27日(火).昨夕,自宅で長男の満21歳のバースデー・パーティーを開きました.シャンパンで乾杯して料理をいただきました 普段お酒は飲まない長男ですが,この日ばかりは一杯だけ飲みました
食後,ケーキにロウソクを立てて,主役が願い事を思い浮かべながら一気に火を消しました
さて,何を願ったのかは本人のみぞ知る,ですが,親としては取りあえず無事に大学を卒業してほしいと思います
閑話休題
道尾秀介著「光媒の花」(集英社文庫)を読み終わりました 道尾秀介の作品はこのブログでも何度かご紹介しました.この作品は2007年4月から2009年3月まで「小説すばる」に6回に分けて掲載された「連作短編集」で,第23回山本周五郎賞を受賞しました
第1章「隠れ鬼」,第2章「虫送り」,第3章「冬の蝶」,第4章「春の蝶」,第5章「風媒花」,第6章「遠い光」の6つの短編小説から成ります いずれの作品にも白い蝶が登場し,それぞれの主人公たちの人生の光と影を見守っています
認知症の母と二人で暮らす印章店の男の遠い夏の思い出,幼い兄妹が夜の河原で犯した罪,小学校の同級生の女子を窮地から救うため少年が口にした約束,母親へのわだかまりを解消しようとする青年の葛藤,母親の再婚を前に事件を起こす少女と彼女の心に寄り添おうとする女教師,それぞれの人生模様が美しい文章表現で展開します
この小説に「赤とんぼ」の歌が出てきます 私は「夕やけこやけの赤とんぼ 追われてみたのは いつの日か」と覚えていましたが,この小説で「追われて」ではなく「負われて」だと教えられました.つまり「姐やに背負われて赤とんぼを見たのはいつの日だったか」という意味だと.また,「十五で姐やは嫁に行き」というのは「姉が15歳の時に嫁に行ったのか」あるいは「私が15歳の時に姉が嫁に行ったのか」と疑問を投げかけています.この作品にはそんな魅力もあります.道尾秀介にハズレはありません
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