北陸新幹線が関西圏と結ばれたら、そのあとには、リニアモーターカーが東京ー名古屋を結ぶ。僕は、上海でリニアモーターカーに乗って以来、日本の新幹線が非常に遅く感じるようになった。北陸新幹線は、ある時代の端末現象である。決して、先端現象ではない。もちろん、間に合わせである。だから、関西圏との接続が遅くなるほど、その経済効果は失われる。新幹線は、線路のうえを車輪を回転させて走行する。あくまでも、究極の鉄道である。車輪と線路の摩擦を必要とする。それに対し、電磁の世界は、量子力学の世界である。電子の運動により、浮力と推進力を得る。抵抗は空気抵抗である。トンネル化して、チューブ内の空気圧を低くすると、真空に近くなると空気抵抗は減る。そうした可能性を高度化するには、日本が最適の立地にある。当面の東京ー名古屋のリニアモーターカーは、真空チューブのなかを移動するのではなく、旧式の鉄道の延長にある。この考えは、人の移動だけだなく、モノの移動に最適の手段となる。地下40メートルの公共空間は、国有地と同じである。明らかに新時代は始まっている。
さすがに富山大学の中央図書館である。リフレッシュ・コーナーにさりげなく、「数理科学」という雑誌がおかれていた、長い歴史があり、56巻6号とあった。特集記事は、「量子情報と物理学のフロンティア」とある。上田正仁さんが「はじめに」を書いておられる。「古典力学が観測する・しないにかかわらず存在する物の性質を記述するのにたいし、量子力学は物ではなく確率振幅という情報量を取り扱う。」という。これまで、確率というと、確定できない隠れた変数の存在を予想させる。しかし、上田氏によると、波動関数の振幅の外側に「隠れた変数」があるという考えを否定すると宣言する。そこにゲージという確率振幅という幾何学的な構造をもたせることに成功しているという。波動関数が成立すれば、波動現象はある枠を超えないという意味だ。
これは、人文社会科学において採用されている統計学の次元を超えたものである。量子の仮説と実験の観察の結果、量子の運動が波動を描き、その振幅は幾何学的な図形の範囲に収まるというのである。これは、経営の科学における画期的な精密化の可能性を引き出すことになる。こういう理工学の雑誌が、さりげなく配架されているから、やはり腐っても国立富山大学なんだね。
富山新聞によると、県東部には「立山黒部」、中部には「薬都トヤマ」という立派なキャッチコピーがあるのに、県西部にはない。それを石井知事にアイデアを出せと、橘議員さんは強要したらしい。あんたの選挙区だ。自分で考えろ。そもそも、綿貫さんの砺波運輸、橘さんの伏木陸海陸運送FKK、この2社のロジスティクス・マネジメントは劣悪な知的水準である。日立が東芝よりも優位なのは、日立物流の存在による面が大きい。近隣の西濃運輸に比べて、富山の地場のトラック屋さんは、富山経済の公共的なロジスティクス・マネジメントが構築できていない。それは、綿貫さんもそうであるが、橘さんも「駄馬」脳であるという非難は免れない。石井知事は、県西部から名古屋に通じる高速道路の4車線化が、富山県経済の生命線であることを第一の国の予算折衝の課題に挙げておられるから、「加越能の交通の要」というコンセプトをもとに、キャッチ・コピーを考えて来られよ。あんたの選挙区の最大企業である三共立山さんは、マグネシュームを燃えない軽量材料として鍛え、その実用化に取り組んでおられる。原料は、海水から作るが電力がいるので、中国からの輸入品である。県西部の問題点は、コアー企業を大事にしないことにある。企業を政治活動に足場にしているからダメ。企業活動が政治をうまく利用しなければならない。石井知事が重視される県西部から名古屋に通じる高速道路の4車線化は、やがて東京ー名古屋のリニアモーターカーと接続できる北陸からの最短コースが県西部にあり、金沢にはないという強みがあるのだ。