TSUNODAの経営・経済つれづれ草

身近な経営に関すること、経済に関することを思うままに

日本マクドナルドが調理日時ラベルを改ざんした

2007-11-28 22:27:22 | 経営全般
 今日は、日本マクドナルドの都内フランチャイルズ(FC)店で調理日時のラベルを張り替えて販売していたことが明らかになったことに思うところを書きます。

 新聞報道などによると、日本マクドナルドがFC契約を結んでいる㈱アスリートが経営する都内の4店で、2年前から「サイドサラダ」などの調理日時のラベルを翌日のラベルに意図的に張り替えていたことが明らかになりました。
 マクドナルド本部は11月2日に改ざんを把握していたのですが、アルバイトは改ざんを認めたに対して、アスリート社員が改ざんを否定していたので公表をしていませんでした。しかし、27日にアスリート社員がラベルの張り替えを認めたため、FC契約を解除して、今後はマクドナルドが直営で店舗運営を行います。アスリート社員は、「廃棄するのがもったいないから」と理由を述べたと言います。

 日本マクドナルドの長田泳幸CEOは「もっと早い段階で確認できなかったことは残念。今回の出来事は偶発的な事故。」と述べ、組織的な関与は否定しています。

 10月末現在で、日本マクドナルドの直営店は2734店、FCは1063店で合計3797店あります。原田CEOは、直営店3、FC7の比率へと逆転させる方針を持っています。FCが拡大した場合には今回のような本社の目の届かないことが起きる可能性は残るのではないでしょうか。

 原田CEOは、日本マクドナルドを復活させた経営者です。その経営手腕はすばらしいもので名経営者と言われている人です。次のようなインタビュー記事(日経ビジネス・2007.4.2号、編集長インタビュー)を読みました。

1 「食の安全に関すること」について
 以下原田CEOの発言です。
 「そうです。安全という観点からすれば、14億人のお客さんのうち、1人でも事故があったら、会社が根こそぎひっくり返るリスクもあります。」
 原田CEOは「食の安全の信頼」がいかに大切であり、その信頼を失うことは企業の命運に関わることを十分に認識していたと思います。日本マクドナルドの食品管理はたいへん厳密ですので、今回のことは原田CEOには無念であろうと思います。

2「一度来店したお客を逃がさない工夫」について
 以下原田CEOの発言です。
 「最近になって、やっと商品のシナジー効果が出てきました。これまでは家族で来店した時に、お父さんと子供のメニューはあっても、お母さんの食べるものはなかった。そこで「サラダマック」を投入したわけです。すると「家族で行きましょう」となる。」
 この戦略商品のサラダにラベル張り替えの不正が判明したのですから、マクドナルドとしては痛手だと思います。

 今回の日時ラベル張り替えだけでなく、最近の一連の食品表示不正について、あまりに安全性に過剰になっているのではと思います。食べ物がなくてアフリカでは5秒に1人の子供が餓死している報道されています。安全性など関係ない地域もあるのです。
                     
 私たちは日本人は飽食の時代の真っ只中の生きています。その象徴が過剰な食の安全に対する反応ではないかと私は思います。