TSUNODAの経営・経済つれづれ草

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地元企業サンデン㈱の牛久保会長がデミング本賞を受賞する

2007-11-29 22:51:35 | 地域産業
 総合的品質(TQC)の最高峰、デミング賞の本賞に地元企業サンデン㈱の牛久保会長が受賞したことに思うところを書きます。

 デミング賞は、日本管理技術の普及に努めたE・デミング博士にちなんで日本科学連盟が昭和26に創設した賞です。デミング賞の種類は、①デミング本賞(対象:個人またはグループ)、②デミング実施賞(対象:企業または企業の事業部)、③デミング賞事業所表彰(対象:企業の事業所)の3つあり、今回の牛久保会長の受賞は個人としての受賞です。

 サンデン㈱は、TQM(総合的品質管理)に力をいれている企業です。昭和61年に牛久保会長が副社長のときに全社を挙げてTQMに取り組み始めました。平成6年からはサンデン独自のTQMであるS・TQM(SANDEN・TQM)を始めました。平成10年にデミング実施賞を受賞、平成14年には実施賞から3年以上にわたってさらに向上した企業を対象にした日本品質管理賞を受賞しています。この賞は、サンデン㈱のほかにトヨタ自動車、新日本製鉄など20社が受賞している品質管理の最高の賞だそうです。

 サンデン㈱は伊勢崎市に住む者にとっては身近な企業です。私の近所にもサンデンに勤めている人が多くいます。サンデン㈱の下請企業も多く存在します。私は平成16年から18年まで業務で伊勢崎、玉村地区の企業を訪問していました。サンデン㈱についても、主にカーエアコン用コンプレッサーを製造している八斗島工場と主にショーケースを製造しているサンデンフォレスト赤城事業所を訪問しました。
 工場内には、QC活動のパネルが部署ごとに掲げられていました。たいへん熱心にTQC活動を実施している企業であるという印象を持ちました。

 それから、職場にはサンデン㈱を退職されたOBの方に労働相談員として仕事をしていただいておりましたので、サンデン㈱のことをよく聞かせていただきました。
 工場を見学したり従業員の話を聴いて、私はサンデンはトヨタ自動車をベンチマークしているのではないかと思いました。世界一のトヨタ自動車と企業規模は違いますが、両社とも愛知の田舎者と群馬の田舎者と言われることを喜んで受け入れる質素剛健を旨とするような企業です。

 牛久保会長は、非常にバイタリィティーに溢れる人だと聞きます。仕事で伊勢崎と東京を二往復するのも平気でこなしてきたと聞きます。英語も堪能で1人で海外に出張もしてきた人です。サンデンを統率してきた牛久保会長が今回の賞を受賞して、サンデンはより一層品質管理に力を入れていくことになると思います。会長のインタビュー記事でも、今回の受賞はお祝いでなく叱咤激励だと思い、改めて原点に立ち返り、「挑戦と改革」を実践していくと述べています。

 サンデンの成長は、従業員、取引企業、税収などいろいろな面で地元にとっては関わりのあることであります。企業として成長を続け地元貢献していってもらいたいものです。