富山マネジメント・アカデミー

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富山湾岸に隠された元素マテリアル・フロー

2017年08月28日 | Weblog

富山学を語る人は、必ず立山連峰を語る。だが、富山湾岸には、元素の単位のマテリアル・フローがある。これら元素は、一応、金属と考えてよいが、日本で有数の多様な元素が集まっている。原料は、伏木富山港から輸入される。そして、その一部は、再加工され、国内外へ輸出・移出される。

実は、その全容を解明した書物や論文はない。富山の植物図鑑、名水のリスト、はたまた地酒のリストは既成のデータがある。「マテリアル」という面では、三協立山㈱の「マテリアル」事業が有名である。富山では、電気炉、電磁炉が発達しているので、合金、メッキなど、元素の周期律表のほとんどが埋まる。これは、隣県の石川、新潟には、全くない元素の加工の技術が集積している。湾岸なので、呉羽丘陵を境にした東西分裂はない。

この元素産業は、日本の産業社会の根幹をなすので、本社は東京丸の内にある事例が多い。これは、富山県にとり、簡単に話がつけられる相手ではない。

有名な黒四ダムは、関西電力の事業体に属する。これを観光産業に利用したくとも、役員には誰も「富山の郷党」はいない。富山湾岸のマテリアル産業でも、経営者が富山に実在するのは、三協立山㈱さんだけである。婦中の日産化学も、富山資本ではない。いいかえると、産業的には、「丸の内」資本の植民地としての富山に過ぎないと象徴化できる。

富山県庁と、富山湾岸社会主義運動とは、職員の労働組合の関係で直結している。富山県庁と、美しいと湾岸クラブのつながりは、メディア露出は大きい。富山県庁と、富山湾岸のマテリアル・フローとは、実は決定的な接点がある。それは、伏木富山港の管理と結節しているからである。ここが、理工系の産業知識、世界のマテリアル・フローの知識が深ければ、富山県における最適物流の課題が整理できる。それと、FKKである。政治家を擁しながら、理工系の知識が彼にないために、都市対抗野球に貢献しているだけと酷評される。

三協立山㈱が、リーディング・カンパニーとして、富山の都市デザイン学部をリードしないかぎり、「新素材」への道は開かれない。現在の富山湾岸の元素マテリアルの産業は、19世紀の延長技術である。原子のレベルを解像できる設備と、計算から生み出す合金の仮説との結合が望ましい。現状では、元素を含む素材をすり鉢で粉砕し、混ぜ合わせ、電気炉で融解して合金の種を創り、その物性をいちいちに検証する東北大学の古いやり方にまだ頼っている。原子核ととりまく原子の回転軌道の計算から、計算科学として新素材の理論的な可能性が生まれる。

 

 


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