富山マネジメント・アカデミー

富山新聞文化センターで開講、教科書、参考書、講師陣の紹介、講座内容の紹介をいたします。

富山から農産物は海外輸出できるのか?

2017年08月06日 | Weblog

まずは、無理という深刻な認識から始めよう。個人として、委託研究として6か月、このテーマで取り組んだ。中川忠昭県会議員さんは、さすが新潟大学の農学部の卒業生なので、詳細な情報は全てご存知であった。私が付け加えることはない。

ウーケという企業〔本社は、神戸市にある神明〕は、富山米を「水晶米」として、兵庫県で売りさばいていた。富山農業には、恩義のある企業である。入善の水に着眼され、輸出用に炊飯された米飯を業務用パックとして、海外の日本料理店に輸出している。ウーケに納品されるコメは、減反政策の枠外にある。だから、入善地方では請負耕作の大規模な米作の企業が成立する。制度の隙間がある。これを富山全域に広げることは不可能である。黒部の伏流水の唯一性が、ウーケの製品の品質を保証しているからだ。

富山では、海外に輸出されないが、県外に移出していたのが、種の生産農業である。これも、水質が良いために、富山産が抜きんでいた。しかし、うかつにも制度的にその優位は崩れた。小矢部の養鶏では、ニワトリの飼料にコメを特別に栽培し、減反政策の例外枠を利用している。ただし、鶏卵は価格競争が激しく、コメを資料とする手間暇のコスト回収が厳しい。それでも、こうした卵を活用した菓子類では、他府県にないものが富山ではある。しかし、新潟県では、亀田製菓、ブルボンという全国市場をもつ製菓産業がある。

これを目指して欲しい製菓企業もあるが、経営者が3流すぎて、国内市場はもとより、海外市場への展開意志はゼロである。現状で満足する経営者たちである。意外に優秀なのは、高岡の山元さんである。Tさん孤軍奮闘、実は海外原料を活かした経営をしている。だが、食品企業は、海外原料、他府県からの移入原料を利用し、内向きの市場開拓しかできていない。

富山から世界に農産物の海外輸出の鍵は、医薬品製造の次につながる健康食品の産業である。お菓子という嗜好性と、健康維持にサプリメントとを兼ね合わせた製品である。原料は、富山産米、徹底的にナノレベルまで粉砕する。くず米は使用してはいけない。米でんぷんと、プラス何か、である。スギノマシーンの技術、広貫堂というブランド、コンテンツ調合のトンボ飲料、この三社が力を合わせると、必ず画期的な製品が生まれる。米づくりの富山、コメの消費量を増やしたいという偏差値38の回答ではだめ。治癒用の病院患者の食事療法、介護のおける流動食主体の・・・すでにトンボ飲料さんのバランスが、市場開拓の先頭に立っている。ここの常任指揮者として、稲垣晴彦さんが登壇すると、富山のコメの海外輸出の交響曲が始まる。ターゲットは、中国の医療介護市場である。中国では、いよいよ気の狂うほど億単位の高齢人口の時代が幕をあける。「其原料是著名的富山大米」。中国市場では、ゴールドウインがブランド化している。スポーツ用のユニホーム、つぎに、保健食品が可能である。偏差値70以上の企業が、楽器と楽譜を持ち寄ることだ。

 

 

 

 


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こんな高等教育機関を擁し、富山県の将来はあるのか

2017年08月06日 | Weblog

18歳人口が激減する。人口で論ずれば、低学力層、特に英語の出来ない地元人口は、他府県へ流出できないので、TOEICの標準対応が回避される。英検は、日本式、日本人のための「孤立国」の制度である。

産業社会は、すでに社員の国籍の多様化が進んでおり、「孤立国」の内向きの検定制度には、大きな疑問が残る。おそらく、富山の高等教育機関では、TOEICが回避される。すでに富山県立大学がそうである。

このたび富山マネジメント・アカデミーは、富山大学に対し、TOEIC800点突破の講座を寄付講義の形で提供を終えた。日本の中核企業300社は、TOEIC800 点が入社条件である。

責任上、すべての講義の回に出席したが、TOEICは、ビジネスに必要な「地頭〔じあたま〕」力が必要である。私もそうであるが、すぐにワナにかかりやすい。つまり、攻略法、定番化して回答すると、脱落のワナにはまる。

それに、アメリカ英語とか、イギリス英語とかの単一の発音体系ではない。カナダ人、オーストラリア人のスピーカーも混じる。講師役を務めた堀田聡さんは、TOEFLの方が教育的に望ましいという。確かにそうである。しかし、教育として望ましいのは、マネジメントには適していない。トリックに嵌らないで、トリックとして用意されている短絡思考を避けて、正しい回答を択べるのは、偏差値で70近い論理思考がいる。

就職御三家、県庁、北銀、北電は、偏差値70か、それに近い大学の合格経験を主軸にしている。ただし、TOEIC800以上ではない。学問の世界では、東大、京大、東北大の3校のみが、世界的に最低ランクの日本の大学の代表として国家重点大学院になる。あと、一橋、大阪大学がつづく。旧制7帝大に代わり、21世紀は5大学院である。その入試には、TOEICか、TOEFLの高得点がいる。

富山の大学は、それらの大学院からみて、研究共同のラインがら完全に外れている。地元の北陸電気工業さんの眼は、東北大学に注がれている。富山の大学の卒業生の企業内での評価は、決して高くない。根気よく、TOEICに取り組み、基礎力をあげることだ。


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