推薦します～阿川佐和子「聞く力～心をひらく３５のヒント」

6日（月）．昨日，息子とパソコンを買いに池袋に行きました　娘のパソコンは１ヶ月ほど前に壊れ，なぜか私がお金を出して新しいMACを買い替えたばかりです．今使っているのはDELLの「ディメンション８３００」という機種で8年以上前に買ったもので，最近，ブログを書くのに立ち上がりが遅くイライラしているところでした　同じメーカーの方が使い勝手がいいと思い，DELLのXPS８３００にしました．問題は古いパソコンをどうするかですが，調べてみたらパソコンを買ったのが2003年8月で，家電リサイクル法が施行されたのが同じ年の秋なのです．タッチの差でリサイクル料金を払って引き取ってもらわなければならないのです　「ソフマップ」に持っていけば買い取ってくれるということなので，いずれそうしようと思います　新品が届くのは10日後くらいになりそうです

 

　　閑話休題　　

 

阿川佐和子著「聞く力～心をひらく３５のヒント」（文春新書）を読み終わりました　この本を買おうと思ったきっかけは，毎週土曜日にTBSテレビで放映されている「サワコの朝」という番組を観たからです．この番組では，阿川佐和子が毎回替わるゲストを相手に，軽妙なやりとりで訊きたいことを引き出しています　どうしてあのような軽妙洒脱なインタビューが出来るのだろうと感心したからです

新聞広告に本書が紹介されていたので，さっそく買い求めました．サワコさんは，テレビで見る顔つきから４０代中頃かな，と思っていましたが，1953年生まれといいますから，何と来年６０歳！西条秀樹ですね・・・・・・・・ん？・・・・・・「ヒデキ・カンレキ！」・・・・・・・・　　

週刊文春の対談ページ「阿川佐和子のこの人に会いたい」は連載９００回を突破しており，今年の春から２０年目に突入するとのことです　そういう実績があり，テレビの「サワコの朝」も始まったことから，文春の編集部に口説かれてこの本を書くことになったそうです

「まえがき」に，最後の最後までこの本を出そうか，出すまいかと迷うサワコさんの気持ちの揺れが書かれていますが，いつの間にか”まえがき”が本文になっていることに気がつきます

サブタイトルに「心をひらく３５のヒント」とありますが，大きく３つの部から構成されています．１．聞き上手とは，２．聞く醍醐味，３．話しやすい聞き方の３部です．どれもが阿川流の独特の語り口で書かれていますが，１．聞き上手とはの「面白そうに聞く」の中で，作家の城山三郎をインタビューしたときのことを書いています

城山三郎が翻訳した「ビジネスマンの父より息子への３０通の手紙」がベストセラーになったので，その話題を中心に話を聞きに行った時のこと．阿川が「とても面白かったです」と言うと，城山が「どこが？」と聞く．「ビジネスマンだけでなく誰が読んでも面白いと思う」と答えると，「あとは？」と聞かれる．そこで「最後のエピソードが好きです・・・・」と具体的に言うと，「いい読者だねえ」とニコニコしている．「城山さんにもご子息がいらっしゃると思いますが父親としてアドバイスはありますか？」と聞くと「ウチは親子関係が淡白でねえ．あんまりアドバイスなんてことは・・・・・お宅は？」と聞き返す．そこで，阿川は待ってましたとばかりに父親と喧嘩が絶えないことを嬉々として話し続ける

つまり，サワコさんはインタビューに行ったはずなのに，逆にインタビューされて帰ってきた，というわけです．賢いサワコさんは「なぜ，自分がぺらぺらしゃべり続けてしまったのか」の理由を考えます　そして，城山氏はこちらがドキッとするような質問はしなかった．ただひたすら，「そう」「それで」「おもしろいねえ」「どうして？」「それから？」と，ほんのひと言を挟むだけで，あとはニコニコ楽しそうにしていた．そうか！相手が「この人に語りたい」と思うような聞き手になればいいのだと悟ります．この時に「城山さんを目指す」という目標が生まれたといいます　

インタビューするに当たってはスタッフ（チーム・アガワ）との念密な打ち合わせと周到な準備があることはもちろんですが，実際にインタビューするのはサワコさん一人です．打ち合わせ通りにうまくいく時ばかりではないようです．そんな時はどうするかについても書いています

この本は面白いエピソードが盛りだくさんで，文章にはサワコさんの温かい人柄が滲み出ています　彼女はユーモアのセンスが抜群で文章が上手なので，あっという間に読み切ってしまいます．人とコミュニケーションを取ることが難しい世の中ですが，まず，人の言うことに耳を傾けることの大切さを改めて教えてくれる良書です．お薦めします

それから，テレビ番組「サワコの朝」も推薦しておきます　毎週土曜日午前7時半に女声の「ティー・フォー・トゥー」の軽やかなテーマソングで始まります．ゲストを迎え「心の中でひらめく1曲」を流し，トークの後「今，心に響く曲」を流します　滅多にテレビを観ない私が毎週欠かさず観ている唯一の番組です．この番組のおかげで土曜日は朝から爽やかな気分です