あび卯月☆ぶろぐ

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軍人の階級云えますか?

2007-05-03 02:48:52 | 政治・経済
実は前回の記事、別のことを書こうと思っていた。
それが、ブロッコリーの説明をしているうち、話が長くなり時間が尽きた。
枕の話が本編になってしまったのである。

では本編。

ギャラクシーエンジェルというアニメがある。
正確に言うと、かつて放送されていた。
作品内容は宇宙を部隊にしてエンジェル隊と呼ばれる五人の軍人少女を中心に描かれるドタバタコメディで、その五人の軍人少女の中のまとめ役にフォルテ・シュトーレンというキャラクターがいる。
私はゲームの方はやったことがないのでよく知らないがゲームではきちんと隊長という肩書きもあるらしい。
年齢もフォルテが二十二歳で最年長、以下、十八、十七、十六、十三とくだってゆく。

だとすれば、普通に考えてフォルテの階級は一番上のはずなのにある雑誌にフォルテの階級が中尉とあり、他の隊員は少佐と記述されていた。
どう考えてもこれはおかしい。
(十代で佐官になれるのかというツッコミはアニメだから控えておきます)
調べてみると結局はフォルテは中佐だということがわかった。
雑誌の記述は単なる誤植だったのか、それとも製作者が「佐」より「尉」が上だと思ったのか。
おそらく、前者なのだろうが、後者を疑いたくなる気持ちもある。
というのも、いまや、軍人の階級を上からすらすら言える人がどれくらいあるかと思うからである。
かつて、山下清はどんな人物でも軍人の位に換算して評価したというが、今の特に若い人は山下清と同じ事は出来ないだろう。
巷で『ケロロ軍曹』という月刊少年エースに連載されていてアニメも放送されている漫画が人気を誇っているが、さて、軍曹は兵隊の位でいうとどのあたりになるのか、ケロロ軍曹好きな子供たちに尋ねてみたいものだ。

偉そうに云っているお前はどうなのだと問われれば、私もそんなに詳しくない。
子供の頃から旧軍にも自衛隊にも興味がなかったので階級の上下などわかるはずもなかった。
が、今は一応旧軍の階級を云える。
軍曹と曹長、どちらが階級が上かと訊かれても窮さず答えられる。
実はこれ「のらくろ」の御蔭なのである。
私は「のらくろ」で兵隊の階級を覚えた。
「のらくろ」おおよそ一巻につき一つづつ階級が上がってゆくので覚えやすかったのだ。
斥候や歩哨、酒保などの軍隊用語もこれで覚えた。
いま、自衛隊でも旧軍で使われていた言葉が生きているのかは知らない。
階級も旧軍と違っていちいち一等だの三等だのがついて煩わしい。
一等陸佐などと云わずに大佐と呼べばいいのに。
なんでも、旧軍の復活のイメージを弱めるためにこのようなヘンテコな呼称になったらしい。
私は防衛庁が防衛省になったついでに階級の呼称も改めるべきだと思う。
いつまでも、自衛隊から軍隊色を薄めることに努めるのはやめるべきだ。

軍人が跋扈する世の中は困るがさりとて軍人が尊敬されない世の中も困る。
少し前まで「自衛隊員は憲法違反の存在である」とか、「税金泥棒」だとか、酷いのになると「人殺し集団」と言う人まであった。
じつは日本は似たような時代を経験している。
それは大正時代である。
大正デモクラシーのあの時代、軍人は必要以上に軽んじられた。
作家の杉森久英さんは当時の様子を「あの頃私は中学生ですが、軍人は人殺し商売で普通の人間のやるもんじゃない、というふうなことを先生たちがじわじわと我々の頭にしみ込むように、授業の合間なんかでしゃべってるんですね。」とある雑誌の対談で回想している。
また「日本では大きな軍艦を造っているが、あんなもの造る必要はない。あの軍艦一隻あれば、関東地方一円の下水工事が全部出来る」とも云っていたと。
つまり「税金泥棒」ということでありこれまた今の日本人の言とそっくりである。
みんながみんな軍人を蔑視していたわけではなく、尊敬していた人も居ただろうが、その割合はきっと今とそっくりだろう。
昭和期の軍人の跋扈は大正期の軍人蔑視の風潮の反動という側面もあったのだ。
いま、自衛隊員は法的にも宙ぶらりんの存在である。
国民の多くは自衛隊を普段、税金泥棒扱いするくせに一旦緩急あれば頼ろうという料簡なのだろうが、そうは問屋が卸さない。
早い話が厚かましいのだ。
普段、そっぽ向いているくせに必要な時だけ頼ってくる者ほど腹の立つものはない。
第一、そんな人の力になってやろうとは思わない。それが人情というものである。
いや、別に軍人を尊敬するしないは自由である。
百人が百人、軍人を尊敬する世の中もやはり間違っているだろう。
しかしながら、自衛隊員にはせめて法的にも社会的にもきちんとした身分を与えるべきだ。
そのためにもあのふざけた憲法九条第二項を変えるべきだと思うのである。


・・・と、この記事を憲法記念日に書き上げるつもりだったのだが三日も遅れてしまった。
お詫びのしるしに便利な旧軍と自衛隊の階級比較表を附けておきます。
それにしても、結論の持ってゆき方が朝日新聞の「天声人語」みたいになっちゃったね(笑)


帝国陸軍  陸上自衛隊

大将       統合幕僚会議議長・陸上幕僚長たる陸将
中将       陸将
少将       陸将補
大佐       一等陸佐
中佐       二等陸佐
少佐       三等陸佐
大尉       一等陸尉
中尉       二等陸尉
少尉       三等陸尉
准尉       准陸尉
曹長       陸曹長
軍曹       一等陸曹
伍長       二等陸曹
兵長       三等陸曹
上等兵      陸士長
一等兵      一等陸士
二等兵      二等陸士
          三等陸士

(※帝国海軍の階級の呼称は陸軍のそれと少し異なる)

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3 コメント

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 (皇軍も自衛業も)
2007-05-07 21:03:56
階級は英語だったら同じ。
海外に行けば自衛業=軍隊と見なされてる。
南鮮以外は。
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Unknown (あび卯月)
2007-05-09 02:05:47
これはこれは管理人さん、お久し振りです。
お元気ですか?

英語だったら当然同じでしょうね。
また、海外からは軍隊と思われていることも。
いや、むしろ、自衛隊は軍隊じゃあにという方が危険な気がします。
返信する
違いといえば、「元帥」か・・・ (白田川 一)
2011-08-12 07:58:22
 唯一、違いがあるとなれば、「元帥」に相当する階級が自衛隊の中には存在しないことぐらいでしょうか。と言うか、西洋諸国の軍隊と言うと元帥という階級が必ずと言っていいほどに存在しているのですが、自衛隊にはそれに相当する階級が無い。

 大正期でも軍隊の存在が低く見られたりした…とありますが、最も、この辺りでは今の自衛隊のように救難とかいった民生活動に従事する…といった考えも全く無かったこともありましょうし、尚のことさげすまれた事でしょう。
 戦後は戦後で、20世紀の末頃まで自衛隊もさげすまれていましたが、それも今は昔。警察組織では真似のできない超高度なる救難技術、不発弾の処理に威力を発揮する高度危険物処理技術など、陸上自衛隊ならではの「お家芸」によって我々市民の生活及び生命の安全が保たれており、取締しか能が無く驕り高ぶっている警察組織とは比較にならないほどに役立っています。これは陸自のみならず海自・空自でも言えることであり、彼らこそ「真の護民官」と称賛されて然るべきです。
 あび様の言う「厚かましい輩」というのは、普段から左派系の考えを持った連中のことをさすのでしょう。ただ、私も高校時代までは自衛隊について違憲なる存在として蔑視していましたが、これは親による刷り込みが大きく、これについて猛省したはいいけど、それが元で父と喧嘩することが多くなってしまいました…(何しろ、父がコテコテの左派系でして…)。


 今の時世だったら、さしずめ、警察組織がさげすまされる時代でしょう。
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