16日(木)。わが家に来てから627日目を迎え、ファブリーズが気になって 舐めようかどうか迷っているモコタロです
モコ:これ 舐めてみようかな 白ウサ:やめときなはれ
閑話休題
昨日、夕食に「牛肉の八幡巻き」と「生野菜サラダ」と「インゲンのお浸し」を作りました 「牛肉~」はゴボウを四つ切にしたものを牛のモモ肉で巻いたものですが、切り落としを使ったので巻きにくいことこの上ありませんでした
も一度、閑話休題
昨日午後、内幸町の飯野ビルのエントランス・ロビーで「第51回ランチタイムコンサート」を聴きました この日の出演者はヴァイオリン=田中ひかるさん、ピアノ=高橋理沙子さんのお二人で、共に東京音大の出身です
午後12時5分開演なので15分前にロビーに行き、最前列席を押さえました ヴァイオリンの田中ひかるさんは淡いグリーンの、高橋理沙子さんは淡いピンクのドレスで登場、最初に二人がマイクを持って挨拶し簡単に演奏曲目を解説しました 高橋さんは相当上がっている様子でしたが、田中さんは非常に落ち着いていました
1曲目のエルガー「愛の挨拶」と2曲目のモンティ「チャルダッシュ」は二人による演奏です 両曲とも この手のコンサートでは定番の曲ですね 演奏者に極めて近い席で聴いているため、ヴァイオリンはもちろんのこと、ベーゼンドルファーの厚みのある音が迫ってくるような感じでした
続いて高橋さんのピアノ独奏によりリスト「愛の夢 第3番」とドビュッシー「水の反映」が演奏されました 「愛の夢」はロマンティックなアンコール・ピース、「水の反映」は音による水の動きの描写です
再度、ヴァイオリンの田中さんが加わり、ラフマニノフ「ヴォカリーズ」が演奏されました。郷愁を誘われる曲想です そして、最後に高橋さんのピアノ独奏でリスト「ハンガリー狂詩曲 第8番」が華々しく演奏され、ロビーを行き来する人々の足を止めていました
このコンサートは昼時に気軽に聴けるのがいいですね 次回は7月20日(水)とのことです。また聴きに行こうと思います
最後の、閑話休題
昨夕、サントリーホール「ブルーローズ」でクァルテット・エクセルシオによる「ベートーヴェン・サイクルⅣ」を聴きました プログラムはベートーヴェン①弦楽四重奏曲第1番ヘ長調、②同第9番ハ長調”ラズモフスキー第3番”、③同第14番嬰ハ短調です
自席はセンターブロックC3列です。いつものように開演前に自席でチラシの束と格闘していると、後方から「トラさん、こんにちは。お元気ですか」という声がかかりました。新日本フィル第2ヴァイオリン奏者・篠原英和さんでした ベートーヴェン・サイクル1以来の再会で、この日も握手をしました
ステージにエクセルシオのメンバーが登場します。女性陣は個々にデザインは異なるものの 黒と白を基調としたシックなステージ衣装です
1曲目の「第1番ヘ長調 作品18-1」は1798~1800年に作曲された作品18の6曲の中で2番目に書かれたとみられています 一旦完成したものを、当時活躍中のフェルスターという作曲家の作品を知って書き直したということで、それだけに初期の作品とは思えないほど完成度が高い音楽です 長調の作品なので全体的には明るい基調なのですが、第2楽章はベートーヴェンが「ロメオとジュリエットの墓場の場面を思って書いた」と語ったとされる 悲しみに満ちた曲想になっています また第4楽章「アレグロ」は、同じメロディーが何度も繰り返されますが、楽しい音楽です
2曲目は「第9番ハ長調 作品59-3 ”ラズモフスキー第3番”」です。ウィーン駐在のロシア大使ラズモフスキー伯爵の依頼で書かれた3曲の「作品59」の弦楽四重奏曲の最後の曲です
第1楽章は神秘的な序奏から入り、深い世界を表出します そして溌剌とした音楽に移ります。第2楽章はチェロのピッツィカートから入りますが、大友のそれは驚くほど力強く、会場一杯に響き渡ります 次いで、抒情的な音楽が続きます。第3楽章のメヌエットを経て、切れ目なく第4楽章「アレグロ・モルト」に入ります ヴィオラから、第2ヴァイオリン、チェロ、第1ヴァイオリンへとフーガが奏でられ、この楽章全体がフーガの技法でアンサンブルが組み立てられます これほどエキサイティングな最終楽章は他の15曲にはありません。『ラズモフスキーの魅力、ここにあり』と言いたくなるような見事なフーガです
会場割れんばかりの拍手が4人に注がれます 熱演というのはこういう演奏を言うのでしょう
休憩時間に篠原氏を捕まえてお話ししようと思ったのですが、ロビーに出ても見つかりません どうやらワインに目のない彼はホワイエのバーコーナーでワイン片手に知人と語り合っていたようです 私は、コンサートの休憩時間には 絶対アルコールは飲みません 頭が朦朧として聴く意欲が減退するからです(そうでなくても、普段から朦朧としていますが)。
プログラム後半は「第14番嬰ハ短調作品131」です。ベートーヴェンは1825年にニコライ・ガリツィン公爵のために第12番、第15番、第13番(作曲順。番号は出版順)の3曲を書きましたが、その後の1826年8月にこの第14番を作曲しました 甥のカールを士官に任命したヨーゼフ・フォン・シュトゥッター男爵に献呈されています。ベートーヴェンの弦楽四重奏曲は、第12番=4楽章、第15番=5楽章、第13番=6楽章と拡大してきましたが、第14番に至っては自己新記録を達成するかのように7楽章まで規模を拡大させており、それがこの曲の大きな特徴になっています ただし、第3楽章「アレグロ・モデラート」は次の第4楽章への序奏的な短い音楽で、第6楽章「アダージョ・クァジ・ウン・ポコ・アンダンテ」は終曲への序奏の位置づけにあります この曲のもう一つの大きな特徴は全楽章が切れ目なく演奏されることです
第1楽章は冒頭、第1ヴァイオリンから、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロへと、瞑想的なメロディーがフーガにより引き継がれていきます 第2楽章は一転、雲の合間から晴れ間が覗いたような明るい曲想です 第3楽章はごく短い次の楽章への序奏的な音楽です。第4楽章は曲全体の中核的な部分で、主題と6つの変奏曲から成ります 第5楽章は躍動感に満ちたスケルツォです。第6楽章は次の第7楽章への穏やかで美しい序奏です。そして、最後の第7楽章は力強いアレグロでフィナーレを迎えます
集中力に満ちた素晴らしい演奏でした 4人は何度もカーテンコールで呼び戻され 大きな拍手を受けました 個人的には第13番が好きですが、この14番も良い曲だと思います