トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

シェルター水路の除草

2022-09-11 | 水辺環境の保全
 最近の水面を覆う優勢種はウシノヒタイなのだがゴブナグサやキシュウスズメノヒエなどは衰退もせぬ常連種だ。これらイネ科植物を覆ってウシノヒタイが繁茂するのが今の姿である。ウシノヒタイは茎を長く伸ばし面積を広げるけれど根は水中や泥土にマット状にあるだけだから絡めれば容易に集草できるがイネ科の植物はそうはいかない。キシュウスズメノヒエなどは水域の宿根草で水域内を抜去除草したと思っていても容易に繁茂して来る厄介者である。陸側のものも水域に茎をのばし勢力を広げ定着しようとするから「厄介な水田雑草」と位置付けられる理由は良ーく解る。

 水域内に入り込み四本鍬で根こそぎ搔き集め始めて気が付いた。「なんだ!ここにもオオカナダモが投入されている」既に新聞紙1ページ分ほどに広がっていて投入されてから1カ月は経過しているだろう。水中に手を入れて探れば根元も何カ所かあってしっかりと勢力拡大への基盤造りは済んでいたのだ。上の池と言いここと言い、斯様な環境破壊行動を行う輩は絶えない。当然、出来る限り泥土の中の根までを抜き取って本体ごと人目につかぬ藪の中に投げ捨てた。世が世であれば隠密同心の如き振る舞いをして「天誅!」を加えたい気になってくる。

 さて抜き取った塊は棚の法面に押し上げる。抜去体には根茎に泥土の塊があるから多少なりとも窪みの整復には役立ってくれる。根茎の泥を落とさず抜きあげる事で、それまで行っていた泥浚いの必要が減ったのだ。水域全体の泥浚いを行わなくなったから水位は浅くなる傾向にあるけれど沈泥する泥の層は固くならないから浚う必要があっても苦労しないで浚えるはずである。
 狭まっていた水路が広く開いたからトンボの飛翔数は見ている間に回復するし産卵する個体やカップルも目につくようになる。林内の刈り払いや除伐を続けていると急に風が通る瞬間に出くわすけれど、それと同じように「回復した!」と思える一瞬である。

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*深川どぶ板長屋「チュッ風の名月」

2022-09-11 | 合混で闘作すれば
              名月を寝待月とし開け障子        与太郎

              開け放ち月風涼と身を任す        素浪人

              かのわらべウサギかぐやの影を追い    産婆

              寝て観れば名月二つコブふたつ      熊さん

              名月やまたも団子でまた太り       ぼて振り

              名月の光で流す今日の汗         駕籠かき

              浴びて寝て夏掛け纏う南中時       金太

              丑三つや奈落の底か穴仰ぐ        放蕩息子

              用足しに起きて月愛でまた眠る      ご隠居

              名月や一晩見せた丸裸          幇間