今日は、原油価格の上昇が話題になっていますが、原油同様に高騰しているレアメタルについて思うところを書きます。
原油高や「サブプライム」で揺れる日本経済に、別の危機が忍び寄っているといわれています。レアメタルというハイテク製品の生産に欠かせない希少金属の確保が難しくなってきていることです。理由は、世界有数のレアメタル産地である中国が消費国としての存在感を高めているからです。
レアメタルとは、工業向けの需要はあるが、存在量が少ないなどの理由で産出が難しい金属です。経済産業省の定義では31種類としています。液晶・プラズマディスプレイで利用されるインジウム、切削工具・金型や自動車電装部品に利用されるタングステン、デジタルカメラの工学ガラス・携帯電話の電池極材に利用されるレアアースなどです。いずれも、日本の主力産業の競争力の要となる資源です。
しかし、これらの資源は中国を中心とする新興国の急激な経済成長で需給が逼迫して値段が高騰しています。たとえば、レアアースは平成14年には1キロ7.3ドルだったのが、平成19年には31ドルの4.2倍に、インジウムは1キロ85ドルだったのが720ドルに急騰しています。レアアースは93%、インジウムは55%が中国が産出している資源です。
中国は、この数年でレアメタル輸出の方針を大きく変えました。レアメタルを大量輸出していた政策を改めて、精錬技術を高めるとともに、電子機器などの国内川下産業の競争力強化を図るという方針を打ち出したのです。その影響が如実にでています。
国は「戦略物質」になりつつあるレアメタルの安定確保のために新たな政策を打ち出しています。資源エネルギー庁が所轄する総合資源エネルギー調査会レアメタル対策部会の平成19年7月の答申では、①レアメタル海外探鉱開発の推進と資源外交、②工程くずの抑制とリサイクルの推進、③代替材料の開発、④レアメタルの備蓄の4つの施策を打ち出しています。
国は、脱中国依存を目指して、アフリカと中央アジアに狙いを定めてレアメタル外交に力を入れてます。しかし、レアメタルの有望な権益はすでに欧米が押さえていて、日本のレアメタルの探鉱・開発は容易ではないようです。
日本にとっての現実な方法は、歩留まり向上や、リサイクルと代替材料の開発だといわれています。平成23年までに総額55億円を投じて、企業と学術研究機関が共同で代替材料の開発に取り組みます。リサイクルでも資源エネルギー庁が、インジウム、ニッケル、コバルトを回収・再生するナショナルプロジエクトを立ち上げます。
好景気が続いていると言われている日本ですが、原油高騰の問題、レアメタル高騰の問題、サブプライムの影響などグローバルな問題から、地域格差の問題、業種間格差の問題など国内問題を考えると、景気回復がなり、しっかりした足取りになったと言われますが、今は綱渡りをしながらなんとか前に進んでいる状況ではないでしょうか。
今後5,6年間は幾度となく経済危機を克服してきた日本人の英知をまた結集していかなくてはならない正念場となる期間であるように私は思います。
原油高や「サブプライム」で揺れる日本経済に、別の危機が忍び寄っているといわれています。レアメタルというハイテク製品の生産に欠かせない希少金属の確保が難しくなってきていることです。理由は、世界有数のレアメタル産地である中国が消費国としての存在感を高めているからです。
レアメタルとは、工業向けの需要はあるが、存在量が少ないなどの理由で産出が難しい金属です。経済産業省の定義では31種類としています。液晶・プラズマディスプレイで利用されるインジウム、切削工具・金型や自動車電装部品に利用されるタングステン、デジタルカメラの工学ガラス・携帯電話の電池極材に利用されるレアアースなどです。いずれも、日本の主力産業の競争力の要となる資源です。
しかし、これらの資源は中国を中心とする新興国の急激な経済成長で需給が逼迫して値段が高騰しています。たとえば、レアアースは平成14年には1キロ7.3ドルだったのが、平成19年には31ドルの4.2倍に、インジウムは1キロ85ドルだったのが720ドルに急騰しています。レアアースは93%、インジウムは55%が中国が産出している資源です。
中国は、この数年でレアメタル輸出の方針を大きく変えました。レアメタルを大量輸出していた政策を改めて、精錬技術を高めるとともに、電子機器などの国内川下産業の競争力強化を図るという方針を打ち出したのです。その影響が如実にでています。
国は「戦略物質」になりつつあるレアメタルの安定確保のために新たな政策を打ち出しています。資源エネルギー庁が所轄する総合資源エネルギー調査会レアメタル対策部会の平成19年7月の答申では、①レアメタル海外探鉱開発の推進と資源外交、②工程くずの抑制とリサイクルの推進、③代替材料の開発、④レアメタルの備蓄の4つの施策を打ち出しています。
国は、脱中国依存を目指して、アフリカと中央アジアに狙いを定めてレアメタル外交に力を入れてます。しかし、レアメタルの有望な権益はすでに欧米が押さえていて、日本のレアメタルの探鉱・開発は容易ではないようです。
日本にとっての現実な方法は、歩留まり向上や、リサイクルと代替材料の開発だといわれています。平成23年までに総額55億円を投じて、企業と学術研究機関が共同で代替材料の開発に取り組みます。リサイクルでも資源エネルギー庁が、インジウム、ニッケル、コバルトを回収・再生するナショナルプロジエクトを立ち上げます。
好景気が続いていると言われている日本ですが、原油高騰の問題、レアメタル高騰の問題、サブプライムの影響などグローバルな問題から、地域格差の問題、業種間格差の問題など国内問題を考えると、景気回復がなり、しっかりした足取りになったと言われますが、今は綱渡りをしながらなんとか前に進んでいる状況ではないでしょうか。
今後5,6年間は幾度となく経済危機を克服してきた日本人の英知をまた結集していかなくてはならない正念場となる期間であるように私は思います。