あび卯月☆ぶろぐ

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「笑いのデモクラシー」は不在か

2008-01-23 18:58:52 | 政治・経済
「論座」二月号で吉田徹氏が「「笑いのデモクラシー」の不在」と題したコラムの中で日本のお笑いには政治権力をネタにするものが少ないと書いていた。
それで、政治ネタを扱う芸人としてザ・ニュースペーパーが居るが彼等はテレビからお呼びが掛からない、と。
本当にそうだろうか。
彼ら年末年始の番組に出ていたし、年末年始に限らず松下アキラは以前からものまね番組などにでている。
ワイドショーなんかでもよく見かける。
吉田さん、北海道大学准教授らしいから研究に忙しくてあまりテレビを御覧になっていないのではないか。
「いや出ているかもしれないが、あまりにも少ない」と仰るならそれは単に日本のテレビが政治ネタを嫌うのではなくて、単にザ・ニュースペーパーが面白くないだけだ。

ザ・ニュースペーパーのツマラナさは並じゃない。
政治をネタにしたお笑いが大好きな私でさえそう思う。
ザ・ニュースペーパーは基本的に総理をはじめとして政治家を小馬鹿にしたネタが多いのだけども、まったくひねりがないというか深みがないというか、云ってしまえば芸がない。
政治家や権力者を馬鹿にするのは大いに結構なのだけども巧くやらないと下品になったり白けたりする。
朝日新聞の社説や天声人語の方がまだ質が高い。
過激なんて言われているけど全然過激じゃないし。
本当に過激ならあの団体とかあの宗教法人とかあの団体とかをネタにしみろってんだ。
それにモノマネも似ていないし、あんなので笑える人は普段どんなお笑いで笑っているのかと疑いたくなる。

テレビでやる政治家諷刺ネタでクオリティが高かったのはかつてラスタとんねるず内でやっていた「スピッティング・イメージジャパン」というコーナーくらいか。
以前このブログでも紹介したが「スピッティング・イメージジャパン」は政治家の人形を使って政治パロディ劇をやるコーナーで私は小四ながら腹を抱えて笑っていた。
「小沢についてきゃ間違いない!」とか今でも通用するネタだ。
吉田徹氏もこのコーナーについて「唯一の例外」として取り上げていた。
確かにあれほど面白いのは唯一だったかと思う。

吉田氏は「笑いのデモクラシー」の不在の原因について、芸人やテレビの側だけに問題があるのではなく、笑いにするに値する権力の不在も原因に挙げていた。
確かに福田じゃネタにならん。
安倍前首相もネタにするには弱すぎた。
小泉首相がネタにしやすかったのはある程度強い権力と個性とを持っていたからだろう。
同じように金正日のような強烈な個性と権力を持つ者はいつの時代もよくネタに使われる。
しかし、「笑いのデモクラシー」の不在の原因を権力の側に求めることに私は与しない。
いま、日本に「笑いのデモクラシー」が不在であるならば、むしろ私は芸人の質の方に原因を求めたい。

例えば、かつて爆笑問題は政治ネタをふんだんにやっていたが、最近じゃ自らが政治家のようになってしまった。
諷刺する側が諷刺される側になってどうする。
爆笑問題の太田は正論に対して暴論を吐いて世間から目を顰められる芸人だったはずだ。
それがいまや政治問題においては世間から支持されるような発言ばかりするようになり、挙げ句、総理になって欲しい芸人にランクインする始末。
これを(芸人としての)堕落と言わずしてなんと言おう。

これとは反対に芸人ではないけれど漫画家の業田良家さんはいつの時代もどのような権力相手にも一流の政治ネタをやってくれる。
太田をはじめ政治ネタをやる芸人に業田さんの爪の垢を煎じて呑ませたい。

吉田氏の論点とは本質的にずれるかもしれないが、「笑いのデモクラシー」の不在という命題について、結果的に同意したい。

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4 コメント

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爆笑問題もたいしておもしろいとは思はないけど (粗忽亭主人)
2008-01-24 11:12:19
ザ・ニュースペーパーって、ほんと、おもしろくありませんね。私は近年ほとんどテレビを見なくなってしまったのですが、まだすこしは見てゐたころ、「ニュース23」が彼らをときどき取り上げるのを見て、ああ、この番組(および筑紫哲也さん)は政治ネタのお笑ひならば、その質を問はずにヨイショするのだなあ、とつくづく思ったものでした。同番組はTAMAYOといふスタンダップコメディアンも取り上げてゐたけど、あれも異常なぐらいおもしろくないものでした。
日本のテレビ番組に政治ネタのお笑ひが少ないのは、あびさんがおっしゃるとほり、政治ネタをやる藝人におもしろい人がすくないのが最大の原因だと思ひます。これってなんか、日本に女性議員がすくない原因にも似てゐるやうな氣が。高市早苗さん、田中眞紀子さん、福島瑞穗さん、辻元清美さんと、右も左も碌なのがゐません。
話を政治ネタの笑ひにもどすと、たしかに漫畫には一日の長があると思ひます。こちらも良質な(つまり、おもしろい)ものを描く人はさう多くはありませんが、いしゐひさいち先生など、きはめて質の高い、作品を描く人がゐますから。
餘談ですが、私はいしゐ先生のその手のネタを讀むと、かういふ作品を自由に描ける現代の日本といふ國に生まれたことの幸福を感じます。
返信する
Unknown (あび卯月)
2008-01-25 22:08:27
書き込みありがたうございます。

確かにザ・ニュースペーパーあたりを評価する人たちは質を度外視して「政治ネタをやつてゐるから」といふだけの理由で評価してゐるやうに思へてなりません。
爆笑問題についても、仰るやうに彼らの政治ネタが面白かつたかと問はれれば返答に窮します(笑)
彼らはむしろ女子アナ批判や芸人いぢりなどの方が面白いですね。

政治ネタのお笑ひが少ない理由とマトモな女性議員が少ない理由が無関係でないかも、といふ御指摘も大変興味深いです。
私が思ふに選挙民にも問題があるやうに思へます。同時に、芸人の方は視聴者にも問題があるのだらうと思ひます。

漫画家について、いしゐひさいち先生を忘れてゐました。それと、かつて『リスペクター』といふ漫画を描いてゐた松田洋子先生の政治諷刺(といふより誉め殺し)も絶品でした。
また連載を再開して欲しい思ひです。

>私はいしゐ先生のその手のネタを讀むと、かういふ作品を自由に描ける現代の日本といふ國に生まれたことの幸福を感じます。

全く同感です。
どこかの国だと即刻収容所送りでせう。
あのアメリカでさへ9・11後しばらくはイマジンを流せないとか色々制約があつたさうです。
せつかくかういふ国なのですから芸人も漫画家ももつと頑張つて欲しいですね。

さらに余談なのですが、最近の新聞の政治諷刺漫画もちつとも面白くないですね。
現在よりも政治権力が強力で、体制批判が厳しかつたはずの戦前の政治諷刺漫画の方が現在よりも辛口であり、質も高かつたやうに思ひまう。
これはなかなか面白い現象です。
なるほど、吉田徹さんの指摘も一理あるなと思ひました。
返信する
ザ・ニュースペーパーは面白くないけど (いーじす)
2008-01-26 22:23:13
日曜朝とかにやってる政治番組よか政治の様子が簡単に説明されてます



面白くはないけど。



まぁ、日本のお笑いの成り立ち自体が「庶民」に根ざしたものですから
政治とかいうものは日本のお笑いとは相性は悪いです


風刺にしても、ちょっと前は「めちゃイケ」が頑張ってましたが
いろいろな事情で「江頭の泉」のみ生き残っています。
(正直、あれが一番最初につぶれると思ったんだが・・・w)

NHKのサラリーマンNEOは政治風刺ではありませんが社会風刺ですね
そもそも、「コント」番組が無くなってきた今
「政治風刺が無い」以前に「下品な芸ばっかり」という状況を憂う今日この頃。

日本からシュールが消えつつあります。。。
風刺やシュールってのは「余裕」がある笑いです。
日本から余裕が消えつつあるのかもしれません


その余裕を消してるのは「テレビ報道」なんですがね・・・
返信する
Unknown (あび卯月)
2008-01-27 03:45:38
>政治とかいうものは日本のお笑いとは相性は悪いです

確かにそれは一理あるかもしれませんね。
欧米では政治ネタが盛んですが、文化の違いというのもあるのでしょうね。

日本のお笑いは確かに下品なものが増えましたね。
百歩譲って下品でも面白ければいいのですが、下品で尚且つ笑えません。
最悪ですね。
もう一つ、付け加えるならばオンナコドモ向けになっている気がします。
シュールが消えている原因も一つはそこにあるのではないでしょうか。
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