例の獣医学部の新設は、専門家の会議による慎重審議の結果、1年延期し、次年度に2校を同時認可するのが、国民が等しく騙されても良い平衡感覚である。文部科学省の大臣に許認可権はあるが、専門家による審議が大いに判断の根拠として無視できない様相を呈してきた。
一番に穏当なのは、教授の資格審査である。一番に上は、マル合とよばれるように、合の漢字を〇で囲んだ判定である。その下が、適格。その下に、不適格がある。もう何十年も前の経験なので、不適格判定は必ずある。すでに教授が教授として認定される確率は高い。しかし、准教授を昇任させ、教授として〇合の判定を得るには難しい。今年は、これを徹底的に厳しく判定すると予想される。
富山大学の場合、工学部長の経験者を新学部学部長予定者として申請しているが、この場合、「都市デザイン学」という新しい学問に対して、学術論文として学会の評価を得ていないと難しい。京都大学の准教授が、教授に昇任して赴任すると申請した場合、対抗の東京大学の側を同意させる学会での認知がないと苦しい。昇任人事の審査と同じ意味をもつからだ。
用地、校舎、研究設備などの物理的な条件審査に合格しても、教員審査は、仮にも大臣でも介入が許されない専門委員の判断による。理学部から横滑りの学科は〇合となるが、新しい研究領域の学科に関しては、東京と関西とのギャップが開き、東京や仙台には、多くの適格者がいる。まして、主要な業績が、国際学会での検討を経たものか、そのあたり関西系の大学は非常に甘い。
人事の情報が公開できないには、不適格者への配慮である。〇合の割合が低いと、教員個人審査が学部全体に波及し、教員名簿の差し替えが行われる。それで、1年延期という判定もありうる。獣医学部の新設を快く思わない獣医学会から選ばれる専門委員が判定するから、厳しい判定が予想される。富山大学では、芸術文化学部以来の久しぶりの教員審査となる。それに加え、共通教育の担当者にも審査が及ぶ。博士号の取得者、科研費のCの不申請、不採択の多い共通教育の担当者から〇合を多くだすのは不可能。平均点を下げるだけだ。正直、私的な面談であるが、富大の共通教育の案には、厳しい私見を申し上げた。B級というより、D級である。学部がC級としても、総合ではD判定となる。すでに、遠藤学長には学長として、管理能力のD級以下、全国最低の評価を文科省から獲得されている。下を叱る根拠すらない。県立大の石塚学長と交代しても、県立大学は迷惑するだけだ。残念、遺憾ながら、この判断は、県下の経済界の明らかにされる時期に来ている。
富山大学は、昨年度の合格しておれば、問題はない。今年は、巻き添えをくらう可能性がある。このブログの記事は、杞憂に終わって欲しい。