人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

藤岡幸夫 ✕ 福間洸太朗 ✕ 東京シティ・フィルでリスト「ピアノ協奏曲第2番」、ヴォーン・ウィリアムズ「交響曲第2番”ロンドン交響曲”」他を聴く~第370回定期演奏会

2024年05月12日 00時02分55秒 | 日記

12日(日)その1.わが家に来てから今日で3407日目を迎え、ロシアは9日、首都モスクワの「赤の広場」で、プーチン大統領以下、政府や軍の要人が参列して、第2次世界大戦の対ドイツ戦勝を記念した軍事パレードを実施したが、戦車については冒頭に保存車両のT-34-85を1両出しただけで、最新型と言われるT-14はもちろん、現用のT-72やT-90も一切登場しない寂しいものとなった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     戦車はウクライナ東部戦線で使ってるから在庫がない 1年後には戦車ゼロじゃね?

 

         

 

昨日、午後2時から東京シティ・フィル「第370回 定期演奏会」を、午後6時からNHK交響楽団「5月度Aプログラム」公演を聴きました ここでは東京オペラシティコンサートホールで開かれた東京シティ・フィル「第370回 定期演奏会」について書きます

プログラムは①ディーリアス「夜明け前の歌」、②リスト「ピアノ協奏曲第2番 イ長調」、③ヴォーン・ウィリアムズ「交響曲第2番 ”ロンドン交響曲”」です 演奏は②のピアノ独奏=福間洸太朗、指揮=藤岡幸夫です

 

     

 

オケは12型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという並び。コンマスは戸澤哲夫です

1曲目はディーリアス「夜明け前の歌」です    この曲はフレデリック・ディーリアス(1862-1934)が1918年にイギリスの詩人スウィンバーンの詩から霊感を得て作曲、1923年にロンドンで初演されました

ディーリアスは大好きな作曲家の一人です この作品は滅多に演奏されないので待望のチャンスです

藤岡の指揮で演奏に入りますが、ディーリアス特有の、どこか懐かしさを感じさせる音楽が繰り広げられます オーボエの抒情的なソロが素晴らしく、弦楽器のアンサンブルが美しく響きました

2曲目はリスト「ピアノ協奏曲第2番 イ長調」です   この曲はフランツ・リスト(1811-1886)が1839年に作曲、その後数度の改訂を経て、1857年にワイマルでリストの指揮により初演されました  単一楽章の曲で、「アダージョ・ソステヌート・アッサイ」~「アレグロ・アジタート・アッサイ」~「アレグロ・モデラート」~「アレグロ・デチーソ」~「マルツィアーレ、ウン・ポーコ・メノ・アレグロ」という流れで演奏されます

リストはピアノ協奏曲を2曲作曲していますが、第1番が有名で、第2番は滅多に演奏されません その意味では今回は貴重な機会です

ピアノ独奏の福間洸太朗は、20歳でクリーヴランド国際コンクールで日本人で初の優勝とショパン賞を受賞 国内外のオーケストラと共演を重ねています

福間がピアノに向かい、藤岡の指揮で演奏に入ります 馴染みの薄い曲想なのでメロディーを追うのが大変でしたが、リストらしい超絶技巧を極めた演奏困難な曲想です 福間は繊細な演奏を展開したかと思えば、速く激しいパッセージでは大胆素敵な演奏を繰り広げ、聴衆を魅了しました 「アレグロ・モデラート」では首席チェロの大友肇のソロが福間の演奏に華を添えました 最後の「アレグロ・アニマート」では、福間は藤岡 ✕ 東京シティ・フィルの確かなサポートのもと、渾身の演奏で力強いフィナーレを飾りました

満場の拍手に福間は、フォーレ「3つの無言歌」から第3番をロマンティックに演奏、再び大きな拍手に包まれました

 

     

 

プログラム後半はヴォーン・ウィリアムズ「交響曲第2番 ”ロンドン交響曲”」です   この曲はレイフ・ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958)が1912から13年にかけて作曲、1914年3月にロンドンで初演されました   第1楽章「レント ~ アレグロ・リゾルート」、第2楽章「レント」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「フィナーレ:エピローグ:アンダンテ・コン・モート ~ マエストーソ・アラ・マルチャ(クアジ・レント) ~ アレグロ」の4楽章から成ります

音楽評論家・柴田克彦氏のプログラム・ノートによれば、この曲は「一般的に、ロンドンの雰囲気や情景を描いた音詩的な交響曲と捉えた方が分かり易い」とのことです また、ヴォーン・ウィリアムズは各楽章に以下のような標題的な説明を残しているとしています

第1楽章:テムズ河畔の夜明けを思わせる静かな序奏で開始 やがてハープがビッグ・ベンの鐘を模倣する 次いで朝の喧騒が始まり、複数の主題に基づく賑やかな音楽が続く。一旦静まるも喧騒が戻って終結

第2楽章:霧のロンドンを思わせる精妙な緩徐楽章 イングリッシュホルンが「ミステリオーソ」と指示された主題を奏で、後にヴィオラ独奏が新たな主題を加える

第3楽章:様々な楽想が軽妙に飛び交いながら、夜の賑わいが描かれる

第4楽章:短い導入部に続いて、(失業者の?)行進が始まり、やがてテンポを上げて不協和音を交えた力強い音楽となる 「エピローグ」と記された最終部分は、第1楽章の序奏同様の音調となり、静かに閉じられる

演奏を聴くにあたり、作曲者のこの説明にとらわれる必要はありませんが、参考にはなります

実は本公演を聴くにあたり、サー・エードリアン・ボールト指揮ロンドン・フィルによるCDを何度も聴いて予習しておいたのですが、いまいちすんなりと頭に入ってきませんでした しかし、この日の藤岡氏のプレトークとこのプログラム・ノートが、理解の大きな手助けとなり、演奏の内容が分かるようになりました

 

     

 

第1楽章では、ハープによるビッグ・ベンの鐘が聴こえてきたし、朝の喧騒が始まる部分はミュージカル「オペラ座の怪人」でパクられたというのも理解できました 演奏では第2楽章におけるイングリッシュホルンとホルンの演奏が素晴らしかった また、ヴィオラのトップ(女性客演奏者)の抒情的なソロがしみじみと素晴らしい演奏でした 第4楽章では戸澤コンマスのソロが冴えていました

イギリス音楽中心のコンサートでしたが、英国音楽を得意とする藤岡氏の指揮による演奏は、プレトークも含めて、あらためて素晴らしいと思いました これからもディーリアスを取り上げてほしいし、ウォルトンも演奏してほしいと思います

終演は16時5分頃でした。地下鉄新宿線 ⇒JR山手線乗り継ぎで原宿まで出て、NHKホールに向かいました    NHK交響楽団「5月度Aプログラム」演奏会については「その2」に書きます。是非ご訪問ください


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