今日(四日)、証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載など)の罪に問われたライブドアの元社長・堀江貴文被告の初公判が、東京地裁で開かれるそうです。
私は彼が近鉄買収騒動の時、初めてテレビに登場した時から一貫して反堀江の立場で、
日記やブログでもしばしば「悪口」を書いてきました。
何故、私が堀江氏が嫌いかというと経営の方法以前に彼の人間性が大嫌いだからです。
彼の発言記録を一部紹介いたしましょう。
「選挙にはほとんど行ったことがありません。面倒くさいからです」
「女は金にもれなくついてくる」「人の心は金で買えます」
「カネがあれば何でもできる」「サラリーマンは現代の奴隷階級」
「起業家は現代の貴族階級」
「女は25歳超えたら無価値で有害なだけの産業廃棄物」
「世の中、金だ、愛情だって金で買える」
「年寄りは合法的に社会的に抹殺するしかない」
「人間はお金を見ると豹変します。豹変する瞬間が面白いのです」
「経済的に貧しくなると人間は狂気に走ります」
「新しい教科書を作っても世の中は変わらない」
「ずるい手でも法律に触れなければ勝ち」
「ライバルはヤンキースの松井ぐらいしか想像できない、でも収入は僕の方が上」
「人間を動かすのはお金です」
「世の中にカネで買えないものなんて、あるわけないじゃないですか」
「なんでも金で買えるなんていってない」
金で人の心が買えるのは哀しいかな事実である面もあるので勝手にのたまえば結構ですが、
サラリーマンが奴隷だとか、女は二十五を越えたら産業廃物だとか、
年寄りを社会的に抹殺すべきだとか、ちょっと看過できる発言ではありません。
また、どこの馬の骨かわからぬような馬鹿が勝手に言って居るなら一々目くじらを立てませんが、
当時、あれだけ影響力のあった人物の発言です。
しかも、一部に批判の声もありましたが、この馬鹿野郎を多くの国民が支持をしたのでした。
堀江氏のような人物が時代の寵児として持て囃されていた期間、
私は暗澹とした思いを抱きテレビの画面に彼が登場するたびに不快でしかたありませんでした。
三宅久之さんが述べたように「ああ嫌だ、嫌だ、すべて嫌である」という心持ちでした。
さて、堀江氏の「悪口」はこの辺で已めにして、本題に入りましょう。
日本人は昔から「現状を打破してくれる者」が大好きです。
革新的なことや目新しいものにすぐに飛びつく。
保守的なようで実は変わりやすいのです。
例えば、日本史の人物で誰が好きかというアンケートをとったらかならず上位に来る人に織田信長がいますが、
これは彼が既存の価値観に囚われず、正に革新的な行動によって活躍したからに他なりません。
つまり、堀江貴文氏も多くの日本人の目には「閉塞した現状を打破してくれるヒーロー」のように映ったに違いありません。
じじつ、ニッポン放送の買収騒動の時も、
フジテレビ側は「革新的な」ライブドア側の「素晴らしい」アイデアを捻り潰す「守旧派」のレッテルを貼られ、
ライブドアはそんな悪しき守旧派を倒してくれるヒーローという構図が作られていました。
マスコミが意図的にそう見せたこともあるでしょうが、
国民の多くは自然にそう見えたのではないでしょうか。
結局、我々日本人は中身を吟味せず新しいもの革新的なものに飛びつく国民性を持っている。
小泉首相があれだけの支持率を得たこともそういうことです。
今でこそ誰もそんなことは言いませんが、小泉首相が総理の座についた当初、
皆、彼を守旧派を一掃し、現状を打破する革新者(改革者)と思っていました。
いや、今でも思っている人は居るでしょうし、じじつ小泉首相は良い意味でも悪い意味でも革新者でありました。
それにしても、以前だったら堀江氏のような「非常識人」があれほどまでに支持を得ただろうか、という疑問は残ります。
上に挙げたような発言を平気でする者は昔はもっと批難されたように思います。
ホリエモンブームは日本人の国民性に深く依拠するものであったと同時に、
日本人の道徳的荒廃を象徴するものではなかったか、と今でも邪推しています。
今、堀江氏を支持するものはあまり居なくなりました。
それでも、今年の五月に立教大学の学生に取った
「尊敬する企業家は?」というアンケートにおいて、
本田宗一郎をおさえて、堀江貴文は四位にランクインされていました。
(因みに、一位は松下幸之助、ついで孫正義、ビル・ゲイツと続く)
私には堀江氏は企業家というより虚業家にしか見えませんが、
この結果を見ると、堀江氏が再び持て囃される時代が来るのはそう遠くないなと思えてきます。
立教大学だけでなく他の大学でも同じような結果が出るでしょう。
今度の法廷でも発言によっては
「やっぱりホリエモンは正しい!悪いのは守旧派の特捜部だ!」
という輿論が出来上がるかもしれません。
それにしても、
資源がないが故に「ものづくり」によって国が成り立っている日本において、
ライブドアのように金で金を生み出す虚業会社ばかりになると、確実に国は潰れますね。
そんな国ならいっそのこと潰れてしまった方がいいですが。
願わくばホリエモンが蘇る日が来ないことを。
私は彼が近鉄買収騒動の時、初めてテレビに登場した時から一貫して反堀江の立場で、
日記やブログでもしばしば「悪口」を書いてきました。
何故、私が堀江氏が嫌いかというと経営の方法以前に彼の人間性が大嫌いだからです。
彼の発言記録を一部紹介いたしましょう。
「選挙にはほとんど行ったことがありません。面倒くさいからです」
「女は金にもれなくついてくる」「人の心は金で買えます」
「カネがあれば何でもできる」「サラリーマンは現代の奴隷階級」
「起業家は現代の貴族階級」
「女は25歳超えたら無価値で有害なだけの産業廃棄物」
「世の中、金だ、愛情だって金で買える」
「年寄りは合法的に社会的に抹殺するしかない」
「人間はお金を見ると豹変します。豹変する瞬間が面白いのです」
「経済的に貧しくなると人間は狂気に走ります」
「新しい教科書を作っても世の中は変わらない」
「ずるい手でも法律に触れなければ勝ち」
「ライバルはヤンキースの松井ぐらいしか想像できない、でも収入は僕の方が上」
「人間を動かすのはお金です」
「世の中にカネで買えないものなんて、あるわけないじゃないですか」
「なんでも金で買えるなんていってない」
金で人の心が買えるのは哀しいかな事実である面もあるので勝手にのたまえば結構ですが、
サラリーマンが奴隷だとか、女は二十五を越えたら産業廃物だとか、
年寄りを社会的に抹殺すべきだとか、ちょっと看過できる発言ではありません。
また、どこの馬の骨かわからぬような馬鹿が勝手に言って居るなら一々目くじらを立てませんが、
当時、あれだけ影響力のあった人物の発言です。
しかも、一部に批判の声もありましたが、この馬鹿野郎を多くの国民が支持をしたのでした。
堀江氏のような人物が時代の寵児として持て囃されていた期間、
私は暗澹とした思いを抱きテレビの画面に彼が登場するたびに不快でしかたありませんでした。
三宅久之さんが述べたように「ああ嫌だ、嫌だ、すべて嫌である」という心持ちでした。
さて、堀江氏の「悪口」はこの辺で已めにして、本題に入りましょう。
日本人は昔から「現状を打破してくれる者」が大好きです。
革新的なことや目新しいものにすぐに飛びつく。
保守的なようで実は変わりやすいのです。
例えば、日本史の人物で誰が好きかというアンケートをとったらかならず上位に来る人に織田信長がいますが、
これは彼が既存の価値観に囚われず、正に革新的な行動によって活躍したからに他なりません。
つまり、堀江貴文氏も多くの日本人の目には「閉塞した現状を打破してくれるヒーロー」のように映ったに違いありません。
じじつ、ニッポン放送の買収騒動の時も、
フジテレビ側は「革新的な」ライブドア側の「素晴らしい」アイデアを捻り潰す「守旧派」のレッテルを貼られ、
ライブドアはそんな悪しき守旧派を倒してくれるヒーローという構図が作られていました。
マスコミが意図的にそう見せたこともあるでしょうが、
国民の多くは自然にそう見えたのではないでしょうか。
結局、我々日本人は中身を吟味せず新しいもの革新的なものに飛びつく国民性を持っている。
小泉首相があれだけの支持率を得たこともそういうことです。
今でこそ誰もそんなことは言いませんが、小泉首相が総理の座についた当初、
皆、彼を守旧派を一掃し、現状を打破する革新者(改革者)と思っていました。
いや、今でも思っている人は居るでしょうし、じじつ小泉首相は良い意味でも悪い意味でも革新者でありました。
それにしても、以前だったら堀江氏のような「非常識人」があれほどまでに支持を得ただろうか、という疑問は残ります。
上に挙げたような発言を平気でする者は昔はもっと批難されたように思います。
ホリエモンブームは日本人の国民性に深く依拠するものであったと同時に、
日本人の道徳的荒廃を象徴するものではなかったか、と今でも邪推しています。
今、堀江氏を支持するものはあまり居なくなりました。
それでも、今年の五月に立教大学の学生に取った
「尊敬する企業家は?」というアンケートにおいて、
本田宗一郎をおさえて、堀江貴文は四位にランクインされていました。
(因みに、一位は松下幸之助、ついで孫正義、ビル・ゲイツと続く)
私には堀江氏は企業家というより虚業家にしか見えませんが、
この結果を見ると、堀江氏が再び持て囃される時代が来るのはそう遠くないなと思えてきます。
立教大学だけでなく他の大学でも同じような結果が出るでしょう。
今度の法廷でも発言によっては
「やっぱりホリエモンは正しい!悪いのは守旧派の特捜部だ!」
という輿論が出来上がるかもしれません。
それにしても、
資源がないが故に「ものづくり」によって国が成り立っている日本において、
ライブドアのように金で金を生み出す虚業会社ばかりになると、確実に国は潰れますね。
そんな国ならいっそのこと潰れてしまった方がいいですが。
願わくばホリエモンが蘇る日が来ないことを。
確かに「皇室」や「政治」・「道徳」等の発言で到底同意できない所もありましたが、ベンチャー企業である「ライブドア(旧オン・ザ・エッジ)」を設立したり、「M&A」「敵対的買収」等の株の買収をしたりと時代を先取りしていたのは正直「すごい」と思っています。
ホリエモンのおかげで「起業する」という「冒険をする」勇気を若者に与えたというのは、日本経済・社会にとってもプラスとなったというのも事実ですし、
これから「グローバル」という波が到来してくる現在で「買収される危機」を日本企業・社会に知らしめたのも日本社会・経済のためとなったのも事実です。
賛否両論いろいろありますが、「ホリエモン」という人間を全否定することは、少々乱暴かと思います。
真摯な御意見ありがとうございます。
私は堀江貴文を殊更褒める手合が居る限り、
そのバランスをとる意味でも乱暴を承知で彼を全否定します。
ホリエモンを褒めたり、また、ホリエモンを褒めることによって若者に媚びを売っていた大人たちを何人も見てきました。
そういう「大人たち」が気持ち悪くて仕方なかったのです。
冒険心を若者に与えたという点は確かにあるでしょうが、
ホリエモンのような者から冒険心を与えられるようじゃ駄目だなと思ってしまいます。
ライブドアはベンチャー企業といっても何も生産していない。
利益の大半は金融によるものです。
しかも、その冒険心の淵源は「金を儲けたい」というもので私は到底尊敬できません。
勿論、金儲けが悪だというのではありませんが、
金儲けだけに盲いてしまうと結局あのような結果にしかならないということです。
また、日本経済にプラスになったというのは私は断じて認めません。
むしろ、悪い方向に流れつつあります。
この点だけは全力を以って否定したいです。
「敵対的買収」は果たして良い事なのでしょうか。
アメリカならいざ知れず、日本の企業風土に合うやり方ではないと思います。
家族的経営、企業間の友好的関係を保つことで発展・繁栄をしてきたのが日本経済です。
アメリカでも、「M&A」「敵対的買収」を繰り返してきたエンロンは倒産してしまいました。
そして、今、アメリカで延びている企業は日本型の経営を始めた企業です。
堀江氏はアメリカ企業が80年代にやっていたことを実践しているだけで、
時代を先取りどころかむしろ逆行しているんです。
それに、時代を先取りすれば正しいという道理はありません。
先取りした時代が間違っていることもあります。
ホリエモンに唯一「功」があったとすれば日本の経営者たちに危機感を持たせたことだと思います。
危機感がなかったからこそホリエモンは大暴れできた。
また、株取引に関するの法律もホリエモンの「御蔭」で見直されることになりました。
その点は評価しています。
私の堀江嫌いは根が深く、少々熱を入れた文章になってしまいました。
御赦しください。
→それは、堀江さんに勇気づけられた人々に対する侮辱だと思います。
「敵対的買収」は果たして良い事なのでしょうか。
アメリカならいざ知れず、日本の企業風土に合うやり方ではないと思います。
→自分は、<「買収される危機」を日本企業・社会に知らしめたのも日本社会・経済のためとなったのも事実です。>と主張しています。
確かに日本の風土に合わないことは事実です。しかし、国境を越えたビジネスが盛んになっている現在、そういった「敵対的買収」をしてくる外資系企業が現れる可能性は高いです。ホリエモンによって日本企業に「敵対的買収・M&A」に対する危機管理(クライシス・マネジメント)を持たせたことは、日本社会にとってためになったと思います。
しかし、「企業買収」もやり方によっては、買収される側・する側にとってウィンウィンの関係も築くことも十分にありえます。
結論は、「やり方」によって日本経済に貢献することもあれば、単なる虚業に終わるのか分かれるということです。
もちろんホリエモンの「虚業」を肯定する気はさらさらありませんし、虚偽記載などの不正行為については断固追及しなければなりません。
そうです。「侮辱」しています。
こう書くと開きなおっているようですが、そうではありません。
私はホリエモンブームの時、堀江氏自身にも腹が立ったのですが、
それ以上に不快だったのは堀江氏の本質を見抜けず、
いや、見抜こうとせず安易に持ち上げた人々でした。
そういう次第で堀江氏を支持した人たちをも私は「罵倒」するのです。
しかし、チキソさんも「心酔していたときがありました」ということなので、
なにやら身内に銃を向けたような形になってこれは失礼いたしました。
ここをよく読めばもっと別の言い方があっただろうと思います。
決してチキソさんを侮辱・罵倒する意図はありませんでした。
話を元に戻しますと、
私は感情的に書いていることは承知の上です。
ですから、「侮辱」と言われると反論の余地はありません。
>自分は、<「買収される危機」を日本企業・社会に知らしめたのも日本社会・経済のためとなったのも事実です。>と主張しています。
そう言う意味でしたら同感です。
>しかし、「企業買収」もやり方によっては、買収される側・する側にとってウィンウィンの関係も築くことも十分にありえます。
勿論、両企業にとって利益になる買収なら大賛成です。
>結論は、「やり方」によって日本経済に貢献することもあれば、単なる虚業に終わるのか分かれるということです。
以上、拝見してあまり意見の相違はないように感じました。
前回の私の書き込みで不快な思いをされたのであれば申し訳ありません。
チキソさん個人に対してどうのという意味で書いたわけではありません。
どうぞ、愛想を尽かされず今後とも厳しい御意見お待ちしております。
けど僕はなんだか、堀江氏に同情してしまつたりもするのです。怒らないで下さいね、あびさん(笑)
と云ふのも、前にテレビで彼が壇上から株主に向かひ「自分は皆さんの為にやつてきました」等と云ひながら感極まつて泣いてゐる所を見たのですが、あれは偽善とか芝居と云ふ感じぢやなかつた。
彼は、あびさんが挙げたやうな偽悪的な発言を多々して、また自身それを信じてもゐたのでせう。
けれども、いかに善人たらんとしても悪が押さへられぬやうに、悪党たらんとしても善が押さへられぬといふ事も在ります。人の心は偽悪に耐へられる程強くない。
利己的たる事のみを信念としてきたつもりの堀江氏が、その自らの心に裏切られ、つい「株主の為」といふ利他の大儀に縋つてしまつたのが、あの涙だつた気がします。
だからきつと僕の中にも「ホリエモン」がゐるんでせう。彼を見ると、利己さへ徹底できぬとは人間とは厄介な生き物だなあ、と思つたりします。
もちろん他人の心の奥底までは解りませんけれど。
>けど僕はなんだか、堀江氏に同情してしまつたりもするのです。怒らないで下さいね、あびさん(笑)
勿論、決して怒つたりいたしません(笑)
むしろ、梅沢さんがお怒りにならなかつたやうで安堵してゐます(笑)
>彼は、あびさんが挙げたやうな偽悪的な発言を多々して、また自身それを信じてもゐたのでせう。
>けれども、いかに善人たらんとしても悪が押さへられぬやうに、悪党たらんとしても善が押さへられぬといふ事も在ります。人の心は偽悪に耐へられる程強くない。
>利己的たる事のみを信念としてきたつもりの堀江氏が、その自らの心に裏切られ、つい「株主の為」といふ利他の大儀に縋つてしまつたのが、あの涙だつた気がします。
>だからきつと僕の中にも「ホリエモン」がゐるんでせう。彼を見ると、利己さへ徹底できぬとは人間とは厄介な生き物だなあ、と思つたりします。
目から鱗が落ちる思ひです。
なるほど、私の中にもホリエモンがゐる。
さう感じました。
自身を自ら裏切ることは多分にありますね。
そして、ホリエモンのやうに人間は偽善よりも偽悪に堪へられないのかもしれません。