あび卯月☆ぶろぐ

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グローバル化とは何か

2006-08-30 22:20:54 | 社会・世相
『en- taxi』という雑誌があります。
編輯人は福田和也、坪内祐三、柳美里、リリー・フランキー。
表紙の文によると「超世代文芸クオリティマガジン」とのこと。
『東京タワー』が連載されていたのもこの雑誌です。

さて、この『en- taxi』の第二号に柳沢みきおの『大市民』が掲載されていました。
グローバル化を論じた内容の漫画で私は非常に共感を覚えたのでここに紹介したいと思います。


そろそろ、我々、日本人は
これからをどう生きぬくべきかを真剣に考える時が来たと思う!!

主人公:「グローバル化ってのがもてはやされているが」
某編集者:「そうですね」
主人公:「みんなその正体が分かってんのかなァ」
某編集者:「は?――と言いますと?」
主人公:「白人支配化ってことじゃないか」
某編集者:「!!」
主人公:「もっと、つっこんで言うとアメリカ一極支配化ってことなんだよ!!」

我々アジア人が白人に支配されてしまうってのがグローバル化の正体だ
だからグローバル化を推奨してる役人が信じられん。
バカ言うな、だよな
反グローバル化こそが日本人として幸せに生きるコツになるんだ
今、お上が更に英語力の強化を始めようとしているが
(これもグローバル化だ)
なんで他国の言葉を全員がおぼえなきゃイカンのだ?
なんで入試に必ず他国語があるんだ?
必要だと思った人だけ覚えりゃいいんだ
そうでない人が覚えたところで日常のなんの役に立つのかねぇ
(中略)
それにさ戦後これだけ英語を押しつけられても結局身につかないではないの。
安っぽい英語だけは身につけたがな
(中略)
身につかないのはみんな必要性を感じていないからさ
なのにお上のバカ共は意味もなく押しつけて
国民は漬物じゃねぇんだ!!

それよりも―――!!

乱れきった自国語の教育が大事だろうが!!
(何がチョイスでリスペクトだ!! どアホウが!!)

母国語よりも他国語を大切にする国ってもう植民地じゃないか
まァしかしどうあがいても
グローバル化・アメリカ化ってのはさけられないどころか
日本はすでにアメリカの植民地だ

(中略)

まァ間違いなく日本はこれから貧しく苦しくなるばかりだろうな

妙な名になった銀行がまたひとつ倒れたが
その名になった時 この銀行はおしまいと思っていたが(もうひとつあるな・・・)

しかし豊かになったって
ブランド品買い漁る程度の消費のしか出来ない国民なんだから
むしろ経済的には豊かになんかならない方がいいんだよ

戦後日本の一番の間違いはアメリカを先生にしたことだ!!
幸せは金しだい!!
―――ってのがアメリカ流なんだよ
アメリカは歴史も文化もない
生まれてまだ二百年しかない新しい国なんだ(たった二百年だぞ)
だから、だからこそ
金がすべての価値判断になるしかない国なんだ!!(当然だ!!)
日本はそんな国、むしろ反面教師として見るべきだったのに・・・
古い国である日本がそんな赤チャンの国をマネしたもんんだから
昔から温めてきた文化を削ぎ落としてゆき―――
地盤のスカスカな“欠陥国家”を造り上げてしまった

唯一、残されたものはあふれるほどの美しき四季だ!!
そういう地に生まれたことを我々日本人はもっと神に感謝するべきだ

(中略)

汐留、丸の内、六本木ヒルズ―
なんだそんなもの
自然にまさるものは無しだ!!

人生の良し悪しは金の豊かさでなく
心の豊かさで決まるのだ!!

(中略)

ギリシャの村をテレビでやっていた
みな驚くほど身なりは貧しいが(クツもズボンもヨレヨレ)
我々日本人よりはるかに生き生きと楽しそうで
男が熟成して人生を味わっているように思えた・・・
今の日本人と真反対だ!!

戦前には日本にも「ダンナ」と呼ばれる熟成した大人がいた
今はもう国宝級に絶滅しつつある
札束で人をひっぱたくようにして
いばっているオヤジはゴキブリのように繁殖しているが

だって皆さんの回りに一人でもいます?
永六輔みたいな粋なダンナが・・・
「粋なダンナ」こういう大人が少ないと国に色気がなくなる

(中略)

夜中の雨は大地の匂いがして大好きだ
世間では高層マンションが大人気らしいが
私は窓から大地の匂いがしてこない家には住みたくない
もっと日本人は原点に戻って大地に足をつけた生き方をするべきだろう
アホのように癒しを求めてるが
大地にこそその癒しがあるのに

今の日本人を見ていると哀れになる
新しいモノ 意味の無い流行に支配され、
世間で使用済みの用意された言葉、考えを
何も考えずになぞり
自分の言葉で話さない
形だけにとらわれ
他人との比較でしか自分を判断できない
子供の国だ

知らなくても良かったような情報を次から次に仕入れ
軸がないものだからそれらに踊らされ、さまよい歩く
脱都会(自然美を愛しアメリカ的人工美に背をむける)
脱グローバル化(英語のパソコンも無用)

日本人として幸せに生きるにはこれしかないだろう



共感したり耳が痛かったり、
柳沢みきおの言葉は私に深く突き刺さりました。
それにしても日本には「粋なダンナ」がいなくなった。
私もたいがい野暮な人間ですが、
そんな私からみても今の日本人が野暮に映るのだから
余程、野暮が増えたということなのでありましょう。

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15 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
グローバル (チキソ)
2006-08-31 01:05:01
討論番組でも英語教育推進論者は、もてはやされるが、日本語教育推進論者は、「時代遅れのばか者」と揶揄される。

自分は日本語教育をもっと大切にすべしという立場ではあります。一つの言葉も日本においては多様な言葉で表せる等魅力が沢山あります。

確かに英語も必要です。これからさらに国境を越えたビジネス・活動が増えていきますし、国際社会で活躍するには公用語である英語が不可欠であり、通訳を通しての主張は人々の心をつかむことが出来ないからです。

自分の教育改革は、「総合学習の時間」を廃し、日本語教育を徹底させ、その上で英語教育をすべしと言う立場です。

日本人は日本の文化である「日本語」を守る義務があります。
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「粋なダンナ」に (zyukutyo)
2006-08-31 18:45:26
我がホームページにおいては、グローバル化を肯定的に書いてます。ただしそれは、今の物質的豊かさを求めるならの話。

個人的には貧しくひっそりと、しかししっかりとした心で生きていく日本国であり日本人が理想であります。

父達世代。いろいろなしがらみが多すぎます。自己を変革していくことはムリでしょう。



志ある若者と無垢なこども達に期待している次第です。

我々が「チョイ悪」などとの、わけのわからぬしろものでなく、「粋なダンナ」目指そうじゃありませんか!!
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国語と粋 (あび卯月)
2006-08-31 20:17:25
>チキソさん



私も国語教育にもっと力を入れるべきだと思います。

小学校のうちから英語教育を始めるようにするらしいですが、

自国語もままならない内からなにが英語かと思いますね。

第一、母国語を身につけていない内に他国語を身につけようと思っても結局どっちつかずになって、どちらも中途半端になるのがオチです。

国語はその民族の文化の根幹をなすものです。

やはり、国語は大切にせねばなりません。





>zyukutyoさん



私も「チョイ悪」なんてちっともかっこいいと思いません。

それよりもやはり「粋なダンナ」。

これほど恰好良いものはありません。

私も是非とも「粋なダンナ」を目指したいと思います(笑)
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和魂洋才 (あび卯月)
2006-08-31 20:28:33
補足です。



>我がホームページにおいては、グローバル化を肯定的に書いてます。ただしそれは、今の物質的豊かさを求めるならの話。

>個人的には貧しくひっそりと、しかししっかりとした心で生きていく日本国であり日本人が理想であります。



仰る通りです。

私も完全な脱グローバル化は私も不可能だと思います。

つまり、グローバル化が叫ばれる今だからこそ、それに対抗しうる気概が必要だと言う事です。

具体的には、

物質的に我々はアメリカの恩恵を受けています。

それは一向に構わない。

が、文化や習慣、経済形態までアメリカになってはならぬということです。

国語の問題もこういうことです。

詰まるところ、和魂洋才でゆかねばならぬということでしょう。

他国の文化を受け入れるのも自国の文化という基盤の上に受け入れなくてはなりません。

じじつ、日本は今までそうやって発展してきたわけで、

これからも、良いところは取り入れ、されにそれを日本風にアレンジしてゆくという先祖代々の慣わしを踏襲してゆくべきだと思います。
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Unknown (梅沢)
2006-08-31 22:30:40
『大市民』を載せるとはen‐taxiも「粋」な事しますね(笑)。同誌は以前、根本敬の小説を掲載するといふ蛮勇も見せてくれました。

さて少々「野暮」な事を。グローバル化と云ふのは、つきつめると合理化の事です。しかし文化、慣習は非合理なものだから自らの文化を固守せんとする人々は自然、反グローバリズムになりますね。

イスラム圏だけでなく西欧の知識人もアメリカ化を苦々しく思つてゐる人が多いやうです。

僕はそれは反米、反動的国粋主義に堕す危険があると考へます。

グローバル化つまり合理化が反文化的である、といふの片面の真理に過ぎません。なぜなら徹底した合理主義精神はヨーロッパから引き継いだアメリカ文化そのものであり、それは強靭なキリスト教精神に支へられてゐるからです。

アメリカ人の価値観は金儲けしかない等の批判は不当です。それはアメリカの一級の文学、映画を見れば明らかであり、その自己批判は日本よりも真摯で誠実です。

ちなみに僕は日本人が拝金主義とは思ひません。拝金主義なんて『銭ゲバ』の主人公のやうな強者でなければ耐へられませんから。ホリエモンなんて人のいい兄ちやんにしか見へませんでした。

日本人は本当はお金すら信じてゐないでせう。だから平和でも共産主義でも愛国心でも流行のものを軽信できるのです。

日本のグローバル化の始まりは明治維新ですが、批判にしろ賛美にしろ専ら物質的なものしか見えず、それを支へる精神は見へなかつたのです。事情は今も変はりません。



長々と「野暮」を云ひ失礼しました。

返信する
粋なダンナ (チキソ)
2006-09-01 00:00:22
自分が「粋なダンナ」だと思う日本人は、

麻生太郎(現外務大臣)・吉田茂(元総理)・松下幸之助(松下電器創始者)・本田宗一郎(ホンダ創始者)・黒澤明(「7人の侍」・「天国と地獄」映画監督)・円谷英二(「ゴジラ」・「ウルトラマン」映画監督)・北野武(映画監督)・石原慎太郎(現東京都知事)等…

「粋なダンナ」に共通するのは、人間味があり、オーラがある人だと自分は思っています。
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>梅沢さんへ (あび卯月)
2006-09-01 00:30:18
>梅沢さん



>同誌は以前、根本敬の小説を掲載するといふ蛮勇も見せてくれました。



それはまさしく「蛮勇」ですね(笑)



>グローバル化と云ふのは、つきつめると合理化の事です。しかし文化、慣習は非合理なものだから自らの文化を固守せんとする人々は自然、反グローバリズムになりますね。

>イスラム圏だけでなく西欧の知識人もアメリカ化を苦々しく思つてゐる人が多いやうです。

>僕はそれは反米、反動的国粋主義に堕す危険があると考へます。



確かに、反グローバル化は安易な反米や国粋主義に堕してしまふ惧れがありますね。

それは私自信も気を附けたいことであります。



>グローバル化つまり合理化が反文化的である、といふの片面の真理に過ぎません。なぜなら徹底した合理主義精神はヨーロッパから引き継いだアメリカ文化そのものであり、それは強靭なキリスト教精神に支へられてゐるからです。

>アメリカ人の価値観は金儲けしかない等の批判は不当です。それはアメリカの一級の文学、映画を見れば明らかであり、その自己批判は日本よりも真摯で誠実です。



これも仰る通りだと思ひます。

引用していてなんですが、アメリカ人の価値観が金だけであるといふ主張は少し乱暴ですね。

アメリカ人は日本人と違ひ目には見えぬ価値を信じる国民で、

言ひ換へるなら、非常に宗教的な国民といふことですが、

だとすれば、むしろ、日本人の方が拝金主義に陥りやすいのではないかとも思へてきます。



>ちなみに僕は日本人が拝金主義とは思ひません。拝金主義なんて『銭ゲバ』の主人公のやうな強者でなければ耐へられませんから。ホリエモンなんて人のいい兄ちやんにしか見へませんでした。

>日本人は本当はお金すら信じてゐないでせう。だから平和でも共産主義でも愛国心でも流行のものを軽信できるのです。



私はホリエモンが出てきた時、日本人が拝金主義に傾いてゐる象徴だと感じ、随分ホリエモン批判したものですが、

考へてみると、仰るやうに日本人はお金すら信じてゐないのかもしれませんね。

ホリエモンも所詮「流行のもの」だつたのでせう。

じじつ、流行が去った今、彼を持ち上げる者はいません。

ただ、ホリエモンはお金の問題だけでなく、

彼の考へ方の一つひとつが今でも嫌ひです。



>日本のグローバル化の始まりは明治維新ですが、批判にしろ賛美にしろ専ら物質的なものしか見えず、それを支へる精神は見へなかつたのです。事情は今も変はりません。



ううむ。ここにもやはり日本人の特質が表れてゐますね。



>長々と「野暮」を云ひ失礼しました。



いえいえ、「野暮」どころか卓越した御意見をいただき大変勉強になりました。

ありがたうございました。
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Re:粋なダンナ (あび卯月)
2006-09-01 00:36:06
>自分が「粋なダンナ」だと思う日本人は、

>麻生太郎(現外務大臣)・吉田茂(元総理)・松下幸之助(松下電器創始者)・本田宗一郎(ホンダ創始者)・黒澤明(「7人の侍」・「天国と地獄」映画監督)・円谷英二(「ゴジラ」・「ウルトラマン」映画監督)・北野武(映画監督)・石原慎太郎(現東京都知事)等…



私が最も共感したのは北野武さんです。

やはり、江戸っ子だというのも関係しているのかもしれませんが、

北野さんは言葉遣いからして粋ですね。

麻生さんは「旦那」というよりも「チョイ悪」かな?(笑)

でも、麻生さん好きですよ。(私の地元の議員さんです)



>「粋なダンナ」に共通するのは、人間味があり、オーラがある人だと自分は思っています。



ですね。

「粋」なオーラはどこからやってくるものなのでしょう。

私も本当に身に附けたいものです。
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「粋」になるには (チキソ)
2006-09-01 00:45:28
「粋」なオーラはどこからやってくるものなのでしょう。

私も本当に身に附けたいものです。

→自分の考えではそれはオベンキョのように「手に入れる」ものではなく、多くの人々と付き合い、多くの人々から慕われることによって「気がついたら手に入る」ような、言葉で表すと「熟成」のようなものであると思います。

若い人間が「粋」になれないのもそのためだと考えます。
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追記 (チキソ)
2006-09-01 00:54:25
私が最も共感したのは北野武さんです。

やはり、江戸っ子だというのも関係しているのかもしれませんが、

北野さんは言葉遣いからして粋ですね。

→あの人は頭がいいのか悪いのか「微妙」な感じがまた「粋」なんですよね。



麻生さんは「旦那」というよりも「チョイ悪」かな?(笑)

でも、麻生さん好きですよ。(私の地元の議員さんです)

→確かに(笑)麻生さんには安倍さんにも谷垣さんにもない「毒」と「チョイ悪」があります(笑)

だから「オベンキョ好きな常識人」には麻生さんを理解できないんですよ。

是非ともあの人には総理になってほしいものです。
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