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日米を問わず名選手を紹介。

米田哲也投手(16)

2008-11-20 21:31:56 | Weblog
米田哲也投手の全盛期の実力を分析したいと思います。全盛期という事ですが、決して最も多く勝ったという時期ではなく、彼の驚異の豪速球が最も威力を誇っていた時期に絞りたいと思います。従って時期的には主に昭和31年から37年位になると思います。その時期の彼の投球は、大きく分けて目にも止まらぬ豪速球と大きく落ちるドロップ(現在ではカーブと表現)の2種類かと思います。主にその2つの球種だけで7年間の内に20勝以上4回、合計129勝を挙げています。その豪速球は当時のパリーグでは文句なしにトップであり、セリーグの快速球左腕金田正一をその速さ、重さでは凌ぐ程の凄さでした。しかし豪速球投手にありがちな欠点として、投球術には今一つ優れていませんでした。ある意味球威だけで抑えられる投手には、投球術は必要ないのでしょうか?米田哲也の場合決してコントロールの悪い投手ではないのですが、大事な場面での信じられない不用意な投球、所謂ポカがかなり目立ったものです。その点が当時殆ど下位に沈んでいたチームに所属していた弊害でしょうか、勝負弱いという面も見せていました。しかし彼程本格派投手というイメージを抱かせる投手は、他に知りません。後に主武器としてフォークボールを身に付け、技にも長けるのですが、私のイメージとしては無類の豪速球を誇った典型的な本格派投手という事が一番に浮かびます。