでもあるのだ。障害者というレッテルを利用した自立の道を、私たちも彼らも望んではいない。一人の社会人としてのあらゆる権利と義務の行使こそが可能なエリアを獲得することこそ、一つの到達点といえるのだと思う。みんなで力を合わせ、地域の方々と力を合わせながら、安全で美味しいパンを作っていこう!
 この新規事業は明日28日の法人理事会評議員会で承認を受ければ、日本財団の補助金内示を待って、11月後半から入札などを経て、12月着工し1月末竣工。諸検査を受けて、その後内部での焼成試験や内部研修などを行い、次年度4月オープンを目指したい計画である。
 このような計画の進行が順調にできるのも、共通の目的達成を願う同志がいてくれるからだ。薄給ではあるが、本当の障害者福祉の充実を目指して、身を粉に働いている若き後継者に感謝の日々である。