21日(金)。わが家に来てから今日で2840日目を迎え、欧州議会は19日、優れた人権擁護活動を讃える今年の「サハロフ賞」の受賞者として、ウクライナ国民を選んだと発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
他国の領土を見るとロシアの陣地だと よだれを垂らすプーチンは パブロフ賞だな
昨日、夕食に「豚の生姜焼き」「生野菜とアボカドと海老のサラダ」「筑前煮」「エノキダケの味噌汁」を作りました 生姜焼きは久しぶりですが、美味しく出来ました
昨夜、サントリーホールで東京フィル「第976回サントリー定期シリーズ」公演を聴きました プログラムはヴェルディ:歌劇「ファルスタッフ」(リコルディ版:オペラ演奏会形式)です 出演はファルスタッフ=セバスティアン・カターナ、フォード=須藤慎吾、フェントン=小堀勇介、カイウス=清水徹太郎、バルドルフォ=大槻孝志、ピストーラ=加藤宏隆、アリーチェ=砂川涼子、ナンネッタ=三宅理恵、クイックリー=中嶋郁子、メグ=向野由美子、合唱=新国立劇場合唱団、指揮=チョン・ミョンフン(東京フィル名誉音楽監督)です
歌劇「ファルスタッフ」はジュゼッペ・ヴェルディ(1813ー1901)がシェイクスピアの「ウィンザーの陽気な女房たち」と「ヘンリー4世」の一部を基に、アッリーゴ・ボーイトの台本により1890年から1892年にかけて作曲、1893年にミラノ・スカラ座で初演されたヴェルディ晩年の喜劇です
物語は、ウィンザーの町に住む放蕩で酒飲みで肥満した老騎士ファルスタッフは、年がいもなく2人の夫人に同時に同じラブレターを書くが、2人は示し合わせて彼を散々に懲らしめるという内容です
演奏会形式のため オケはステージ上の奥に陣取ります 弦は左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの東京フィルの並び。コンマスは近藤薫です
歌手陣はオケの手前のスペースで演技をしながら歌うことになります また、合唱は出番になると2階P席に入ります。指揮台の下手に長椅子、椅子、テーブルが置かれただけのシンプルな舞台です。演奏会形式の舞台装置や演出は「シンプル・イズ・ベスト」です
【注:ここからは演出上の内容が書かれています。これから観る方で、先入観なしで鑑賞したい方は、読まないようにすることをお勧めします】
下手からファルスタッフと従者が登場し、上手からは、何と前掛け姿のチョン・ミョンフンが箒を持って登場、指揮台や周囲を掃き始めます この箒は第1幕第1部の最後にファルスタッフが2人の従者を叩き出すときに使います つまり指揮者は小道具係でもあるわけです 箒を放棄し 代わりにタクトを握り、前掛けを外して演奏に入ります ファルスタッフが歌うと、指揮者とオーケストラ全員が歌に合わせて手拍子をしたり(ソーラン節でも始まるかと思った)、歌が終わると盛大に拍手をしたりと、オケのメンバーも演奏だけしていれば良いという安直な方針は採られません でも、皆すごく楽しそうです 第2幕以降も、チョン・ミョンフンのアイディアと思われる様々な仕掛けが炸裂し、聴衆の笑いを誘います
私がこれまで観てきた「オペラ演奏会形式」は(喜劇でないこともあってか)指揮者は本業に専念し、オケのメンバーも小中学校のスローガンのように「明るく正しく強く」真面目に演奏していれば良かったのですが、今回の公演は喜劇ということで、チョン・ミョンフンが”演出家”として一肌脱いだようです その狙いは見事に当たり、メリハリの効いた音楽づくりと相まって、最後まで飽きさせない楽しい演奏を展開しました 歌手だけでなくステージ上の全員がオペラの出演者という新機軸により、チョン・ミョンフン ✕ 東京フィルは「オペラ演奏会形式」に新境地を切り開いたと言えるでしょう
歌手陣では、主役のファルスタッフを歌ったセバスティアン・カターナはルーマニア出身のバリトンですが、体格からしてファルスタッフその人で、歌唱力も演技力も頭抜けていました アリーチェを歌った砂川涼子は新国立オペラの常連ですが、何を歌っても素晴らしく、今回も美しいソプラノを聴かせてくれました ナンネッタを歌った三宅理恵は高音がとても綺麗で歌唱力も素晴らしい 今回特に素晴らしいと思ったのはクリックリーを歌った中島郁子です。良く声が通り、演技力も抜群でした 一人ひとり挙げていったらきりがないので、この辺にしておきますが、歌手陣はいずれも適材適所で、演技力も含めて素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました
満場の拍手とスタンディングオベーションに、セバスティアン・カターナがチョン・ミョンフンに、指を1本立てて、「もう一度ラストを歌おうぜ」と呼びかけ、10人のソロと合唱で「世の中はすべて冗談」がアンコール演奏され、最後はオケのメンバー全員が演奏しながら楽器を持って立ち上がり、これが本当の”スタンダップ・コメディ”だと言わんばかりのフィナーレを飾りました 演出家チョン・ミョンフン、最後の最後まで見せてくれます 今回の公演を誰よりも楽しんでいたのはチョン・ミョンフンその人だったかもしれません
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