アメリカの世界戦略は、イスラエルを防衛することが最重要の軍事焦点であった。イランと北朝鮮が背後で結びついていたから、そのつながりを絶つには、中国の協力を得て分断化を図る戦術を採用した。中国共産党は、イスラム教徒を内部に抱えているので、中東のイスラム武装と国内の勢力とが連携しないように神経を集中している。とくに、内陸アジアにおいて、「一帯一路」戦略を進めるには、ユダヤの金融集団と事を構えることはできない。今、アメリカが朝鮮戦争の終結を決断するのは、中東への戦略的な集中が求められているからである。中国を兄、北朝鮮を弟とする形で、北東アジアへの影響力は、日本列島線まで後退させても、その分、中東への集中が図れると判断している。このようなユダヤ中心史観は、原理的には親中国であり、反日である。ドイツと提携した日本軍国主義の潜在力量は、基本的に阻止する立場である。ただし、日本は戦後、イスラエルの建国このかた基本は、アラブ支持であり、石油をもたないイスラエルには、経済的な利便性を提供してこなかった。基本、賢く立ち回ってきたといえる。今後は、北東アジアにおける軍事バランスにおいて、韓国が反共の最前線であることを辞めるので、4極の構造となる。ロシア、朝鮮半島、中国である。日清戦争の前夜に比べると、日本の領土領海、権益圏は大きく後退している。当時に日本は、軍事的な力量でアジアの盟主を目指して無理をしてきた。北東アジアに限れば、国内の過剰人口の圧力がないので、文化的に親日の勢力を増やす戦略が有効である。中国政府が、中国の映画市場のアメリカ化を嫌い、日本との連携を認める方向を追及してきた。つまり、文化では、漢字文化圏という共通土台と、ハングルという半島文化との面白い入れ子現象が生じる。歴史は、案外に北東アジアの先進性にも役割をもたせるかもしれないが、アジア主義は間違いであるから、「脱亜」を踏まえて、「欧化したアジアの新文化」を考えると、日本の若者はすでに周囲から尊敬される存在として成長している。つまり、多様性を認める寛容において、日本文化は、中国も、朝鮮半島も、極東ロシアにも凌ぐ柔軟性を備えている。