人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

柚月裕子著「ウツボカズラの甘い息」を読む~松井玲奈さんの評は「エッシャーの絵の如く華麗に騙されてしまった」

2018年12月01日 08時05分10秒 | 日記

12月1日(土)。今年のカレンダーも残すところあと1枚になりました。1年なんてあっという間です 昨日は小春日和の穏やかな天気だったので、埼玉県S市の菩提寺に一人で墓参りに行ってきました。ほぼ4か月ぶりです  こういうのって、気が向いた時に行かないといつまでも実現しないものです コンサートにも映画にも行かない日が2日続くのは珍しいことですが、思い切って行って良かったと思います

ということで、わが家に来てから今日で1520日目を迎え、2016年の米大統領選でロシアがトランプ陣営に肩入れしていたとされる「ロシア疑惑」に関し、トランプ大統領の元個人弁護士マイケル・コーエン氏が29日、ニューヨークの連邦裁判所で、トランプ氏のロシアでのビジネス事業について、連邦議会にウソの証言をしていた罪を認めた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       トランプはジワジワと外堀を埋められていくな  おいらは謎の物体に囲まれた!

 

         

 

昨日の夕食はおでんにしました  寒い夜は鍋ものか おでんがピッタリです

 

     

 

         

 

柚月裕子著「ウツボカズラの甘い息」(幻冬舎文庫)を読み終わりました 柚月裕子は1968年岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞してデビュー 2013年に「検事の本懐」で第15回大藪春彦賞を、16年に「孤狼の血」で第69回日本推理作家協会賞を受賞しています 当ブログでは彼女の作品が文庫化されるたびにご紹介してきましたが、本格的なミステリー作家として かなり期待しています

 

     

 

家事と育児に追われる高村文絵はある日、応募した懸賞に当たり、ディナーショーに参加する そこで中学時代の同級生・杉浦加奈子と再会する。文江はあまり印象がなかったが、常にサングラスをかけている加奈子は顔を整形したという。加奈子は中学時代にイジメを受けていた時に文江に救われたのでお礼をしたいと言い、高額な収入を得られる化粧品販売ビジネスに誘う。文江は”甘い話”と疑問を感じながらも、セミナーの講師をする程度で大金が手に入る魅力に惹かれビジネスを引き受けることにする 文絵は大金と新たな生きがいを手に入れ仕事に励んでいたが、そのうち杉浦加奈子と連絡が取れなくなり、その上、化粧品販売に絡んだクレームの電話がかかってくるようになる。そして、鎌倉の別荘で起きた殺人事件の容疑者として突然逮捕されてしまう 殺されたのは輸入品販売と美容一般に関する物品販売を目的とするコンパニエーロという会社の代表取締役・田崎実で、文絵の仕事上のパートナーだった。文江は無実を訴えるが、彼女にはアリバイがない 詐欺の疑いもかけられるが、真相を知る加奈子が姿を消したことから窮地に陥る 神奈川県警本部の捜査第一課主任の秦圭介は、鎌倉署強行犯係の中川菜月巡査と組んで捜査に当たることになる。容疑者として鎌倉の別荘に出入りしていたサングラスの女が浮上する 警察の地道な捜査の結果、杉浦加奈子と名乗る女の過去の遍歴と本当の正体が暴かれ、完全犯罪は阻止される

題名の「ウツボカズラの甘い息」の”ウツボカズラ”とは、「細長く伸びた葉の先端に、壺のような形状の袋がついている。甘い蜜で虫をおびき寄せ、中に落ちた虫を食いながら生きる」食虫植物です 「成りすまして、甘い話で獲物を寄せつけ、金を搾りとれるだけ搾りとったら姿を消す」という真犯人の姿をウツボカズラに投影させています

女優の松井玲奈さんが巻末の「解説」を書いていますが、その中に「私は文絵と一緒に、加奈子と、作者である柚木さんにエッシャーの絵の如く華麗に騙されてしまったわけです」という一文があります ここで松井さんが触れている「エッシャーの絵」とは「滝」という有名な だまし絵(下の写真)のことですが、まさしく、読者は柚木裕子が巧妙に仕組んだカラクリに見事に騙されることになるのです

 

     

 

文庫本ながら550ページを超える大作です 面白さに一気読み必至です。強くお薦めします

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする