人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「TOKI弦楽四重奏団」のチケットを取る / 東京藝大モーニングでL.モーツアルト「アルトトロンボーン協奏曲」(阿久津理子)、プロコフィエフ「ピアノ協奏曲第2番」(原田莉奈)を聴く

2018年05月11日 07時55分32秒 | 日記

11日(金)。わが家に来てから今日で1317日目を迎え、ポーランド西部のポズナニ近郊の高速道路で9日、液状のチョコレートを運搬していたタンクローリーが横転し、流れ出した約2トンのチョコが道路上で固まる事態となった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     タンクローリーで運んだチョコレートは沢山食べる気しない  チョコっとでいいな    

     

         

 

昨日の夕食は「すき焼き」にしました わが家のすき焼きの具材は牛肉のほか、豆腐、椎茸、エノキダケ、長ネギ、白菜、玉ねぎ、シラタキ・・・と何でもぶち込みます

 

     

 

         

 

8月2日(木)午後7時から東京文化会館小ホールで開かれる「TOKI弦楽四重奏団 15周年記念コンサート」のチケットを取りました プログラムは①モーツアルト「弦楽四重奏曲第17番変ロ長調K.458”狩”」、②ドホナーニ「弦楽六重奏曲変ロ長調」、③ブラームス「ピアノ五重奏曲ヘ短調」です 演奏はTOKI弦楽四重奏団(ヴァイオリン岩谷祐之、平山真紀子、ヴィオラ=鈴木康治、チェロ=上森祥平)、ヴィオラ=小熊小絵子、チェロ=福富祥子、ピアノ=平山友紀子です

 

     

     

 

         

 

昨日、上野の東京藝大奏楽堂で東京藝大・第2回モーニングコンサートを聴きました プログラムは①レオポルド・モーツアルト「アルトトロンボーン協奏曲」(Tb:阿久津理子)、②プロコフィエフ「ピアノ協奏曲第2番」(Pf:原田莉奈)、管弦楽=藝大フィルハーモニア管弦楽団、指揮=山下一史です

 

     

 

全自由席です。1階11列12番、左ブロック右通路側を押さえました

1曲目は、かのヴォルフガング・アマデウス・モーツアルト(1756-1791)の父親で、ザルツブルクの宮廷副楽長を務めていたレオポルト・モーツアルト(1719-1787)が1755年に作曲した「アルトトロンボーン協奏曲ニ長調」です この曲は元々「管楽器のための30のセレナード」のうちの一つ「トランペットとトロンボーンのためのセレナード」からの抜粋で、30のセレナードのうち現存するのはこの作品のみとのことです 9楽章のうち、2つが「トランペット協奏曲」として、3つが「アルトトロンボーン協奏曲」として残っているとのことです 第1楽章「アダージョ」、第2楽章「メヌエット」、第3楽章「アレグロ」の3楽章から成ります

空色の鮮やかな衣装に身を包まれた藝大4年生の阿久津理子さんがトロンボーンを手に登場します 山下氏の指揮で第1楽章が開始され、優美で穏やかな曲想の音楽が奏でられます 阿久津さんは美しい音色で伸び伸びと演奏します 第2楽章は中間のトリオだけの演奏で、あっという間に終わってしまいます 第3楽章は終盤でカデンツァが奏でられますが、阿久津さんの演奏は高音部から低音部までトロンボーンの美しい音色を生かした見事なものでした

この作品は ほとんど演奏される機会がない、と言うよりも、ほとんど知られていない と言った方がよいかも知れません   その意味では、この曲を取り上げて素晴らしい演奏で聴かせてくれた阿久津さんに感謝します

 

     

 

2曲目はプロコフィエフ(1891-1953)の「ピアノ協奏曲第2番ト短調」です この曲は1913年に作曲され、同年8月に作曲者自身のピアノ独奏により初演されましたが、プロコフィエフは当時22歳の音楽院生でした 第1楽章「アンダンティーノ」、第2楽章「スケルツォ:ヴィヴァーチェ」、第3楽章「インテルメッツォ:アレグロ・モデラート」、第4楽章「フィナーレ:アレグロ・テンペストーソ」の4楽章から成ります

ピアノがステージ中央に運ばれ、管楽器が増員されフルオーケストラ態勢に拡大されます

マリンブルーのエレガントな衣装の藝大4年生・原田莉奈さんが山下氏とともに登場、ピアノに向かいます 山下氏のタクトで第1楽章が開始されます。序盤から変化に富んだ音楽が展開し、中盤から長大かつ重厚なカデンツァが演奏されます 原田さんの演奏は確かな技術に裏づけられた見事なもので、聴いているこちらの方が熱くなってきました 第2楽章はピアノとオケとが超高速で”走り抜ける”という言葉がピッタリの演奏です 第3楽章は、冒頭 金管楽器と打楽器による”何かが起こりそうな”雰囲気の音楽で開始されますが、この楽章も目先がクルクルと変わり、かなり技巧を要する音楽です そして第4楽章のフィナーレを迎えますが、原田さんは「嵐のように速く」という作曲者の指示を忠実に反映した演奏を展開、大規模な管弦楽を巻き込んだ熱演で 鮮やかに曲を閉じました

素晴らしい演奏でした   さすがは学内選考を通過してモーニングコンサートに出場するだけの実力を備えています   プロコフィエフのピアノ協奏曲といえば「第3番ハ長調」が一番有名で、演奏される機会も多いのですが、この日の原田さんの演奏を聴いて、「第2番ト短調」もなかなか名曲だと再認識しました その点、原田さんに感謝しなければなりません

なお、この曲を聴くに当たり、ミシェル・ベロフのピアノ、クルト・マズア指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団によるCD(1974年録音)で予習しておきました

 

     

 

     

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東京藝大「管楽アンサンブルの極み」(6/30)のチケットを取る / 「ヒトラーに屈しなかった国王」、「人生はシネマティック!」を観る~ドヴォルザーク「弦楽四重奏曲”アメリカ”」も流れる

2018年05月10日 07時53分25秒 | 日記

10日(木)。わが家に来てから今日で1316日目を迎え、トランプ米大統領が8日、欧米など6か国とイランが結んだ核合意から離脱すると表明した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                トランプ氏は「いらん合意だ」と主張してるけど 11月の中間選挙目当ては明白だ

 

         

 

昨日、夕食に「ぶりの照り焼き」「マグロの山掛け」「生野菜とアボカドのサラダ」「豚汁」を作りました あとは「クジラのベーコン」が美味しそうだったので買ってきました

 

     

 

         

 

6月30日(土)午後2時から東京藝大奏楽堂で開かれる東京藝大・管打楽器シリーズ「管楽アンサンブルの極み」のチケットを取りました これはベルリン・フィル首席ホルン奏者のシュテファン・ドールのプロデュースによるコンサートです プログラムはドヴォルザーク「セレナード」、R.シュトラウス「組曲」、バーンスタイン/クリーズ「ウエスト・サイド・ストーリー組曲」他です 出演はクラリネット=N響首席・伊藤圭、オーボエ=藝大教授・小畑喜昭、ホルン=藝大准教授・日高剛、チェロ=藝大教授・河野文昭、コントラバス=都響首席・池松宏ほか、指揮はシュテファン・ドールです チケット代は全自由席で2,000円です

当日は1時15分からシュテファン・ドールと日高剛によるプレトークがあるので、いつもより早めに行って前の方の席を確保しようと思います

 

     

 

         

 

昨日、池袋の新文芸坐で「ヒトラーに屈しなかった国王」と「人生はシネマティック」の2本立てを観ました

「ヒトラーに屈しなかった国王」はエリック・ポッペ監督による2016年ノルウェー映画(136分)です

1940年4月9日、ノルウェーの首都オスロにナチスドイツが侵攻した ノルウェー軍も反撃するが、圧倒的な軍事力により主要都市が次々と陥落し占拠されていく ドイツ軍はノルウェーに対し降伏を要求し、ドイツ公使とノルウェー政府国王のホーコン7世との謁見の場が設けられる。ホーコン国王は、在ノルウェー・ドイツ公使から いたずらに若者たちを犠牲にしないために ナチスの要求に従うよう迫られる その時 国王の頭にあったのは「すべては祖国のために」という理念だった

 

     

 

この映画で一番印象に残ったのはホーコン国王を演じたイェスパー・クリステンセンの圧倒的な存在感です そこに居るだけで国王を感じさせます。ホーコン国王はナチスドイツの要求を拒否し、立憲君主国家としての威厳を示したという意味では確かに立派でしたが、この映画を観る限り、皇太子のオラフ(現在の国王の父親)も立派だったと思います 国民が戦っているのに皇室だけ逃れていていいのか、として戦線に加わることを父・国王に伝えます また、敵国の在ノルウェー・ドイツ公使も、ヒトラーの命令には逆らえない中で ノルウェー国民が生き残る道を懸命に探って行動したという意味では立派だったと思います

ノルウェーは20世紀初頭にスウェーデンから独立したという事実を、この映画を観てあらためて思い出しました たまにはこういう映画を観るのも勉強になります

 

         

 

「人生はシネマティック!」はロネ・シェルフィグ監督による2016年イギリス映画(117分)です

舞台は1940年のロンドン。カトリン(ジェマ・アータートン)はコピーライターの秘書として働いていたが、人手不足のため彼女がコピーを書くことになり、それが情報省映画局の特別顧問バックリー(サム・クラフリン)の目に留まる そして、ダンケルクでドイツ軍の包囲から兵士を救出した民間人の姉妹の感動秘話を映画化する脚本チームに関わることになる 戦争で疲弊した国民を勇気づけるための映画だったが、製作が開始されると、ベテラン俳優ヒリアード(ビル・ナイ)のわがまま、政府と軍による検閲や横やりなどトラブルが続出し、そのたびにカトリンたちの脚本は書き直しを強いられる 何とか撮影は大詰めを迎えるが、カトリンにとって悲劇が待ち受けていた

 

     

 

この映画では、主人公のカトリンを演じたジェマ・アータートンとともに、ベテラン俳優ヒリアードを演じたビル・ナイが存在感抜群でした この人もそこに居るだけで俳優です

この作品では、クラシック音楽が1曲だけ使われています カトリンたちのシナリオに政府から横やりが入って、アメリカの俳優を使うことになることと関係があるのかどうか分かりませんが、ドヴォルザーク「弦楽四重奏曲第6番ヘ長調」の第2楽章「レント」が使われていました 言うまでもなく、この曲はドヴォルザークが赴任先の”新世界”アメリカで作曲したことから「アメリカ」のニックネームで呼ばれています

カトリンがタイプライターのキーを叩いて脚本を書くシーンがたびたび映し出されますが、その昔、社会人になって早々 英文タイプの学校に通って仕事で生かしたことを思い出しました しばらくして、ワープロが出現し、間もなくオフコンを経てパソコンに置き換えられ、現在に至っていることは現代史が示す通りです

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METライブビューイングでモーツアルト「コジ・ファン・トゥッテ」を観る~斬新でスピーディーな演出によりアンサンブル・オペラの傑作を堪能~ケリー・オハラのデスピーナにブラボー!

2018年05月09日 07時48分10秒 | 日記

9日(水)。わが家に来てから今日で1315日目を迎え、野党各党が8日午後に開かれた衆議院本会議に出席し、空転していた国会が19日ぶりに正常化した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      与党も野党も税金から給料が出てることを忘れてんじゃね? 議員が多すぎだよ!

    

         

 

昨日、夕食に「鶏肉とホウレン草の卵とじ」「生野菜とサーモンのサラダ」「トマトとタケノコとベーコンのスープ」を作りました 「鶏肉~」は初挑戦ですが、美味しくできました

 

     

 

         

 

昨日、新宿ピカデリーでMETライブビューイング、モーツアルト「コジ・ファン・トゥッテ」を観ました これは今年3月31日に米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です

キャストは、フィオルディリージ=アマンダ・マジェスキー、ドラベッラ=セレーナ・マルフィ、フェルランド=ベン・ブリス、グリエルモ=アダム・ぺトヘトカ、ドン・アルフォンソ=クリストファー・モルトマン、デスピーナ=ケリー・オハラ、管弦楽=メトロポリタン歌劇場管弦楽団、指揮=ディヴィッド・ロバートソン、演出=フェリム・マクダ―モットです

 

     

 

「コジ・ファン・トゥッテ」は、「フィガロの結婚」「ドン・ジョバンニ」に続いてロレンツォ・ダ・ポンテの台本を基にモーツアルトが作曲したオペラです 邦題では「女はみなこうしたもの」と訳されますが「恋人たちの学校」という副題を持っています 二組の恋人たち(女性は姉妹)と老哲学者、小間使いの6人が主人公で、男たちが変装してお互いの恋人を口説き、貞操を試すというのが大雑把な筋書きです

今回の「コジ・ファン・トゥッテ」の大きな特徴は、舞台をモーツアルトが生きていた時代(1756-1791)の約200年後の1950年代のアメリカ・ニューヨークに移していることです 基本的に私は、作曲者が想定した時代と場所を 演出家が勝手に違う時代と場所に移すやり方には嫌悪感を抱いています しかし、今回の正味3時間の公演を観て思ったのは、「こんなに楽しい演出なら、モーツアルトも許してくれるのではないか」ということでした。舞台がニューヨークのコニーアイランド(遊園地)をモデルにしているので、回転木馬や 回転ティーカップなどが大道具として使われるばかりでなく、剣飲み、火吹き、ヘビ使いなどの大道芸人や小人などの”サーカス要員”が登場し プロのパフォーマンスを見せて聴衆を飽きさせません 何よりも感心したのは、演出が音楽を駆逐していないということです。あくまでも音楽が主役で演出はわき役です

また、主人公の姉妹と小間使いは遊園地近くのモーテルに宿泊しているという設定ですが、3つの部屋がそれぞれ回転し舞台転換をスピーディーにしています 歌手たちは歌いながら演技をするわけですが、常にあちこちに動き回らなければならないので相当な苦労を強いられているはずです

歌手陣では、姉のフィオルディリージを歌ったアマンダ・マジェスキーはアメリカ生まれのリリック・ソプラノですが、透明感あふれる歌唱が魅力です 妹のドラベッラを歌ったセレーナ・マルフィは昨年のMETライブ「ドン・ジョバンニ」でツェルリーナを歌い絶賛されたメゾソプラノですが、美人だけれどコケティッシュな容姿がモーツアルトにピッタリで、深く艶のある歌声で魅了します

フィオルディリージの婚約者グリエルモを歌ったアダム・ぺトヘトカはチェコ出身の若手バスバリトンですが、声に張りがあり、存在感抜群です ドラヴェッラの婚約者フェルランドを歌ったベン・ブリスはアメリカ出身のテノールですが期待の新星です

このオペラの「賭けの仕掛け人」ドン・アルフォンソを歌ったクリストファー・モルトマンはイギリス出身のバリトンですが、軽快な演技力とともに説得力のある歌唱力の持ち主です

さて、今回のオペラの大きな呼び物は小間使いのデスピーナを歌ったケリー・オハラの歌と演技です ご存知の通り、ケリー・オハラはブロードウェイの代表的なトップスターで、2015年の「王様と私」では渡辺謙と共演しトニー賞主演女優賞を受賞したことで話題になりました 3年前のMETライブでは「メリー・ウィドウ」でオペラ・デビューを果たしましたが、あの時は、オペレッタというよりもミュージカルの歌い方でした それが、今回はまったくそういう印象は受けず、しっかりオペラの歌い方になっていました もっとも、ヨーロッパのオペレッタがアメリカに渡ってミュージカルとして花開いたということを考えれば、彼女がミュージカルの歌い方でオペレッタを歌ったというのは それほど違和感のあることではないのかも知れません いずれにしても、歌は抜群に上手いし、演技力はミュージカル仕込みで、自然体で歌ってコミカルに演技をしているという印象を受けます

 

     

 

このオペラは「アンサンブル・オペラ」として有名です 二重唱、三重唱、四重唱、五重唱、六重唱と、登場人物の組み合わせで次から次へと重唱に次ぐ重唱が歌われます もちろん、単独のアリアも歌われますが、むしろ重唱の方が圧倒的に多く、名曲揃いです 指揮者のロバートソンは速めのテンポで軽快に音楽を進め 歌手陣のアンサンブルを支えました

演出上のことで言えば、「いくら外国人に変装したからといって、恋人が自分のパートナーを見破れないわけがないだろう」という誰もが抱く疑問を、「見破れないことを いかに本当らしく見せるか」が演出家に課せられた大きなテーマとなります その点で今回の演出は、二人の男たちが出兵する時、彼らだけでなく、多くのカップルを登場させ、別れを惜しむのは彼ら2組だけではないという形をとることで、姉妹が恋人たちが戦地に出兵すると信じることに説得力を持たせています

もう一つは、二人の男たちの変装力です 真面目で実直な士官二人が、プレスリーみたいな雰囲気の男に変装し、町のあんちゃんみたいな態度で姉妹に接するのを見ていると、まるで別人が登場したと勘違いするほどです

ところで、幕間のインタビューでMETのピーター・ゲルプ総裁が 指揮者のヤネク・ネゼ=セガンに 「当初の予定を前倒しして、来年からMETの音楽監督をお引き受けいただくことになりました」と語りかけていました これは過去のセクハラ疑惑でMET名誉音楽監督を解任されたジェイムズ・レヴァインの後任になる時期が早まるということを意味します 昨年から今年にかけて世界中で ME too の嵐が吹き荒れましたが、クラシック音楽外も例外ではなかったわけです

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「ハナミズキ室内合奏団~小川有紀子と仲間たち~」 結成記念演奏会を聴く~モーツアルト「ディヴェルティメントK.138」、メンデルスゾーン「弦楽八重奏曲」他

2018年05月08日 08時12分56秒 | 日記

8日(火)。わが家に来てから今日で1314日目を迎え、自分専用に買ってもらったハンディ・クリーナーを前に独り言を囁くモコタロです

 

     

      これでおいらのフンを吸い取るわけだね 現金でなくポイントで買ったようだが

 

         

 

昨日、久しぶりにカレーライスを作りました   大食いの息子が地方勤務でいないので、どのくらい作れば良いのか判断が微妙です。そのうち慣れるでしょう

 

     

 

         

 

昨夕、東京文化会館小ホールで「ハナミズキ室内合奏団~小川有紀子と仲間たち~」結成記念演奏会を聴きました 「ハナミズキ室内合奏団」は仙台フィル第2ヴァイオリン副主席奏者の小川有紀子さんが主宰し、宮城県仙台市に本拠を置いて演奏活動を行う演奏グループです

プログラムは①ヘンデル/ハルヴォルセン「パッサカリア ト短調」、②モーツアルト「ディヴェルティメントK.138」、③ウェーベルン「弦楽四重奏のための緩徐楽章」、④バルトーク「ルーマニア民族舞曲」、⑤メンデルスゾーン「弦楽八重奏曲変ホ長調」です 

出演は、ヴァイオリン=小川有紀子、野口千代光(東京藝大准教授)戸原直(藝大フィルハーモニア・コンマス)、村津瑠紀(藝大フィルハーモニア首席)ヴィオラ=佐々木亮(N響首席)、大野かおる、チェロ=菊池知也(日本フィル・ソロチェリスト)、西谷牧人(東響首席)、コントラバス=池松宏(都響首席)です 出演者のプロフィールを見ると、コントラバスの池松氏を除く8人全員が東京藝大出身者であることが分かります

 

 

     

 

全自由席です。早めに並んだので B27、センターブロック2列目右通路側を押さえました 雨のため客の出足が悪く5分遅れての開演となりました

最初にブルー系の涼し気な衣装を身にまとった小川有紀子さんがマイクを持って登場、このコンサートの趣旨と1曲目のヘンデル/ハルヴォルセン「パッサカリア ト短調」について説明しました

この曲はヘンデルの「ハープシコード組曲第7番」の最終楽章を基に、ノルウェーの作曲家ハリヴォルセンが1897年に編曲したものです 小川さんのヴァイオリンと東響首席の西谷氏のチェロによって演奏されます

「パッサカリア」というのは一種の舞曲ですが、聴く限りかなり技巧を要する曲で、ヘンデルの原曲を編曲したというよりもハリヴォルセンによって新たに作曲されたような印象を受けます 小川さんと西谷氏の丁々発止のやり取りが見事でした

次の曲に移る前に、小川さんが再度マイクを持って

「後半に演奏するメンデルスゾーンの『弦楽八重奏曲』は通常 チェロ2挺なのですが、今回はチェロの2番をコントラバスが演奏します その関係で、西谷さんが外れることになるので、1曲目のヘンデルで演奏していただくことにしました

と説明しました。主宰者としてはいろいろと気遣いがあることが分かります

2曲目はモーツアルト「ディヴェルティメントK.136」です モーツアルトは生涯の3分の1を旅で過ごしたと言われていますが、この作品は、2回目のイタリア旅行から故郷のザルツブルクに戻った頃(モーツアルト16歳)に書かれたK.136からK.138までのディヴェルティメント(喜遊曲)の一つです 演奏は出演者全員で、左から小川、戸原、野口、村津、大野、佐々木、西谷、菊池、池松(後方)という並びです

小川さんのリードによって”モーツアルトのテンポ”で軽快な演奏が展開します 「モーツアルトは風だ」という話は4月19日と21日の当ブログに書きましたが、9人の演奏はまさに 小枝を震わせて通り抜けていく風のような 爽やかな演奏でした

ここで小川さんが再びマイクを持って次に演奏するウェーベルン「弦楽四重奏のための緩徐楽章」との関りについて説明しました

「(2011年の)東日本大震災を経験して、忘れられない曲が2つあります。一つは『バッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番』の『シャコンヌ』です 3月11日から間もない頃、自宅から被災した病院が見えるのですが、その時、病院の明かりを見ながら自室でこのシャコンヌを弾きました。もう1曲は、これから演奏するウェーベルンの曲です 震災の後、群馬交響楽団が私たち仙台フィルのメンバー4人を招いてくれたのですが、その時、ロビーコンサートで4人が弾いたのがこの曲でした。プログラムの解説には”ロマン派の音楽の芳醇な香り漂う旋律”と書かれていますが、私にとっては別の感慨があります

そして、小川、野口、佐々木、西谷の4人で演奏に入りました はっきり言って、とてもウェーベルンとは思えないロマン溢れる曲想で、ウェーベルン入門曲として最適ではないかと思ったほどです こんなにいい曲を書く人が何で無調と12音に日和ったのかと不思議に思います 4人は美しく情感豊かな演奏を展開し聴衆を魅了しました

 

     

 

今度は小川さんが、

「今日の出演者には、①子供の頃 将来何になりたかったか、②夢は何か について聞くと伝えてあります。次の準備が出来ている人から出てきてくださ~い

と舞台裏に呼びかけました

小川さん自身は、幼稚園の先生になりたかったそうです そして子供の頃、シスターにスカウトされたという意外な話をされました。子供の頃、おやつの時間になると、ほかの子供たちは走って取りに行くのに、自分だけはゆっくりと取りに行ったので、落ち着きのある子だと思ったシスターが私の母親に将来シスターにどうですか、と言ったという話を聞かされました。ただ のんびりしていただけなのですが 夢は 今回のような企画を実現することですが、今回 夢が一つ叶いました こうした活動をこれからも続けることが夢、とのことです

9人全員を紹介することが出来ない(記憶力がない)ので、とくに印象に残った人だけご紹介すると、高校時代(東京藝大付属)から小川さんと同級生というN響首席の佐々木氏は、宇宙人になりたかったそうで(なってるような気がする)、夢は一度ロシアに行くことだそうです(プーチンによろしく)。コントラバスの池松さんは獣医になりたかったそうで、趣味が川釣りということから、夢は季節が逆の南半球と北半球のそれぞれの春夏に、半年ずつ別のオケで活動しながら釣りに興じたいとのことです(フィッシング詐欺に気を付けて

全員が揃ったところで次の曲、バルトーク「ルーマニア民族舞曲」の演奏に入ります この曲は1909年から1915年にかけて作曲されました 第1曲「棒踊り」、第2曲「飾りの帯の踊り」、第3曲「足踏みの踊り」、第4曲「ブチュムの踊り(ホーンパイプ踊り)、第5曲「ルーマニア風ポルカ」、第6曲「速い踊り」の6曲から成ります

これは変化に富んだ民族舞曲の小品を集めた楽しい作品でした 9人は民族色豊かで色彩感溢れる演奏によって会場の温度を上昇させました

 

     

 

プログラム後半は、メンデルスゾーン(1809-1847)の「弦楽八重奏曲変ホ長調」です この曲は1825年10月25日に完成しました。つまり16歳の時にこの傑作を作曲したことになります 本来の楽器編成は弦楽四重奏を2倍にしたもの(ヴァイオリン4、ヴィオラ2、チェロ2)ですが、前述の通りこの公演ではチェロの2番の代わりにコントラバスが入ります

今まで何度となく本来の形でこの曲を聴いてきましたが、その楽器編成は、左からヴァイオリン4、ヴィオラ2、チェロ2という並びでした それがコントラバスが入ることに伴って、今回のように、左からヴァイオリン2、ヴィオラ1、チェロ1、コントラバス1、ヴィオラ1、ヴァイオリン2という、対向配置に近い形をとるようになります

この曲は第1楽章「アレグロ・モデラート・マ・コン・フォーコ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ・レッジェーリッシモ」、第4楽章「プレスト」の4楽章から成ります

小川さんのリードで第1楽章が開始されます。冒頭のメロディーを聴くたびにワクワクします 前へ前へという推進力は16歳の若さの力でしょう 第2楽章の演奏を聴いて、今回ほど心に沁み込んだ演奏はありませんでした。短調の魅力を醸し出した素晴らしい演奏でした 第3楽章はまるで妖精が飛び回っているようです。第4楽章の冒頭は聴きものです チェロ2本のケースでは、右サイドのチェロから一人ずつ左へ左へとフーガで受け継がれていきますが、コントラバスが入ると、センターのコントラバスからチェロ~ヴィオラ~ヴァイオリンへと外へ外へと広がっていきます

楽器同士の丁々発止の楽しい演奏を聴き終わって、あらためて思うのは「これ、本当に16歳の少年が作ったのか」ということです。富裕な銀行家の息子として生まれ、音楽に限らず高度な教育を受けることが出来たという特殊事情を考慮しても、教育パパに鍛えられたモーツアルトと同じように、ホンモノの「神童」だったのでしょう しかし、神童は早逝します。モーツアルトは35歳で、メンデルスゾーンは38歳で天に召されました

西谷氏も加わった9人の演奏者は、アンコールにモーツアルト最晩年の傑作「アヴェ・ヴェルム・コルプス」を静かに そして 温かく演奏し、聴衆のクールダウンを図りました

プログラムの「あいさつ」に主宰者の小川さんが次のように書いています

「音楽の道に進み日々生きてきた中で、自身が経験した大震災は私に大きな影響を及ぼしました。人前で演奏をすることの意義、クラシック音楽を人々にどう届けるべきなのかが明確になり、自分の役目として果たしていきたいと思いました。素晴らしい仲間たちの想いも繋ぎながら、感情を揺さぶることの出来る音楽を目指します。本日はその活動の一端を、東京でのお披露目公演でお伝え出来ればと思います」

小川さんは、自分自身の使命を見い出し、それを達成すべく活動を開始されました この日のコンサートを聴いて、小川さんの想いは十分伝わりました これからも、可能な限り このブログを通じて「ハナミズキ室内合奏団」の活動を応援していきたいと思います

 

     

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METライブ、モーツアルト「コジ・ファン・トゥッテ」の指定を取る / 中山七里「恩讐の鎮魂曲」、伊坂幸太郎「火星に住むつもりかい?」、米澤穂信「真実の10メートル手前」他 本を7冊買う

2018年05月07日 07時51分32秒 | 日記

7日(月)。今日は年に数回の新聞休刊日です。新聞のない生活なんて炭酸の抜けたビールみたいなものです こういう時に限って大事件が起こったりするので用心が肝要です

ということで、わが家に来てから今日で1313日目を迎え、トランプ米大統領が4日、テキサス州ダラスで開かれた米国有数のロビー団体「全米ライフル協会」の年次総会で演説し「(銃を保持する権利は)私が大統領である限り、決して攻撃させない」と述べ、11月に迫る中間選挙で共和党候補への支持を訴えた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     全米の高校生がどんなに反対しても 選挙で勝つためには銃の保持は捨てないだろ     

 

         

 

昨日、新宿ピカデリーでMETライブビューイング、モーツアルト「コジ・ファン・トゥッテ」の座席指定を取りました 8日(火)午前10時上映の部で、最後列の席を取りました ブロードウェイの大スター、ケリー・オハラがデスピーナ役で出演するので楽しみです

 

     

 

         

 

新宿の紀伊国屋書店で本を7冊買いました 1冊目は中山七里著「恩讐の鎮魂曲」(講談社文庫)です 中山七里の作品は文庫化するたびに購入し、当ブログでご紹介してきました

 

     

 

2冊目は伊坂幸太郎著「火星に住むつもりかい?」(光文社文庫)です 伊坂幸太郎の作品も文庫化されるたびにこのブログでご紹介してきました

 

     

 

3冊目は米澤穂信著「真実の10メートル手前」(創元推理文庫)です 最後にこのブログでご紹介した米澤氏の作品は「満願」だったと思います

 

     

 

4冊目は村上春樹著「村上さんのところ」(新潮文庫)です これは村上春樹に寄せられた人生相談とその回答が書かれているようです

 

     

 

5冊目はジョン・ファードン著「オックスフォード&ケンブリッジ大学 世界一『考えさせられる』入試問題」(河出文庫)です 選りすぐりの難問奇問集だそうです

 

     

 

6冊目は上記の続編のジョン・ファードン著「オックスフォード&ケンブリッジ大学 さらに世界一『考えさせられる』入試問題」(河出文庫)です

 

     

 

最後の7冊目はメガミックス編「人生を教えてくれた傑作!広告コピー516」(文春文庫)です 私は昔から広告コピーは好きなので気になって手に取った本です

 

     

 

いずれも、読み終わり次第このブログにアップしていきます

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「ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 」第3日目(5日)のコンサート②フォークトの「ショパン第1番」弾き振り、貴志康一「交響曲”仏陀”」、ラクリン+サラのモーツアルト「VnとVa協奏交響曲」

2018年05月06日 10時17分21秒 | 日記

6日(日)その2.よい子は「その1」から見てね。モコタロはそちらに出演しています

 

     

 

昨日 午後4時から東京国際フォーラム・ホールCで「ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2018」第3日目の「公演番号M344」のコンサートを聴きました プログラムは①モーツアルト:歌劇「皇帝ティートの慈悲」序曲、②ショパン「ピアノ協奏曲第1番ホ短調」です 管弦楽=ロイヤル・ノーザン・シンフォニア、指揮と②のピアノ=ラルス・フォークトです

自席は1階16列24番、センターブロック右から4つ目です

ステージ中央にはグランドピアノが、鍵盤が見えるように設置されています。つまりフォークトはピアノを弾きながら指揮をする(弾き振り)ことになります

1曲目はモーツァルト(1756-1791)の歌劇「皇帝ティートの慈悲K.621」序曲です このオペラは、モーツアルト最晩年の1791年に、レオポルト2世がボヘミア王としてプラハで戴冠式を挙行する際の祝祭オペラとして作曲されました

フォークトの指揮で演奏が開始されます。オーボエとフルートが素晴らしい この曲を聴いていて、数年前にMETライブでこのオペラを歌ったメゾソプラノ、ガランチャのことを思い出しました

2曲目はショパン(1810-1849)の「ピアノ協奏曲第1番ホ短調」です この作品は1830年(ショパン20歳の時)に作曲されました。第1番とされていますが、これは出版順の番号で、実質的には第2番に当たります 第1楽章「アレグロ・マエストーソ」、第2楽章「ラルゲット」、第3楽章「ロンド:ヴィヴァーチェ」の3楽章から成ります

聴衆に背を向けピアノに対峙するフォークトの合図で第1楽章が開始されます 重厚な長い序奏が続き、フォークトのピアノが入ります。普通のピアニストはこの時、気合を入れてドーンと入りますが、ラクリンは肩の力を抜いてごく自然に入ります ベルリン・フィル初のレジデント・ピアニストとなったフォークトの特徴は、この自然体でしょうか 第2楽章は、一音一音の粒立ちがとても綺麗で、抒情的に演奏されます 第3楽章に入ると、これも自然体で軽やかに演奏します 会場いっぱいの聴衆から、”ホンモノ”のピアニスト兼指揮者に対して心からの拍手が送られました

 

     

 

次いで、午後6時15分からホールCで「公演番号M345」のコンサートを聴きました プログラムは貴志康一「交響曲『仏陀』」です 管弦楽=東京シティ・フィル、指揮=ベトナム国立交響楽団音楽監督・首席指揮者の本名徹次です

自席は1階16列27番、センターブロック右通路側です。作品が地味なせいか、会場の後方はがら空きです。何とももったいない話です

オケのメンバーが配置に着きます。弦は左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置をとります。コンマスは戸澤哲夫氏です

この曲は貴志康一(1909-37)が幼いころから親しんできた仏教を動機として作曲されました 第1楽章「モルト・ソステヌート~アレグロ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「ヴィヴァーチェ」、第4楽章「アダージョ」の4楽章から成ります 1934年初演時のパンフレットに各楽章の説明が記されているとのことで、第1楽章「アジアの果てしない広がりとブッダの登場」、第2楽章「気高く慈悲深いマヤ夫人」、第3楽章「閻魔が亡者を裁く地獄」、第4楽章「ブッダの死」となっています

この曲は1934年に貴志の指揮、ベルリン・フィルによって初演されました。指揮者としても高く評価されていた貴志でしたが、28歳の若さで病死しました

本名徹次の指揮で第1楽章が低弦と金管によって重々しく開始されます そうかと思っていると、急に「ヒーロー登場」といった躍動感あふれる曲想に転換し 驚きます  いかにも現代そのものです。第2楽章はフルート、オーボエが慈愛に満ちたメロディーを美しく奏でます   スケルツォ風の第3楽章では、ファゴットが活躍しますが、何となくデュカスの「魔法使いの弟子」の音楽を彷彿とさせます  第4楽章では荘厳かつ悲しみに満ちた曲想が展開しますが、コンマス戸澤氏のソロが素晴らしい 静かに穏やかに迎えるフィナーレではトロンボーンの抑制された演奏が感動を呼びました

全体を聴いた印象は、思っていたよりもずっと聴きやすい曲で、とても80年も前に作曲された作品とは思えないほど身近に感じました 東京シティ・フィルの熱演に拍手を送ります

 

     

 

最後に、午後8時15分からホールCで「公演番号M346」のコンサートを聴きました プログラムは①ブリテン「ラクリメ」、②モーツアルト「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲K.364」です ヴァイオリン・ヴィオラ・指揮=ジュリアン・ラクリン、ヴィオラ=サラ・マクエルレイヴィ、管弦楽=ロイヤル・ノーザン・シンフォニアです

自席は1階16列24番、センターブロック右から4つ目です

1曲目のブリテン(1913-1976)の「ラクリメ」は、イギリスの作曲家ジョン・ダウランド(1563-1626)のリュート歌曲「もしぼくの嘆きが」から採られています

ロイヤル・ノーザン・シンフォニアの首席客員指揮者を務めるジュリアン・ラクリンがヴィオラを弾き振りをします バックは弦楽器のみ16人態勢です。全体的に悲しみに満ちた曲想ですが、聴いていて同じブリテンの歌劇「ピーター・グライムズ」の間奏曲を思い出しました 曲の醸し出す雰囲気が何となくそんな風に感じました

2曲目はモーツアルト「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲変ホ長調K.364」です この曲は1777年9月から79年1月にかけての「マンハイム・パリ旅行」からザルツブルクに帰郷後に作曲されました 第1楽章「アレグロ・マエストーソ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「プレスト」の3楽章から成ります

ラクリンは今度はヴァイオリンを弾き振りします ヴィオラはクリーヴランド音楽院出身のサラ・マクエルレイヴィですが、とても背の高いスマートな美人です

ラクリンの合図で第1楽章が開始されます。彼はオケの方を向き直って指揮をとったり、客席の方に向いて演奏したりと、忙しなく動きます ヴァイオリンの演奏も指揮もアグレッシブです ヴィオラのサラとの丁々発止の掛け合いが楽しく、「これこそモーツアルト」と思わせます。モーツアルトの演奏はこうでなければなりません コンマス以下、オケのメンバーも楽しそうに演奏しています。第2楽章は、ヴァイオリンとヴィオラがまるでテノールとアルトがゆったりしたテンポで会話を交わしているように感じました そして、第3楽章ではヴァイオリン、ヴィオラ、オーケストラが一体となって愉悦間に満ちた演奏を展開し、熱狂の中で曲を閉じました

このモーツアルトをもって今年のラ・フォル・ジュルネを締めくくることが出来て本当に良かったと思います あっという間の3日間でした

今年もL.F.Jの記念に公式CDを買いました。私は2006年の第2回目から毎年聴いてきてその都度CDを購入してきたので、これで13枚目になります

 

     

     

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「ラ・フォル・ジュルネ TOKYO」第3日目(5日)のコンサート①ケフェレック・リサイタル、井上+山根一仁+新日本フィルの伊福部昭「日本狂詩曲」他、フォークトのモーツアルト「第25交響曲」

2018年05月06日 07時52分27秒 | 日記

6日(日)その1。わが家に来てから今日で1312日目を迎え、ノーベル文学賞を選考するスウェーデン・アカデミーは4日、関係者の性的暴行問題や情報漏洩問題の渦の中にあることから 2018年の受賞者発表を見送ると発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      トランプ米大統領が平和賞の有力候補という噂があるから そっちも見送ったら

 

         

 

昨日、「ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2018」の第3日目公演を聴きました。昨日聴いたのは次の6公演です

1.公演番号T321 「アンヌ・ケフェレック ピアノ・リサイタル」(10:00~ 東京芸術劇場 シアターイースト)

2.公演番号M342 「新日本フィル演奏会」(12:15~ 東京国際フォーラム  ホールC)①伊福部昭「ヴァイオリンと管弦楽のための協奏風詩曲」、②同「日本狂詩曲」。①のヴァイオリン独奏=山根一仁、指揮=井上道義。

3.公演番号M343 「ロイヤル・ノーザン・シンフォニア」公演(14:15~ ホールC)①モーツアルト「交響曲第25番K.183」、②ショスタコーヴィチ「室内交響曲」。指揮=ラルス・フォークト。

4.公演番号M344 「ロイヤル・ノーザン・シンフォニア」公演(16:00~ ホールC)①モーツアルト:歌劇「皇帝ティートの慈悲」序曲、②ショパン「ピアノ協奏曲第1番」。ピアノ・指揮=ラルス・フォークト。

5.公演番号M345 「貴志康一『交響曲”仏陀”』演奏会」(18:15~ ホールC) 管弦楽=東京シティ・フィル、指揮=本名徹次。

6.公演番号M346 「ロイヤル・ノーザン・シンフォニア」公演(20:15~ ホールC)①ブリテン「ラクリメ」、②モーツアルト「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲K.364」。ヴァイオリン・ヴィオラ・指揮=ジュリアン・ラクリン、ヴィオラ=サラ・マクエルレイヴィ。

ここでは前半の1.2.3.について書くことにします

 

     

 

最初に午前10時から東京芸術劇場「シアターイースト」で「公演番号T321 アンヌ・ケフェレック ピアノ・リサイタル」を聴きました プログラムは5月3日に東京国際フォーラム ホールB7で聴いた公演と同じです。詳細は当ブログの5月3日「その1」をご覧ください チケットを取った後で、同じ内容だと気が付いたのですが、「会場が違うからいいや」ということで2度聴くことになったものです

自席はG列16番、センターブロック右通路側です ステージを見て「おやっ?」と思ったのは、ピアノにYAMAHAと書かれていたからです(ヤマハCFX)。たしかホールB7で聴いた時はスタインウェイだったように思います 「弘法筆を選ばず。ケフェレック、ピアノを選ばず」といったところでしょうか 後ろを振り返って「おやっ?」と思ったのは、若い人が多かったからです。もちろん、オケの定期演奏会と違い、L.F.Jは「短時間・低料金」制により全般的に比較的若い世代の聴衆が多いと思いますが、今回はB7の時と比べてそう思いました

ケフェレックは今回、楽譜のようなペーパーを手にして登場し、ピアノに向かいました どうやら演奏曲目の順番が書かれたカンペのようです。今回も、プログラムに記載されたヘンデル~スカルラッティのソナタ(4曲)~ヘンデル~バッハ~ヘンデルの順に、間を空けることなく続けて演奏しました 3日に聴いたホールB7は収容人数が822人なのに対し、シアターイーストは272人と B7の3分の1の大きさなので、それだけ良く響きます 今回は2度目なので、前回の演奏を思い出しながら聴くことができて良かったと思います はやりヘンデル(ケンプ編)「メヌエット」は何回聴いても感動します

アンコールにショパンの「幻想即興曲」を流麗かつ華麗に演奏しコンサートを閉じましたが、ケフェレックは何度聴いてもいいなと思います

 

     

 

地下鉄有楽町線で池袋から有楽町に移動して、午後12時15分から東京国際フォーラム  ホールCで「公演番号M342」のコンサートを聴きました プログラム記載の順番が入れ替わり①伊福部昭「ヴァイオリンと管弦楽のための協奏風狂詩曲」、②同「日本狂詩曲」の順に演奏されました 演奏は①のヴァイオリン独奏=山根一仁、管弦楽=新日本フィル、指揮=井上道義です

自席は1階16列24番、センターブロック右から4つ目です

オケのメンバーが入場し配置に着きます。コンマスは豊嶋泰嗣氏です 弦はいつもの新日本フィルと同じで 左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという編成です。第2ヴァイオリンに篠原英和氏、松崎千鶴さんを確認

伊福部昭(1914-2006)と言えば、映画「ゴジラ」の音楽で有名です 北海道釧路に生まれ、アイヌの音楽から多大な影響を受けました。1946年に日光に、翌47年には世田谷区に移り住みましたが、そのころ作曲したのが「ヴァイオリンと管弦楽のための協奏風狂詩曲」です 第1楽章「アダージョ~アレグロ」、第2楽章「ヴィヴァーチェ~スピリトーソ」の2楽章から成ります

ブルー系のベスト姿の山根一仁が井上道義とともに登場、さっそく第1楽章が開始されますが、山根君は さしあたりベスト・ドレッサー賞狙いでしょうか 開始から間もなく、独奏ヴァイオリンのカデンツァが弾かれますが、民族色豊かな見事な演奏です この楽章では「ゴジラ」のテーマの原型となる音楽が聴けます 第2楽章ではティンパニをはじめとする打楽器群が大活躍します。こういう曲を聴くと日本人の血が騒ぎます

伊福部昭は21歳の時=1935年にパリで開催された作曲コンクール「チェレプニン賞」に「日本狂詩曲」を応募すると、これが第1位を獲得し、世界的な評価を得る足掛かりになりました この作品は当初3楽章形式だったのを、賞の応募に当たり2楽章にしたとのことです

「日本狂詩曲」の演奏に入る前に、井上がこの曲について、「第1楽章は夜想曲で、ヴィオラが同じメロディーを繰り返し演奏し、管楽器、打楽器が絡んできます 第2楽章は祭りで、文字通りお祭りの音楽なので、オーケストラはもちろん、客席の皆さんも立ち上がって祭りに参加してください」と呼びかけました。この時点では、多くの聴衆は他人事のように思っていたはずです   その認識が甘かったことが後で思い知らされます

井上の指揮で第1楽章「夜想曲」が開始され、解説通り、ヴィオラ首席の井上典子が民謡風のメロディーをひたすら繰り返す中、管楽器や打楽器が演奏に加わり、ちょっぴり悲し気な音楽を展開します さて、第2楽章「祭り」が威勢よく開始されると、途中でチェロを除く全員が立ち上がって演奏を始めました 9人のパーカッションはフル稼働です またしばらくすると、指揮台の井上が客席の方に向き直り「さあ、みんなも立ち上がってお祭りに参加しようぜ」と言いたげに挑発します。最初は手拍子でごまかしていた聴衆も、井上が地引網を手繰り寄せるような仕草を見せると、多くの人たちが新興宗教に引っかかったかのように立ち上がって手拍子を始めました 私の前列の人たちも立ち上がり人間の壁が出来てしまったので、ステージがまったく見えなくなってしまいました ステージで何が起こっているか見届けるためには自分も立つしか選択肢がありません ひと言でいえば、私も参加しました

激しいリズム中心の音楽が展開する中、指揮をとる井上は あろうことか譜面台を持ち上げて纏(まとい)のように振り回す暴挙に出ました 「凶器準備集合罪で逮捕しろ」「騒乱罪および騒乱教唆罪で検挙だ」「第3機動隊は何をしている」「自衛隊の出動を要請しろ」といった罵声が飛び交いそうな雰囲気の中、立ったまま演奏する楽員たちはノリノリ、聴いている聴衆は興奮の坩堝、会場内は制御不能、まるで山本リンダ状態です。もうどうにも止まらない

狂気の沙汰の演奏が終わると、会場内は拍手とブラボーと口笛が交差し、温度が5度ほど上昇しました(嘘です)。指揮の井上に至っては、出番が終わり控室で のんびりお茶でも飲んでいたであろう普段着の山根一仁君を引っ張り出してきて、無理やりカーテンコールに参加させました 事これに至って、会場は阿鼻叫喚、誰も井上の暴走を止めることは出来ません

というわけで、とても楽しいコンサートでした こういうのを聴衆参加型コンサートと言うのだと思いますが、井上道義という人は上手いですね、地引網を仕掛けるのが

 

     

 

次に午後2時15分からホールCで「公演番号M343」のコンサートを聴きました プログラムは①モーツアルト「交響曲第25番ト短調 K.183」、②ショスタコーヴィチ「室内交響曲」です 演奏は管弦楽=ロイヤル・ノーザン・シンフォニア、指揮=ラルス・フォークトです

自席は1階16列27番、センターブロック右通路側です

オケのメンバーを見渡すと、ホルン4人のうち2人は日本人女性です。レンタルしましたね フォークトとノーザンのコンビでは「第38番”プラハ”」を聴きましたが、彼はモーツアルトが好きなんでしょうね

1曲目のモーツアルト「交響曲第25番ト短調 K.183」は彼の交響曲の中で第40番とともにたった2つだけの短調の曲ですが、ともに傑作です この曲は1773年、モーツアルトが17歳の時に作曲されました 先日のブログにも書きましたが、この曲の冒頭の弦楽器によるシンコペーションは映画「アマデウス」の冒頭シーンで衝撃的に使われていました 第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「メヌエット~トリオ」、第4楽章「アレグロ」の4楽章から成ります

フォークトの指揮で第1楽章が開始されます。このオケを聴いて思うのはオーボエがとても上手いということです オーボエはオケの要と言われるので、オケが優れている証拠です フォークトはモーツアルトに相応しい軽快なテンポで音楽を進めます。弦楽器も美しい音色で演奏していました

2曲目はショスタコーヴィチ「室内交響曲」です この曲は「弦楽四重奏曲第8番」をルドルフ・バルシャイが弦楽オーケストラ用に編曲したものです 第1楽章「ラルゴ」、第2楽章「アレグロ・モルト」、第3楽章「アレグレット」、第4楽章「ラルゴ」、第5楽章「ラルゴ」の5楽章から成ります この楽章構成からも分かるように「ラルゴ」楽章(緩徐楽章)が3つもあります。これは原曲の標題「戦争とファシズムの犠牲者に捧ぐ」と無関係ではありません 全体的に沈鬱な曲想で、悲しさが漂います。楽章によって、コンマスをはじめ弦楽の首席奏者による独奏がありますが、それぞれが素晴らしい演奏でした 私は初めてこの曲を聴きましたが、この曲の良さは何回か繰り返し聴かないと分からないと思いました

4.5.6.のコンサートについては「その2」で書きます


     

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「ラ・フォル・ジュルネ TOKYO」第2日目(4日)のコンサート②リス+堤+ウラル・フィルのドヴォルザーク、クニャーゼフ+ベレゾフスキーのラフマニノフ、バーエワのコルンゴルトを聴く

2018年05月05日 08時28分07秒 | 日記

5日(土・祝)その2.よい子は「その1」から読んでね モコタロはそちらに出演しています

昨日、東京国際フォーラムでのコンサートを聴き終わってから 地下鉄で池袋に移動し、午後3時15分から東京芸術劇場コンサートホールで「ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2018」の「公演番号T213」のコンサートを聴きました プログラムはドヴォルザーク「チェロ協奏曲ロ短調」です 演奏はチェロ独奏=堤剛、管弦楽=ウラル・フィルハーモニー、指揮=ドミトリー・リスです

正直言って、このコンサートは どちらかというと、ドミトリー・リスの指揮姿が見たくてチケットを買ったようなもので、ソリストは誰でも良いのです 私が初めてドミトリー・リス+ウラル・フィルの演奏を聴いたのは、数年前のラ・フォル・ジュルネでラフマニノフの「交響曲第2番」を演奏した時でした そのスケールの大きさに圧倒され、それ以来、このコンビがL.F.Jで来日する時には必ず聴くようになりました

自席は1階0列13番、センターブロック左通路側です

1年ぶりに見るオーケストラですが、各セクションの首席を中心に何人かの顔は覚えています 弦の配置は左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、その後ろにコントラバスという編成です。他のオケが中編成なのに対し、ウラル・フィルは大編成です チェロが10挺、コントラバスが7挺と言えばその規模の大きさが想像できると思います

この曲はドヴォルザーク(1841-1904)がニューヨークに滞在していた1895年に完成しました。チェロ協奏曲では世界最高峰の作品です。第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アダージョ・マ・ノン・トロッポ」の3楽章から成ります

リスと堤剛がステージに登場し配置に着き、リスの指揮で第1楽章が開始されます 順調に演奏が進んでいきましたが、中盤でチェロが下降するところで、音程が急に怪しくなり、しばらく回復しませんでした 天下の堤剛氏にしては珍しい現象です。残念ながら、第2楽章の終盤でも怪しい音が鳴る場面がありました その都度、リス+ウラル・フィルの演奏に助けられていたと言えるでしょう ここ数年、堤氏の演奏は良くなっているな、と思っていただけに今回の演奏は残念な出来に終わりました その反面、リス+ウラル・フィルのソリストに寄り添ったダイナミックかつ繊細な演奏が光りました 彼らはいつでも期待を裏切りません

堤氏によるバッハの無伴奏のアンコールがあったようです

 

     

 

地下鉄有楽町線で池袋から有楽町に移動し、午後5時15分から東京国際フォーラム  ホールB7で「公演番号M225」のコンサートを聴きました プログラムは①ラフマニノフ「チェロ・ソナタ ト短調」、②同「ヴォカリーズ」です チェロ独奏=アレクサンドル・クニャーゼフ、ピアノ独奏=ボリス・ベレゾフスキーです

自席は15列30番、センターブロック右通路側です

1曲目はラフマニノフ「チェロ・ソナタ ト短調」です この曲は1901年に作曲されました。一度聴けば分かりますが、チェロとピアノは対等の関係にあります ところで、クニャーゼフとベレゾフスキーにはロシア出身という以外に共通点があります。それは、ともに1990年のチャイコフスキー国際コンクールで入賞しているということです クニャーゼフはチェロ部門で第2位、ベレゾフスキーはピアノ部門で優勝しています

この曲は第1楽章「レント~アレグロ・モデラート」、第2楽章「アレグロ・スケルツァンド」、第3楽章「アンダンテ」、第4楽章「アレグロ・モッソ」の4楽章から成ります

全体を聴いた印象は、ロマンティシズムの極致をいく演奏だということです とくに第3楽章は深い精神性を保ちながらロマンあふれる演奏で、深い感動を覚えます チェロとピアノは対等の立場だとは言うものの、やはりメロディーにおいてはチェロが主体となり、クニャーゼフは 揺るぎない技術に支えられながら美しい音楽を奏でます こういう演奏を聴くと、曲目は異なるものの 前の公演のチェロと比べてしまいます

2曲目はラフマニノフ「ヴォカリーズ」です この曲は1915年に作曲されましたが、元々は作品34の「歌曲集」の第14曲(最終曲)として出版されたものです ただただ静かに流れるチェロの美しい調べを聴いていると、精神が浄化されるようです こういうのを芸術というのでしょう。前の公演と違い、アンコールはありませんでした。見識です

 

     

 

この日最後は午後7時15分からホールCで、公演番号M246のコンサートを聴きました プログラムは①チャイコフスキー「イタリア奇想曲」、②コルンゴルト「ヴァイオリン協奏曲ニ長調」です ②のヴァイオリン独奏=アレーナ・バーエワ、管弦楽=クルージュ・トランシルヴァニア・フィルハーモニー管弦楽団、指揮=カスパル・ゼンダ―です

自席は1階16列24番、センターブロック右から4つ目です

1曲目のチャイコフスキー「イタリア奇想曲」は3日に同じメンバーにより聴いているので、当ブログの3日「その1」を参照してください

2曲目はコルンゴルト(1897-1957)の「ヴァイオリン協奏曲ニ長調」です この曲は第二次世界大戦が終結した1945年に作曲されました。名前にモーツアルトの名前の一部を持つエーリヒ・ウォルフガング・コルンゴルトは、モーツアルトのように「神童」ともてはやされましたが、ユダヤ系だったためアメリカに亡命し映画音楽を数多く作曲しました 

この曲は名ヴァイオリニスト、ハイフェッツによって1947年に初演されたものの、「時代遅れ」とこき下ろされ 評価されませんでした しかし、現在では20世紀を代表するヴァイオリン協奏曲としてなくてはならない存在になっています 第1楽章「モデラート・ノビレ」、第2楽章「ロマンツェ:アンダンテ」、第3楽章「フィナーレ:アレグロ・アッサイ・ヴィヴァーチェ」の3楽章から成ります

鮮やかなマリンブルーの衣装を身にまとったバーエワが登場し、譜面台を前にスタンバイします ゼンダ―のタクトで第1楽章が開始されます 冒頭からヴァイオリンが登場しますが、何小節目かで少し音が外れたような気がしました。が、すぐに持ち直し、その後は 確かな技術力で安定した演奏を展開しました   とくに第2楽章はヴァイオリンの音色が美しく、流麗な演奏が続きました   第3楽章に入ると、それまでの抑制された世界から解放されたかのように、躍動感にあふれた演奏を展開し聴衆を魅了しました

これで2日目のコンサートも終わり、残すところ本日の6公演のみとなりました 体力勝負なので、無理をしないで最後まで聴き通したいと思います

 

     

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「ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 」第2日目(4日)のコンサート①イ・ムジチのヘンデル他、ベレゾフスキー他のバルトーク、フォークト+ロイヤル・ノーザン・シンフォニアのモーツアルト「プラハ」

2018年05月05日 07時21分03秒 | 日記

5日(金・祝)。わが家に来てから今日で1311日目を迎え、ユネスコの世界文化遺産に「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が登録される見通しとなった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                   これで やっと隠れキリシタンも 堂々と世界で認められる よいしょ おらんしょっと

 

         

 

昨日「ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2018」第2日目の公演を聴きました この日聴いた6公演は次の通りです

1.公演番号M241 「イ・ムジチ合奏団」コンサート(9:30~ 東京国際フォーラム  ホールC)

2.公演番号M242 「ベレゾフスキー+ギンジン+安江佐和子+藤本隆文」公演(11:15~ ホールC) ①バルトーク「2台のピアノと打楽器のためのソナタ」、②ラフマニノフ「交響的舞曲(2台のピアノと打楽器版)」

3.公演番号M243 「ロイヤル・ノーザン・シンフォニア」公演(13:15~ ホールC)①モーツアルト:歌劇「ドン・ジョバンニ」序曲、②ストラヴィンスキー「弦楽のための協奏曲二調」、③モーツアルト「交響曲第38番”プラハ”」

4.公演番号T213 「ドミトリー・リス+堤剛+ウラル・フィル」公演(15:15~ 東京芸術劇場コンサートホール)①ドヴォルザーク「チェロ協奏曲ロ短調」

5.公演番号M225 「クニャーゼフ+ベレゾフスキー」公演(17:15~ ホールB7)①ラフマニノフ「チェロ・ソナタ ト短調」、②同「ヴォカリーズ」

6.公演番号M246 「バーエワ+クルージュ・トランシルヴァニア・フィル」公演(19:15~ ホールC)①チャイコフスキー「イタリア奇想曲」、②コルンゴルト「ヴァイオリン協奏曲ニ長調」

ここでは前半の1.2.3.について書くことにします

 

     

 

最初に午前9時半から東京国際フォーラム  ホールCで「公演番号M241 イ・ムジチ合奏団コンサート」を聴きました   プログラムは①リュリ:バレエ音楽「愛の勝利」より序曲、②ヘンデル「合奏協奏曲第1番ト長調」、③パーセル(ストコフスキー編):オペラ「ディドとエネアス」から「私が土の中に横たえられた時」(ディドの嘆き)、④エイヴィソン「合奏協奏曲第5番(原曲:スカルラッティ)、⑤ボッケリーニ「ピアノ五重奏曲ハ長調から第3楽章「マドリードの通りの夜の音楽」です

自席は1階16列27番、センターブロック右通路側です

LP時代に育ったクラシック・ファンにとって、イ・ムジチと言えばヴィヴァルディの「四季」を想起します 「イ・ムジチ」とは「音楽家たち」という意味ですが、ローマのサンタ・チェチーリア音楽院出身の12人により結成され、1952年に最初のコンサートを開きました 彼らはコンマスが代わるたびに新しい「四季」を録音し、これまで世界中で2500万枚のLP・CDを売り尽くしたと言われています LPやCDではお馴染みの演奏グループですが、私が彼らの演奏をライブで聴くのは今回が初めてです

メンバーは第1ヴァイオリン3、第2ヴァイオリン3、ヴィオラ2、チェロ2、コントラバス1、チェンバロ1という構成です 第2ヴァイオリンの紅一点の赤い衣装の女性が中心となり弓状に並びます

1曲目はイタリア生まれでフランス国籍を取得したリュリ(1632-1687)のバレエ音楽「愛の勝利」より序曲です コンマスがリードして音楽を進めますが、ヴィブラートをかけないなど、どうやら古楽器奏法で演奏しているようです

それは次のヘンデル(1685-1759)の「合奏協奏曲第1番ト長調」以降においても同様で、コンマスのアグレッシブなリードによって気持ち良いテンポで楽し気な音楽が進められます

3曲目のイギリス生まれのパーセル(1659-1695)作曲ストコフスキー編曲によるオペラ「ディドとエネアス」から「私が土の中に横たえられた時(ディドの嘆き)」は、一転 悲しみの音楽です   チェロとコントラバスによる静かな悲しみが迫ってきます

4曲目のイギリス生まれのエイヴィソン(1709-1770)による「合奏協奏曲第5番(原曲:スカルラッティ)」は、音楽を聴いていても ヴィヴァルディあるいはヘンデルと区別がつきません

最後の曲は、イタリア生まれのボッケリーニ(1743-1805)の「ピアノ五重奏曲ハ長調」から第3楽章「マドリードの通りの夜の音楽」です    この曲では、コンマスとチェロの対話、それをつなぐ合奏の対比が印象的で、音楽を「静」と「動」に区分すれば、対話の「静」と合奏の「動」との対比が鮮やかでした

会場いっぱいの拍手に、アンコールを演奏しましたが、言うまでもなく彼らの代名詞的な作品、ヴィヴァルディ「四季」から「夏」を演奏しました この楽章は映画音楽などでよく使われています

個人的なことを言えば、LP時代にはイ・ムジチの流麗な演奏に反発、私が愛聴盤として聴いていたのはカール・ミュンヒンガー指揮シュトゥットガルト室内管弦楽団による、いかにもドイツ的なゴツゴツした演奏でした

 

     

 

次に午前11時15分からホールCで「公演番号M242」のコンサートを聴きました プログラムは①バルトーク「2台のピアノと打楽器のためのソナタ」、②ラフマニノフ「交響的舞曲(2台のピアノと打楽器版)」です 演奏はピアノ=ロシア出身のボリス・ベレゾフスキー、同じくロシア出身のアレクサンドル・ギンジン、パーカッション=東京藝大非常勤講師・安江佐和子、東京藝大准教授・藤本隆文です 

自席は1階24列29番、右ブロック左通路側最後列です

ステージにはグランド・ピアノが2台ハの字型に並べられ、鍵盤が見えるように設置されており(演奏者は客席に背を向ける)、その間にパーカッションの楽器が置かれています 4人の演奏者が登場し配置に着きますが、ロシアの巨体2人と日本のやせ型2人の組み合わせのように見えます

1曲目はバルトーク(1881-1945)の「2台のピアノと打楽器のためのソナタ」です この曲は1937年、バルトークが56歳の時に作曲されました。第1楽章「アッサイ・レント」、第2楽章「レント、マ・ノン・トロッポ」、第3楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」の3楽章から成ります 

全体を聴いて気が付いたのは、ピアノとパーカッション(ティンパニ、スネアドラム、大太鼓、シンバル、トライアングル、タンバリン他)とが対等の立場で演奏しているということです どちらがメインでどちらがサブか、という区分はありません。すべての楽器が主役です 2人の巨体ピアニストの卓越した演奏はもちろんのこと、2人の日本人演奏家の演奏がとても素晴らしいと思いました まさにピアノと対等の立場で演奏していました

2曲目はラフマニノフ(1873-1943)が亡命先のアメリカで1940年に作曲した「交響的舞曲(2台のピアノと打楽器版)」です 第1楽章「ノン・アレグロ」、第2楽章「アンダンテ・コン・モト」、第3楽章「レント・アッサイ」の3楽章から成ります

全曲を通して聴く限り、1曲目のバルトークとは異なり、あくまでもピアノがメインで打楽器はサブです また、バルトークがリズム主体の音楽だったのに対し、ラフマニノフには美しいメロディーがあります とくに第2楽章における抒情的なメロディーはラフマニノフらしいロマンに満ちた曲想で、心に沁み込みました


     

 

次いで午後1時15分からホールCで「公演番号M243」のコンサートを聴きました プログラムは①モーツアルト:歌劇「ドン・ジョバンニ」序曲、②ストラヴィンスキー「弦楽のための協奏曲二調」、③モーツアルト「交響曲第38番”プラハ”」です 演奏は管弦楽=ロイヤル・ノーザン・シンフォニア、指揮=ラルス・フォークトです

自席は1階21列16番、左ブロック右通路側です

指揮者とオケについては3日「その2」のブログで紹介しているので省略します

1曲目はモーツアルトの歌劇「ドン・ジョバンニ K.527」の序曲です モーツアルト(1756-1791)はプラハで上演された歌劇「フィガロの結婚」が大好評だったことから、1787年に愛好家協会の招聘により当地を訪れました。その時に新作オペラの作曲を依頼されて書いたのが「ドン・ジョバンニ」でした この序曲は、モーツアルトがお酒を飲んで妻のコンスタンツェとおしゃべりしながら一晩で書き上げたというエピソードが残っています フォークト+ロイヤル・ノーザン・シンフォニアの演奏はこの曲のデモーニッシュな側面をよく捉えていました

2曲目はストラヴィンスキー(1882-1971)の「弦楽のための協奏曲二調」です この曲は1946年にアメリカで作曲されました。協奏曲という名前が付いていますが特定の楽器がソロで活躍するわけではありません 第1楽章「ヴィヴァーチェ」、第2楽章「アリオーソ:アンダンティーノ」、第3楽章「ロンド:アレグロ」の3楽章から成ります 

ストラヴィンスキー特有の変化に満ちた曲想で、弦楽器群が渾身の演奏を展開しました

3曲目はモーツアルト「交響曲第38番ニ長調K.504」です この曲は モーツアルトがプラハを訪問した際に、現地の演奏会で初演されましたが、地名に因んで「プラハ」のニックネームで呼ばれています 第1楽章「アダージョ~アレグロ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「プレスト」の3楽章から成ります 通常、交響曲は4楽章から構成されますが、この曲は「メヌエット」楽章がありません その理由は分かっていません

フォークトはタクトを使用しません。両手で音を紡いでいきます。彼の指揮ぶりを見ていると「紡ぐ」というよりむしろ音を「摘んでいく」というのが相応しいかもしれません このオーケストラはオーボエ、フルート、ファゴットといった木管楽器群が優れています。フォークトのテンポ設定は最適です

モーツアルトの交響曲と言うと、オーケストラの演奏会で取り上げられるのは第39番、第40番、第41番と第25番くらいで、なぜか第38番は有名な割には生で演奏される機会が少ないのが不満です 理由は良く分かりませんが、もっと取り上げてほしいと思います

4.5.6.のコンサートについては「その2」に書きます

 

     

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「ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2018」第1日目(3日)のコンサート②フォークト+ロイヤル・ノーザン・シンフォニアの「太鼓連打」「古典」、ケフェレック+ヴァルソヴィアのバルトーク「第3番」

2018年05月04日 08時20分54秒 | 日記

4日(金・祝)その2.よい子は「その1」から読んでね モコタロはそちらに出演しています

池袋でのコンサートが終了したのが14:51でした。次のコンサートは有楽町で15:30開演です。移動のために許される時間は39分です この日の午前の経験から35~40分で間に合うはずです。ということで最大限に急いで有楽町に向かいました その結果、有楽町の東京国際フォーラム・ホールCに着いたのは15:25でした。計算通り間に合いました

「公演番号M144」のコンサートを聴きました 自席は1階16列27番、センターブロック右通路側です。プログラムは①プロコフィエフ「交響曲第1番ニ長調”古典”」、②ハイドン「交響曲第103番変ホ長調”太鼓連打”」です 管弦楽はイギリスのロイヤル・ノーザン・シンフォニア、指揮はドイツ出身のプア二ストで同オケの音楽監督、ラルス・フォークトです

 最初に、指揮をとるラルス・フォークトがマイクを持って登場し、カンペを見ながら拙い日本語で「皆さん、こんにちは。本日のプログラムの順番を変更します。最初にハイドンを演奏します。お楽しみください」とアナウンスを行い、やんやの喝采を受けました

ということで1曲目はハイドンの「交響曲第103番」です この曲は長年仕えたエステルハージ家を”円満退職”したハイドン(1732-1809)が ロンドンの興行主ザロモンの招きでロンドンに行った際に作曲された作品の一つで、「太鼓連打」というニックネームで呼ばれています これは、この曲がティンパニのソロの連打で開始されるところから付けられたものです。第1楽章「アダージョ」、第2楽章「アンダンテ・ピゥ・トスタ・アレグレット」、第3楽章「メヌエット~トリオ」、第4楽章「フィナーレ:アレグロ・コン・スピリト」の4楽章から成ります

フォークトの指揮で第1楽章がティンパニの連打で開始されますが、固めのマレットで叩かれるティンパニが心地よく会場に響きます 演奏中に人の声がするので何かな?と耳を傾けてみたら、フォークトが曲のメロディーを口ずさみながら指揮をとっているのでした てっきりフォークト・ソングでも歌っているのかと思いました 第2楽章ではオーボエが活躍しますが、前の公演で聴いたルーマニアのオケのオーボエとまったく違う音色でビックリしました どちらかというと、こちらのイギリスのオケの方が”潤い”があり技術的にも優れているように思いました これはオーボエに限らず、管楽器群、弦楽器群全般に言えることで、「イギリス唯一の常設の室内オーケストラ」を標榜するロイヤル・ノーザン・シンフォニアの方がランクが上のような気がしました

2曲目はプロコフィエフ「交響曲第1番」です この曲はプロコフィエフ(1891-1953)がハイドンの様式を基にして1916~17年に作曲した作品です 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「ラルゲット」、第3楽章「ガボット:ノン・トロッポ・アレグロ」、第4楽章「フィナーレ:モルト・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

第1楽章ではフルートとオーボエが素晴らしく、第2楽章では 弦楽器が繊細で美しい音色を奏でていました 第4楽章は「オケのおしゃべり」とでも名付けたくなるような賑やかな曲想で、木管群を中心に早口言葉のように猛スピードで駆け抜けます プロコフィエフ特有のセンスを感じます。圧巻の演奏でした

 

     

 

次いで、午後7時半からホールCで「公演番号M146」のコンサートを聴きました プログラムは①パデレフスキ「序曲」、②バルトーク「ピアノ協奏曲第3番」です ②のピアノ独奏=アンヌ・ケフェレック、管弦楽=ポーランドのシンフォニア・ヴァルソヴィア、指揮=マカオ出身の若手指揮者リオ・クォクマンです

自席は1階16列25番、センターブロック右から3つ目の席です オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、その後ろにコントラバスという編成です

1曲目はパデレフスキ「序曲」です パデレフスキ(1860-1941)はポーランドの首相も務めたことのある人で、「序曲」は1884年、パデレフスキが24歳の時に作曲されました ポーランドへの祖国愛を歌ったような曲想です

2曲目はバルトーク「ピアノ協奏曲第3番」です この曲はバルトーク(1881-1945)が妻ディッタが演奏することを想定して1945年に亡命先のアメリカで作曲した作品です バルトークは最後の数小節を残して白血病のため他界したので、この曲が白鳥の歌となりました 第1楽章「アレグレット」、第2楽章「アダージョ・レリジオーソ」、第3楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」の3楽章から成ります

リオ・クォクマンとともにケフェレックが登場します。今度は、黒地に赤のバラを配したワンピースでの登場です

第1楽章冒頭でケフェレックのピアノが打ち鳴らされると、会場の空気が一変します。一瞬のうちにバルトークの世界が開けています 第2楽章冒頭はオケによる演奏が続きますが、鍵盤に対峙し出番を待つケフェレックの姿を見ていて、まるで10代か20代の少女のようだな、と思いました 彼女の周囲をよく見ると、照明は彼女の背面から当てられていて、顔がはっきりと見えないことに気が付きました。通常は、ピアニストの前後、あるいは頭上から照明を当てると思いますが、彼女の場合は背面からのみ当てているのです これは本人の希望によるものなのか、あるいは周囲のアドヴァイスによるものなのかは分かりませんが、ミステリアスな雰囲気を醸し出していました

第3楽章はオケの奮闘も相まって情熱的な演奏が展開しました

ケフェレックはアンコールに、ヘンデル(ケンプ編)の「メヌエット」を演奏し、聴衆のクールダウンを図りました

 

     

      フォーラム近くの新東京ビルのロビーでは キンキラのピアノが弾かれていました

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