30日(金)。わが家に来てから125日目を迎えた、横顔がステキと女性に人気のモコタロです
いやーてれちゃうなー 毎日出番で・・・・・・
閑話休題
28日の日経夕刊文化欄に「明快な指揮、世界が追随 デビュー50年 齋藤メソッドを継承」の見出しにより指揮者・秋山和義氏が取り上げられていました 秋山氏は1940年東京生まれ。指揮者・齋藤秀雄氏のもとで小澤征爾、山本直純らと指揮法を学びました。記事によると
秋山氏は客員として北米の40か所ほどの楽団で指揮をしたが、「どこでその指揮を習ったのか」と行く先々で聞かれた。「日本のサイトウという先生から学んだ」と言うと、「あなたのやりたいことは棒を見ただけですぐ分かる」とよく言われた 欧州では言葉で説明する比率の高い指揮者がいる。だが、指揮者は手に持つ棒と身体のアクションで音楽を表現し、楽員に伝えるべきだ。「話はいいから振ってくれ」と思う楽団員は多い 齋藤メソッドはそんな具体的な指揮の動きを体系的に教えてくれた。その指揮法は日本の管弦楽団の演奏水準を高めたし、世界にも広まっている」
斎藤秀雄という人は世界に通用する指揮法を確立し、世に広めた偉大な指揮者だったことがあらためて分かります かつて山本直純が小澤征爾に「お前は世界の頂点を目指せ。おれは底辺を広げる」と言ったと、どこかで読みました 実際その通り、山本直純は「大きいことはいいことだ」と言って一般大衆の前に指揮棒を持って現われテレビ番組「オーケストラがやってきた」でクラシック音楽を大衆に広め、小澤征爾はボストン交響楽団で30年近くも音楽監督を務め、最後にはウィーン国立歌劇場管弦楽団の音楽監督まで登りつめました 齋藤秀雄がいなければこの二人の、そして秋山和慶の活躍はなかったでしょう
閑話休題
昨夕、初台の新国立劇場で新国立オペラ、ヨハン・シュトラウスの喜歌劇「こうもり」を観ました キャストはアイゼンシュタインにアドリアン・エレート、ロザリンデにアレクサンドラ・ラインブレヒト、フランクにホルスト・ラムネク、オルロフスキー公爵にマヌエラ・レオンハルツベルガー、アルフレードに村上公太、ファルケ博士にクレメンス・ザンダー、アデーレにジェニファー・オローリン、ブリント博士に大久保光哉、フロッシュにボリス・エダ―、イーダに鷲尾麻衣ほかです。指揮はアルフレート・エシュヴェ、オケは東京交響楽団、合唱は新国立劇場合唱団、演出はハインツ・ツェドニクです
ハインツ・ツェドニクの演出でこのオペレッタを観るのは、2006年6月14日、2009年1月27日、2011年12月1日に次いで今回が4回目です ウィーン生まれのアルフレート・エシェヴェ指揮東京交響楽団により軽快な序曲が始まります。オペレッタの序曲は理屈抜きで楽しめます
この喜歌劇の舞台はウィーンとばかり思い込んでいましたが、プログラムに寄せた吉野忠彦氏の「バーデン 音楽・歴史紀行」によると、「台本では、ある大都市の近郊の温泉地となっているので、ウィーン近郊のバーデンかザルツブルク近郊のバート・イシュルであろうと考えられる。さらにこの復讐劇が起きたのが大晦日であることを加味すれば、夏の避暑地ではないものと推測され、バーデンと思われる」と書かれています。目からウロコでした
さて、この喜歌劇の物語は
「アイゼンシュタインは顧問弁護士の不手際で禁固刑を受けて憤慨している しかし、悪友のファルケに誘われ、妻ロザリンデには刑務所に出頭すると偽り、変装してオルロフスキー公爵邸のパーティーに出かける。そこで仮面を付けた美女を自分の妻だとは気づかず口説きにかかるが、まんまと時計を奪われてしまう 翌朝、刑務所に出頭したアイゼンシュタインは、元の恋人と一緒にいる妻ロザリンデの浮気を疑うが、逆に自分が浮気をしていた証拠の時計を見せられ逆襲される そこへ復讐劇の仕掛け人ファルケが登場し『すべてはシャンパンのなせる業』と言って大団円を迎える」
アイゼンシュタインを歌ったウィーン生まれのエレートは2011年の時も同じ役を歌い演じましたが、歌が上手いだけでなく身のこなしが軽快でオペレッタに適役です ロザリンデを歌ったウィーン出身のラインブレヒトは、第2幕でハンガリーを想って歌うチャルダーシュをはじめとして、美しくも力強い歌声を聴かせてくれました
刑務所長フランクを歌ったウィーン出身のラムネクはとぼけた演技が光っていました オルロフスキー公爵を歌ったオーストリア出身のレオンハルツベルガ―は資産が有り余っている退屈な公爵を見事に演じ、歌いました
復讐の仕掛け人ファルケ博士を演じたオーストリア出身のザンダーは明るいバリトンで聴衆を魅了しました アデーレを演じたアメリカ出身のオローリンは、アイゼンシュタイン家の女中と舞踏会での女優の役を見事に演じ分け、見事に歌い上げました
日本人で光っていたのはロザリンデの昔の恋人アルフレードを歌った村上公太です。能天気なテノール歌手を素晴らしい歌声で表現していました
個人的に少し物足りなかったのは刑務所の牢番フロッシュ役のウィーン出身のボリス・エダーです 一言で言えば、この役を演じるには若すぎるというところでしょうか 1曲も歌うことなく、独白と会話のみで人の心を掴み、笑わせなければなりません。人を泣かせるのは簡単ですが、人を笑わせるのは大変です
牢獄からアルフレードを解放したフロッシュが、牢獄の中で始終歌っていたアルフレードに「おまえの職業は何だ?」と訊くと「新国立劇場の歌手です」と言って笑いを取りますが、それを受けて、フロッシュが気の毒そうな顔をしながらポケットから札束を抜いてアルフレードに手渡します ここで会場は爆笑するところです。つまり「新国立劇場の歌手だって?そんなに貧乏しているのか。気の毒に」という気持ちで札束を手渡すシーンだからです。2011年の時は大爆笑でしたが、今回は外しました ちょっとした間合いの問題だと思いますが、あるいは、今回の聴衆はそのユーモアのセンスを理解できなかったのでしょうか
とにかくオペレッタは理屈抜きに楽しい 中でも「こうもり」は最高峰です いまこれを書いている最中も、序曲と第2幕で演奏されるポルカ「雷鳴と電光」のメロディーが頭の中をグルグル回っています 山本リンダではないけれど「どうにも止まらない」状態です 昨夜の終演はカーテンコールを含めて午後10時10分を回っていました。明らかに睡眠不足ですが、気分は高揚したままです
閑話休題
昨日聴いたCDはドヴォルザーク「ヴァイオリン協奏曲」です。演奏はヴァイオリン=チョン・キョンファ、リッカルド・ムーティ指揮フィルハーモニア管弦楽団です ドヴォルザークの協奏曲と言えば「チェロ協奏曲」しか聴いたことがないという人も、この曲の冒頭の堂々たるメロディーを聴けば一度で気に入ると思います。この曲は明日、読売日響で聴くので、その予習です
「こうもり」、序曲は初日にはそれほど硬さは感じませんでした。帽子ネタはあまり受けていたとは言えません。演技力の問題だと思います。魔笛のパクリは私も日本語でない方が良かったと思います。それと、日本での公演でフロッシュが飲んでいるのは必ず「ショーチュー」ですね。これも日本的なお酒ということでそうなるのでしょうが、他に無いんですかね??
「デア梅酒、うめえ」に酔いました。座布団3枚あげます