TSUNODAの経営・経済つれづれ草

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改正産業活力再生特別法が22日成立しました

2009-04-23 07:03:15 | 経営全般
  日本全体が経済危機に陥っている現在、公的資金による企業の資本増強支援策として、改正産業活力再生特別法が22日成立しました。

 このスキームは、企業が産業再生法に認定を申請し、政府が資本注入制度の4つの基準に照らして認定すると、日本政策投資銀行などによる出資が実施されます。公的資金による資本増強は議決権にない「優先株」として注入されます。
 そして、倒産などによる損失がでた場合は日本政策金融公庫からの5~8割の損失補填が実施されます。

 4つの基準は、①売上高が4半期で20%以上、または半期で15%以上減少、
②収益向上計画として3年以内に株主資本利益率(ROE)が2ポイント以上向上、③従業員500人以上(連結)、またはこれらの企業に代替困難な部品を供給し、そのシェアが30%以上、④取引金融機関が協調融資に応じることです。

 半導体メモリー(DRAM)世界3位のエルピーダメモリをはじめ、日立政策所やNEC、東芝などの大手電機メーカーが活用を検討しています。

 世界的な不況になかで、経営不振に陥ってる企業支援の施策として緊急支援的な法ですが、問題点もあります。
 まず、いくら4つの基準が示されていましても、救済する企業とそうでない企業の線引きが、政府の裁量にゆだねられていることです。次に経営者や株主の責任を明確にしないままでの資本注入ということです。それから、再生の見込みにない企業の延命策としての支援となることも考えられます。

 一方、未曾有の景気後退のなかで、半導体は家電製品や自動車に欠かせない基幹部品であり、それを取り扱う東芝や日立は存続すべきで公的に支援すべきという意見もあります。

 カネボウやダイエーなどの再建を担い2007年3月に解散した「産業再生機構」のように、短期に限定しての支援策として今回の特別法は実施すべきだと私は思います。また、企業の支援はどの時点で支援を終えるかなど明確にした支援を実施すべきだと思います。