人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

バッハ・コレギウム・ジャパンで教会カンタータを聴く/今村昌平監督「豚と軍艦」「赤い殺意」を観る

2016年06月01日 07時28分54秒 | 日記

6月1日(水)。わが家に来てから612日目を迎え、廊下のミカン箱の前で一席伺おうとしているモコタロです

 

          

             毎度ばかばかしいお笑いで。まだミカン成ですが ヨロピク!

 

  閑話休題  

 

昨日、早稲田松竹で、今村昌平監督映画「豚と軍艦」と「赤い殺意」の2本立てを観ました

 

          

 

「豚と軍艦」は1960年制作のモノクロ108分の映画です

舞台は戦後の米軍基地の街・横須賀。モグリの売春ハウスを取り締まられたヤクザの日森一家は、基地から出る残飯をエサにした豚の飼育に目を付ける この仕事を任されたチンピラの欣太は、これで恋人の春子とも一緒になれると張り切るが、ヤクザ同士の利害を巡る抗争が勃発する 仲間に裏切られた欣太は、やけになって何台ものトラックから豚を開放したため、ドブ板通りは豚の大群が荒れ狂う

この作品は今村監督の出世作と言われているそうですが、確かに欣太(長門裕之)と春子(吉村実子)を中心に猥雑な横須賀の裏社会を駆け巡る若者たちの姿が鮮烈に描かれています それも喜劇としてテンポの速いストーリー展開で描いています 映画から物凄いエネルギーを感じます 主人公のカップルのほかに、丹波哲郎、小沢昭一、加藤武、殿山泰司、西村晃、南田洋子、中原早苗といった、当時のオールスターキャストが出演し、それぞれ癖のある演技を披露しています なお、この映画の”明るい”音楽は かの黛敏郎が担当しています。意外でした

 

          

 

2本目の「赤い殺意」は1964年制作のモノクロ150分の映画です

夫・利一の出張中、貞子は強盗に犯される。2日後も再び。なかなか夫に打ち明けられないまま日が過ぎていく中、強盗はだんだん大胆になりデパートでも声を掛けてくるようになる 鈍感な利一だが、やっと貞子の様子がおかしいことに気が付く。しかし、貞子は利一の疑いを否定する。強盗はしつこく貞子を追い求め肉体を貪るようになる 貞子は大金を突き付けて別れようとするが、拒否される。ついに強盗を毒殺する決心をして二人 旅に出る。外は大雪の降るトンネルの中で貞子は男に毒入りの水を飲ませようとするが・・・・・

主人公の貞子は肉体派女優・春川ますみが演じています 彼女の名前を聞くと どうしても喜劇女優を連想してしまうのですが、この作品ではシリアスな役柄をシリアスに演じています 決して美人ではないのですが、存在感は抜群です そういえば、一昨日のトークショーで今村監督の子息・天願氏が「おやじはぽっちゃり系の女性が好みだったみたいだった」と語っていました 夫の利一役の西村晃は、勤務先の図書館で浮気をする一方で 妻の行動に疑いを持つ狡猾な役人を演じています。この人はこういう役柄がピッタリですね。水戸黄門もいいけど

映画を観る前は、「赤い殺意」というタイトルから、主人公の貞子が強盗なり夫なりに殺意を抱いて殺人を犯すのではないかと思っていたのですが、見事に裏切られました

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

昨夕、初台の東京オペラシティコンサートホールでバッハ・コレギウム・ジャパン第118回定期演奏会を聴きました  プログラムはJ.S.バッハの①カンタータ第10番「わが魂は主をあがめ」、②同第94番「私はこの世に何を求めよう」、③同第78番「イエスよ、あなたはわが魂を」ほかです ソリストの出演は、ソプラノ=松井亜希、アルト=ロビン・ブレイズ、テノール=櫻田享、バス=浦野智行です

 

          

 

今シーズン2回目の定期公演です。会場に入って唖然としました  第1回目の前回はバッハ「マタイ受難曲」でしたが、会場はほぼ満席でした それに比べて今回はやっと6割に届くかどうかといった寂しい入りです 後方の席はガラ空き状態です。バッハ・コレギウム・ジャパンの公演は毎年こういうパターンなのですが、それにしても前回から減り過ぎです 私も前シーズンのS席から今シーズンはA席にランクを落としています。抜本的な打開策を講じないとじり貧になる恐れがあります

ステージ真上の天上の三角窓は解放されていて夜空が見えます このホールの大きな特徴です。2階のパイプオルガン席に鈴木優人が、ステージにはコーラス陣16人がスタンバイします 最初は、鈴木優人のオルガン独奏で、バッハ「マニフィカトによるフーガ”わが魂は主を崇め”BWV733」と「シュープラー・コラール集」より「”わが魂は主を崇め”BWV648」が演奏されます

続けて、M.プレトリウス(1571~1621)の「シオンのムーサたち」(1605年)より「8声のマニフィカト”わが魂は主を崇め”」が、オルガンと合唱とで演奏されます 合唱は男女が交互に並んでいます。演奏後、合唱の位置が入れ替わり、向かって左サイドに女声が、右サイドに男声がまとまります。コンミスの若松夏美さんを始めとするB.C.Jのオケのメンバーが登場します 演奏するのは、バッハ「カンタータ第10番”わが魂は主を崇め”」です。バッハの曲を聴くとにわかクリスチャンになります

後半の部に入るに当たり、B.C.J音楽監督の鈴木雅明がマイクを持って登場し挨拶します

「バッハのカンタータ全曲演奏シリーズはすでに完結しましたが、2017年はルターの宗教改革から500年という大きな記念すべき年を迎えるので、ルター派の讃美歌に基づくバッハのコラールカンタータと、宗教改革からバッハまでの隠れた名曲を演奏しようとするのが今回のシリーズです 私たちのコンサート活動は、そもそも阪神淡路大地震の年に始まり、カンタータ全曲演奏シリーズが一区切りした年に東日本大震災が起こりました。今回、われわれはヨーロッパに演奏旅行に出ましたが、旅行中に熊本の大地震を知りました コンサート後に募金活動を行うのでご協力をお願いしたい

休憩後の1曲目はカンタータ第94番「私はこの世に何を求めよう」です。菅きよみのフラウト・トラヴェルソの演奏が冴えています また、三宮正満のオーボエの演奏はいつ聴いても素晴らしいですね 

次の曲はカンタータ第78番「イエスよ、あなたはわが魂を」です ここではソプラノの松井亜希とアルトのロビン・ブレイズによるデュオがありましたが、チェロとヴィオローネ(コントラバス)の通奏低音に支えられながら軽快なリズムで楽しく歌っていたのが印象に残りました

ところで、後半に入って演奏に耳を傾けていた時、隣席のアラサーの美女が足をもじもじさせているので、おかしいな と思って足元を見ると、5本の指が見えます 要するに彼女は靴下もストッキングも履いておらず、靴を脱いで裸足でリラックスして聴いていたのでした それを見て「そういえば自分も靴がキツイな、これが本当の窮靴だな 」と思って、靴を脱いで聴くことにしました

「そこの二人、何やってんの」と叱られそうですが、音楽はリラックスして聴きましょう 他人に迷惑をかけない限り許されます。足からず

 

          

コメント
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