トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

処暑にアカガエルの幼体とは・・・

2017-08-24 | 小父のお隣さん
 水見回りの帰路、林道でアカガエルの幼体を見つけた。体長10mmほどなので上陸してまだ間もないはずだ。
 このサイズの蛙はツチガエルにしろアマガエルにしろこの時期、散見出来るけれど、早春に産卵するアカガエル類の幼体は不思議でしかない。初夏に変態し、そのままのサイズを保っているなんて事態も考えられず、ちなみにフイールドで出会う成体の体長は35mm前後にはなっているのだ。

 ニホンアカガエルかヤマアカガエルか判別の助けになる体側線の違い、既に記憶から消えていて、さてどっちだったか、とんと思い出せない暑い日だった。
 まあ、ニホンアカガエルもヤマアカガエルも「トントントンガラガッテ隣組」の内だから似ていて当然で処暑。

                  

初めて見たヒシの花

2017-08-23 | 何よりの楽しみ
 「ヒシの実」と言ってもピンとくる人は少ないだろう。実を思い浮かべても花を知る人はもっと少ないはずである。
 少年期、水田の中に「フッコ」と呼ばれた沼があった。ここには巨大なウナギや真鯉がいたし、オオヨシキリの営巣場所でもあって釣りやガサガサを楽しんだのだが現在は宅地化してしまった。
 この沼にヒシが繁殖していて、稲刈りの頃には実を採って齧ったものだ。そのヒシを自宅池の環境植物として導入したが、勿論、採集し食べてみる算段もある。もう半世紀以上も口にしていない実である。

 結実するから当然花は咲くのだが、この花を見た事が無かった。今回初めて開花に気付き撮影したが直径10mm程度の可憐な花だった。この可憐な花が結実させる実は何とも恐ろしい形態で危険な備えをしている。
 鋭い棘が長く伸び、その棘の先端には更に細かい棘状で、刺さったら抜けにくいし傷を汚くする装置がある。そのうえ水中では何年も腐敗せず硬い棘を保っているから不用意にヒシの実採りを行うと、文字通り痛い目に遭いかねない。忍者の使う「撒きビシ」はこれの模倣だろう。
 まあ、そこまでして食べたい実ではないにしても郷愁と言うロマンチックな誘惑には弱い。

 開花株 ➡   開花途中  ➡   開花

一日一枚でいい・・・

2017-08-23 | 水辺環境の保全
 気温より湿度の高い日々にうんざりゲンナリの小生だ。出かける時は前向きでも、作業始め程なく後ろ向きモードになってしまう。早々に上着はビッショリ、メガネには汗溜まり、泥の中の足は重くなっている。
 この日も泥水池の除草に追われた。下段から除草を開始し、ようやく泥水池3まで到達した。除草対象はコナギ、キシュウスズメノヒエ、ミゾソバが主である。池の中央に植えた水稲は、手入れも施肥も行わないのだがそれなりの成長をしている。出穂は見られないのは6月下旬に植えた事に由るのだろう。

 作業を開始して1時間、既に握力の低下を自覚する。上記の三種は引き抜くほどの労力は要しないものの、株数は少ないがイヌビエの根張りが強固で難儀する。スコップで掘り上げれば造作もないけれど用意しておらず「ウントコショ、ドッコイショ」と童話の「大きな蕪」ならぬ「大きな株」に泣いた。
 大小五株ほど引き抜いて戦闘意欲消失し、ヨタヨタと顔と体を拭くのに水場に行ったけれど、拭いても拭いても汗が噴き出てくる。着替えは忘れたからそのまま帰宅し、水シャワーを浴びようやく生き返った心持ちになったのだった。

 諺にも「一日一善」とあるから「一日一枚」であっても恥じる事は無い。今は肩で息をしているが、継続していけば「片が付く」のである。

              ➡   

蹂躙と言うより獣躙開始だ・・・

2017-08-22 | 小人閑居して憮然
 隣接して活動するグループの棚田に猪が入った。うろついて水稲をなぎ倒しているが穂は齧っていない。
 これは何時もの事で、まず偵察に一頭か二頭で入り、その後一晩で蹂躙して去るのがお約束なのである。田植えをした当事者は「景観植物」として刈り取りまでは期待していない。
 それでも稲作農家出身の小生としては胸が痛むイベントなのである。

           三つ編みのごとく猪入る稲田なり

泥水池5、4の除草

2017-08-22 | 水辺環境の保全
 水面が草の繁茂で小さくなってきたから除草に入った。以前はレーキや草削りで池の底部から抜き取りを試みた事もあったが、結果的には手取りに勝る方法は無いと理解した。泥水の中なので視認は不可能なのだが指先で水底の状況は良く把握できて、抜き取るのに粗相がない。レーキや草削りだと取りこぼしがあっても認識できず、これが再発生につながるから結局は手間が増えるだけなのである。

 しかし、手取りでは握力が物を言い、時間が経過するに従い握力の低下を実感する羽目になる。加えて真夏日の炎天下で四つ這いでの作業はメガネに汗が溜り視野がボケるし歪む。そのうえ泥はねで見える部分も限られてくる。
 その都度、メガネの清掃をすれば良いけれど、ゴム引きの手袋の着脱は容易ではない。どうせ見えなくとも水底の状況は分かるのだからと根が続くまでは頑張る。この「こん」、意識の「根」なのか草の「根」なのか自分でもわからなくなり、夏場の草取りとはきついものである。

 泥水池3まで完了させようと池に入ったがギブアップ。沢水で顔を洗い身体を拭くと活き返って、再度取り組めそうな気分になるのだが、歳の功でさすがに騙されずに帰宅だ。

  ➡  泥水池5除草終わる

                   ➡  泥水池4除草終わる

今更ながらの袋掛け

2017-08-22 | 何よりの楽しみ
 庭の国光が色づいてきた。小生の頭光は光輝いているが中は軟化状態で色づく気配はない摘果して袋掛けはせず放置状態だったけれど、果実の傷み具合を見ると夜陰に紛れての行為に「どうぞ吸汁してください」と許したく無くなって、遅きに失する袋掛けを敢行した。

 袋掛けをしたところで熟して落ちるままの果実だから手間も暇も必要ないものの、時には心変わりもある。人間、分かっていても矛盾した行動をするものである。

 今期は今のところ吸汁以外の被害は少なく、葉の食害が見られるようになってきたが、これは後部に角のあるイモムシだ。赤銅色で壊滅的食害を行うモンクロシャチホコはまだ発生していないので見た目には綺麗な立ち姿に見える。
 電気虫の心配もあって長袖を着用したが、さすがに手袋は作業の邪魔になる。とりあえず良果を選び袋を掛けたが、成長の遅れた果実は摘果しボチボチ丸かじりで処理しよう。そこそこ食べられるのである。
       吸汁被害        袋を掛けた

*望郷

2017-08-21 | 今はうたかた
           雪形を脱いで蒼増す越後駒

           越後駒眠る山見つ父の野辺

           八海も前山粧い朽つ社

           滴るや中岳かいま関越道

           八海の八つ嶺は無理歩けない

           三山は雷雲かぶる郷は虹

           三山や金床雲に御背光

ワルナスビ除草二回目

2017-08-21 | 小人閑居して憮然
 初夏に一回実施したワルナスビへの除草剤スポット散布。除草剤の直撃を免れた根茎から萌芽した茎が花を着けるまでに育ってしまったから2回目の除草を行った。
 時期としては、もう少し早く実施したかったのだが晴天が無く伸びてしまった。この日も未明まで降雨があったが一両日は晴れると読み、いつもより早めに出向く。降雨の影響で葉は濡れていたけれど、散布液が垂れるほどでもないから一株一株除草剤を散布した。

 散布液が掛かった株は枯れるだろうがワルナスビの直根は深く入っている。浸透移行除草剤だとしても数時間後には効果が顕著に見える即効性では薬剤がどこまで行きわたるかは分からず、薬剤で生理的活性が急速に損なわれては葉面の薬剤を地下深くまで届けれないのではないか…。現に今回の薬剤では二回目が必要だったし、昨年の安い薬剤は効果が見えるのに数日要したが二回目は必要なかったのである。
 広告で効能を謳っても現場での駆除率には違和感がある。

 小生が薬剤を使うのはワルナスビへ除草剤、猪の掘り起こし防止にアセフェート粒剤の二種だけであるが、生物保全活動をしている立場では両方とも使用したくない薬剤なのだ。まあ、致し方なし・・・と言うところであろう。

 埋もれて発見し難い    中程度の株 ➡  翌日

八月から被害が増える…

2017-08-20 | 小人閑居して憮然
 写真の部分は泥水池3と5の法面の現状だ。
 八月に入る頃からフイールドでの猪の採餌跡、掘り起しが目立ってくる。林道の堆積土や腐植土、道路わきの腐植質部から顕わになって、刈り草の下などが狙われる。
 一通り行うと、定植や坪刈り作業を施した若木の根元や造成した畦や堤、法面の被害が多発する。フイールド全般にくまなく荒らすのなら怒りも無いのだけれど、手を入れた部分が先に集中して掘り返されるので辟易してしまう。

 写真の法面、基部から掘り上げられ、ついには上面に達してしまった。これ以上破壊されると流路が崩れる。やむなくアセフェート粒剤を忌避剤代わりに散布した。雨水と共に池に入っても最終段の泥水池5だけなので生物被害は最小限だ。
 
 周年、獣類の被害を見ていると人の対応が優し過ぎるのを強く感じる。数日前もキタキツネが日中から公園で人や犬を追い立てているのが放映された中で、法律を盾に「手の打ちようがない」と行政はほざいていたけれど、「何をかいわんや」本末転倒で余計な仕事はしたくない行政の姿勢が見え見えである。


西の段、1と2の刈り払い

2017-08-20 | 今日は真面目に
 ここを刈り払えば既に膝丈まで草丈が伸びたタンポポ原っぱが待っている。泥水池の草取りも遅れているし、水域の構造補修も行いたい。真夏日が続くからと言っても作業は最盛期なのである。
 西の段2は日当たりが良いので草丈も伸びた。高生種はヤブマオやヨメナ類、低中生種はヌスビトハギが多い。ヤマフジやアカメガシワ、ウツギ類の実生の成長も早く「よくまあ!」とぼやきも出る場所だ。
 西の段1はおチビちゃんの遊び場として設えてあるのだが、ヌスビトハギやヤビジラミが繁茂して埋没してしまった。1も2も刈り払うのに手間がかかり二日がかりになった。

 二段目   ➡   

               一段目   ➡   

トンボ池2干上がる…

2017-08-19 | 水辺環境の保全
 何時もの水見回り。トンボ池2が干上がっている。二日間の雨模様で御出勤せなんだが渇水では無いのは承知で、トンボ池1の沈泥部も水が無く、もう止水堰の漏水以外に考えられなかった。

 小さな止水堰に設置した塩ビの取水管の底部から流出していた。管を埋設した折り、十分に鎮圧していても管に沿ってカニやイモリ、あるいは水圧で自然水路はできやすい。これまでも度々漏れを止めてきたのだが、今回はダダ漏れ状態だった。泥水池からの分水も滞っていないから、この漏水を止めれば水位は復旧する。

 粘性の土塊を運び指で押し込み、靴で鎮圧しひとまず終了させた。完璧な作業をするには一旦掘りだして新たに鎮圧する必要があるのだが、草刈りや草取りを放り出し本気モードで土木は出来ないから、応急処置で済ます。一昼夜経てば水位復活なるだろう。

            第二干上がる     第一減水中

風と共に去りぬ

2017-08-19 | 感じるままの回り道
        朝な夕台風チェックす独り宿

        催事場は台風通過も客相手

        台風と共に終えたる催事かな

        あな嬉し催事終えれば明け猛暑

        この歳でマネキンの日々夏の日々


「アカハラ」でなく「アカイモリ」だ!

2017-08-18 | 小父のお隣さん
 集水路の除草中に、引き上げたシャジクモやミゾソバの塊からアカハライモリ二匹が出てきた。一匹は普通のタイプでもう一匹は全身が朱色だ。勿論綺麗な朱色では無く、写真で判る様に斑模様が入っている。

 たまたま体色を変えたのかと思い観察容器に入れ作業終了まで時間稼ぎをしてみたが体色は変わらない。アルビノでなく赤い色素が多くなった変異体なのだろう。自宅で飼育してみようかと思いつつ、遁走されたら確保できない。ここは集水路に戻し必要ならガサガサをやれば良い。

 イモリ類が体色を変えるなんて思ってもいないのだけれど、突然ではカメレオンと混同してしまう。まあ、あの困ったさん吐乱腐と同じ「似た者同士なのーね」である。言う事をすぐ変える…。

泥水池5の漏水止め

2017-08-18 | 水辺環境の保全
 暑い日が続き、流下する途上で蒸発する事で水量が下流に行くに従い減少するのは当然だとしても、チョロ水が入っている泥水池5が満水位にならない。
 雨後は問題なくオーバーフローからあふれ出ているけれど、問題なのは水量が少なくなった時に湛水出来ない事なのである。水域内の除草を行う前に漏水孔を見出して潰す事にした。

 既に心当たりのあるオーバーフロー部横の土留めの下部に指先を入れると空間があった。土留めの丸太を取り除くと漏水孔があった。ピンポン玉が入るくらいの孔であってもチョロ水を吸い込むには十分すぎる大きさなのだ。
 ツルハシとスコップでトンネル部を掘り崩し、再度埋め込み鎮圧して一件落着と思ったのだったが、池の除草を行っている間に水位が上がるかと思っていたら一向に上がらない。
 不審に思って水位線を注意深く点検したら、草に埋もれた一角に水が入っていく。草を取り除いたら拳が入る程の漏水孔があった。これでは水位が上がる訳もない。
 ここも同様に潰し鎮圧し復旧させる。流入水はチョロチョロなのでオーバーフロー部から溢れるのは翌日になるだろう。
 漏水部 ➡  顕わにして潰す      二か所目も潰す
 
 除草を済ませ水面の広がった泥水池5には早速にシオカラトンボのカップルが産卵に見えた。オスは攻撃的であるが、産卵時にはメスの上空でホバリングして守る。トンボの生態から言って「メスを守る」というより「自分の遺伝子が引き継がれた卵を守っている」のが真実だ。
 油断すれば他のオスが産卵中でもお構いなしに交尾行動のアタックをし、成功すれば直前に入った精子はすべて取り除かれてしまう定めなのである。

今日のトンボ「リスアカネか…」

2017-08-17 | 小父のお隣さん
 ようやくと言うか、待ちに待った種が出現した。街で舞っていた訳でなく三日月池に複数体いたのである。
 水見回りの途中で見つけたのだが空間的にも環境的にも良好と思える泥水池やトンボ池周辺では見いだせず、三日月池の狭い環境の中に居た。

 翅端に黒褐色斑があるアカネ族は限られて、ノシメトンボは色黒なのでコノシメトンボかリスアカネかと思いつつ写真を撮る。写真対照で胸部の色が赤くないならリスアカネと思いつつ側面の色を確認したところリスアカネに傾く。
 まあ、どちらにしたところで小生の判断力は先入観や誤解の賜物なので普遍的では無く自己満足の範疇なのだ。

 どういう訳か小生は翅端斑のある種が好みなのだが、早い話「班つながり」なのかどうか。これは自分で判断はしたくない分野である。