30日(金)。昨夕から今朝にかけて、息子が実験レポート作成のため徹夜でパソコンを使用していたため、今朝ブログがアップできませんでした まじめにやっている後ろ姿に「1時間だけ使わせろ」とも言えないので、諦めました したがって、昼休みに書いている次第です
閑話休題
昨夕、上野の東京藝大奏楽堂で藝大学生オーケストラの第50回演奏会を聴きました プログラムは①ニコライ「喜歌劇『ウィンザーの陽気な女房たち』序曲」、②ショスタコーヴィチ「チェロ協奏曲第1番変ホ長調」、③プロコフィエフ「交響曲第5番変ロ長調」です。指揮は同大教授・澤和樹、②のチェロ独奏は同大准教授・中木健二です
全自由席とあって、開場の午後6時半には長蛇の列が出来ていました。とは言うものの学生だけのオケとあってか会場の入りはほぼ7割位です 自由席なので1階15列13番、センターブロック左通路側を押さえました
オケのメンバーが登場します。総勢70人弱といったことろですが、女性が多く、男1対女2.5の割合です。珍しくコンマスは男性です オケは、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、その後ろにコントラバスといった態勢をとります
1曲目はニコライの喜歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲です。このオペレッタは、ご存知の通りヴェルディの「ファルスタッフ」と筋書きが同じです。太った酒飲みのファルスタッフが2人の女性にラブレターを送って騙し、金を得ようとしますが、陰謀に気づいた女性たちに仕返しをされるというお笑いの物語です
序曲はチェロとコントラバスの長閑なメロディーで始まりますが、そのうちこのオペラに相応しい楽しげで楽観的なメロディーに変わります
名刺代わりの序曲が終わり、2曲目のショスタコーヴィチ「チェロ協奏曲第1番」の演奏のため、オケの規模が縮小されます。チェリストのために、指揮者の隣のスペースにチェリスト用の台が設置されます 2010年からフランス国立ボルドー・アキテーヌ管弦楽団首席奏者を務める中木健二が登場、スタンバイします
第1楽章は作曲者自身が「おどけた感じの行進曲」と呼んでいる通りの曲想で、聴いていてMETライブビューイングで観たショスタコーヴィチのオペラ「鼻」を思い出しました
第2楽章はゆったりした曲想で、唯一の金管楽器ホルンの音色が美しく響きます。第3楽章はチェロの独奏によるカデンツァです。中木のチェロは鋭くショスタコーヴィチに切り込んでいました
第4楽章は第1楽章冒頭のメロディーが再度登場し、最後は圧倒的な迫力でフィナーレを迎えます
休憩後のプロコフィエフ「交響曲第5番」は、第二次世界大戦中の1944年に作曲されました。当時ソヴィエトはナチス・ドイツと闘っていましたが、プロコフィエフは「お国のために」作品番号100番のこの曲を作曲したと言われています
第1楽章はフルートとファゴットのゆったりとした第1主題から始まりますが、プロコフィエフ特有の、次第に規模が大きくなって壮大な曲想に転換していきます
第2楽章は軽快かつおどけた曲想の音楽が展開します 第3楽章は一転、抒情的な曲想が続きます。そして間を空けることなく第4楽章に入ります。ほとんど戦争に勝ったかのような喜びに満ちた曲想で、大団円を迎えます
息子と同じ年代の学生たちの真摯な演奏姿を見ていると、心情的に応援したくなります 良かったですよ、皆さん
も一度、閑話休題
プログラムに東京藝大主催のコンサートのチラシが挟まれていたのでご紹介します 会場はいずれも上野の東京藝大奏楽堂です
最初は7月1日(火)午前11時からの「学生オケ・プロムナードコンサート」です。プログラムは①ドヴォルザーク「交響詩”真昼の魔女”」、②ブラームス「交響曲第3番ヘ長調」で、藝大特別招聘教授ペーター・チャバ指揮東京藝大シンフォニーオーケストラ。入場無料です
2つ目は6月13日(金)午後7時から開かれる「藝大フィルハーモニア定期演奏会」です プログラムは①ヴォーン・ウィリアムズ「タリスの主題による幻想曲」、②ディーリアス「歌劇”村のロメオとジュリエット”より”楽園への道”」、③ウォルトン「交響曲第1番変ロ短調」です。指揮は尾高忠明。全自由席で3,000円です
3つ目は6月21日(土)午後3時から開かれる「藝大チェンバーオーケストラ第23回定期演奏会」です プログラムは①エルガー「序奏とアレグロ」、②オネゲル「交響曲第2番」、③ワーグナー「ジークフリート牧歌」、④モーツアルト「交響曲第41番”ジュピター”」です。指揮は尾高忠明。全自由席1,500円です
学生のオーケストラだと言って、バカにしてはいけません。このオケは別府アルゲリッチ音楽祭などにも招待されて演奏しています
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