TSUNODAの経営・経済つれづれ草

身近な経営に関すること、経済に関することを思うままに

障害者雇用率(群馬県)が1.4%と悪化したことに思う

2007-11-26 22:29:03 | 地域産業
 今日の朝日新聞に地元群馬県の障害者雇用率が前年度と比較して悪化した記事が載っていたことに思うことを書きます。

 群馬県労働局の発表では、県内の民間企業の障害者雇用率(19年6月現在)が1.48%(全国平均1.55%)で、前年同期比から0.04%下がったことがわかりました。新聞では、この数値は、20年前と同じ数字で、障害者雇用促進法の改正にかかわらず、就労の現場ではその雇用が進まない現状を浮き彫りにしていると書かれています。

 県内の事業所に雇用されている障害者は2,879人と発表されています。障害者雇用率を企業規模別で見ると、最も低いのは100人から299人規模の企業で、1.29%にすぎなかったことが発表されました。300人以上の企業に対しては罰金の規定があるのですが、その対象外であることも影響していると思われます。

 障害者雇用率とは、民間企業、国、地方公共団体に対して「障害者雇用促進法」に基づき障害者を雇用する割合が規定されているものです。一般の民間企業は(常用労働者56人以上の企業対象)は1.8%、国、地方公共団体は2.1%とされています。新聞の雇用率が1.48%ということは法定雇用率を下回っているということです。

 行政は、障害者雇用促進のために、「障害者雇用調整金」、「障害者能力開発助成金」などの支援策を実施しています。また、障害者雇用優良事業所表彰制度も実施しています。私は、業務で表彰対象企業の事前調査を行った経験があります。製造業の企業でしたが、計画的に法定雇用率を意識して障害者を雇用していました。障害者雇用のポイントはいかに適材適所に合致した人を採用できるかという経営者の話を聞きました。
 
 障害者の適材適所という観点から、特例子会社制度があるということも表彰式の記念講演で聞きました。三洋電機が創設した特例子会社の責任者の講演だったように記憶しています。新聞には、自動車部品大手のミツバが平成18年6月に障害者雇用する目的する「アムコ」を創設したと書かれています。この特例子会社により、ミツバは1.58%だった雇用率が1.91%になり、法定雇用率をクリアしました。
 
障害者雇用は、トイレ等の設備改修のハード面や業務訓練などのソフト面で企業にとっては、負担のかかることです。しかし、企業が社会的責任を果たすという点から知恵をしぼって障害者を受け入れてもらいたいものです。障害者雇用は企業にとって企業PRという意味では地味なことかもしれませんが、地道に、誠実に障害者を雇用しているような企業が長い目で見れば、地元の信頼を勝ち取っていくのではないでしょうか。