「ヒシの実」と言ってもピンとくる人は少ないだろう。実を思い浮かべても花を知る人はもっと少ないはずである。
少年期、水田の中に「フッコ」と呼ばれた沼があった。ここには巨大なウナギや真鯉がいたし、オオヨシキリの営巣場所でもあって釣りやガサガサを楽しんだのだが現在は宅地化してしまった。
この沼にヒシが繁殖していて、稲刈りの頃には実を採って齧ったものだ。そのヒシを自宅池の環境植物として導入したが、勿論、採集し食べてみる算段もある。もう半世紀以上も口にしていない実である。
結実するから当然花は咲くのだが、この花を見た事が無かった。今回初めて開花に気付き撮影したが直径10mm程度の可憐な花だった。この可憐な花が結実させる実は何とも恐ろしい形態で危険な備えをしている。
鋭い棘が長く伸び、その棘の先端には更に細かい棘状で、刺さったら抜けにくいし傷を汚くする装置がある。そのうえ水中では何年も腐敗せず硬い棘を保っているから不用意にヒシの実採りを行うと、文字通り痛い目に遭いかねない。忍者の使う「撒きビシ」はこれの模倣だろう。
まあ、そこまでして食べたい実ではないにしても郷愁と言うロマンチックな誘惑には弱い。
開花株 ➡ 開花途中 ➡ 開花
少年期、水田の中に「フッコ」と呼ばれた沼があった。ここには巨大なウナギや真鯉がいたし、オオヨシキリの営巣場所でもあって釣りやガサガサを楽しんだのだが現在は宅地化してしまった。
この沼にヒシが繁殖していて、稲刈りの頃には実を採って齧ったものだ。そのヒシを自宅池の環境植物として導入したが、勿論、採集し食べてみる算段もある。もう半世紀以上も口にしていない実である。
結実するから当然花は咲くのだが、この花を見た事が無かった。今回初めて開花に気付き撮影したが直径10mm程度の可憐な花だった。この可憐な花が結実させる実は何とも恐ろしい形態で危険な備えをしている。
鋭い棘が長く伸び、その棘の先端には更に細かい棘状で、刺さったら抜けにくいし傷を汚くする装置がある。そのうえ水中では何年も腐敗せず硬い棘を保っているから不用意にヒシの実採りを行うと、文字通り痛い目に遭いかねない。忍者の使う「撒きビシ」はこれの模倣だろう。
まあ、そこまでして食べたい実ではないにしても郷愁と言うロマンチックな誘惑には弱い。
開花株 ➡ 開花途中 ➡ 開花