人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「恋人たち」「あん」を観る~生きる意味を問う映画~ギンレイホール

2016年03月30日 07時37分24秒 | 日記

30日(水)。わが家に来てから549日目を迎え、段ボール箱の下でリラックスするモコタロです

※耳が後ろに寝ているときはリラックスしている状態です。

 

          

                おいら ここが一番落ち着くんだよね

 

          

               背中かゆいなあ でも届かないし・・・・

 

          

           いつまで こっちを覗いてんの? NHK(日本ヒマ人協会)?

 

  閑話休題  

 

昨日、夕食に「赤魚の粕漬け焼き」「生野菜のサラダ」「ホウレン草のお浸し」を作りました 「赤魚」っていったい何の魚なんでしょうね? アコウダイっていう魚があるけど 違うみたいだし

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

昨日、神楽坂のギンレイホールで映画「恋人たち」と「あん」の2本立てを観ました

「恋人たち」は2015年、橋口亮舗監督による140分の長編映画です 

通り魔殺人事件によって妻を失った男、退屈な日常生活に突然現れた男に心が魅かれる平凡な主婦、同性愛者で完璧主義のエリート弁護士の3人が、それぞれの恋人たちとの間に繰り広げる悲劇と喜劇を描いています

 

          

 

この映画を観て気づくのは、3人の主役たちは名もない新人俳優だということです 監督自らがオーディションで選んだ無名の新人だそうです。映画の冒頭の篠原篤の独白のシーンを見ていると、セリフとは思えない自然さ、言ってみればドキュメンタリーを見ているような錯覚に陥ります 成嶋瞳子にしても池田良にしても同様です。どこにでもいるような普通の人たちが目の前にいます 監督の意図がぴったりはまった配役と言えるでしょう 3人はそれぞれ絶望の底に落ち込みますが、懸命に生き抜き、最後にかすかな希望が見えるのが救いです

 

          

 

2本目の「あん」は2015年、河瀬直美監督による113分の日本・フランス・ドイツ合作映画です

ある事件から刑務所暮らしを経験し、小さなどら焼きやの雇われ店長として日々を過ごす千太郎の店に、求人の貼り紙を見て一人の老女・徳江が訪ねてくる 彼女が作る美味しい粒あんが評判を呼んで店は繁盛していく しかし、徳江がかつてハンセン病を患っていたという噂が流れ、店は閑古鳥が鳴くようになり、千太郎は徳江を辞めさせなければならなくなる 徳江はおとなしく辞めて去ったが、千太郎は彼女が気になり、徳江と心を通わせていた近所の女子中学生ワカナとともに徳江の暮らす療養所を訪ねる 

 

          

 

この映画では、満開の桜のシーンが何回も出てきます。さすがカンヌ国際映画祭で新人監督賞やグランプリを受賞した河瀬直美監督だな、と思います 日本を印象付けるのはやっぱり桜です 

この映画は何といっても徳江を演じた樹木希林に尽きます 徳江が丁寧に作る「あん」のように演技に味わい深さがあります。この人は存在しているだけで何かを語っているようなところがあります

女子中学生のワカナを演じた内田伽羅は なかなか良い味を出しているな、と思って 後で調べたら樹木希林の孫娘だそうです どうりで存在感があるはずです

療養所を訪ねたワカナが徳江に「いつからここにいるのですか?」と尋ねると、彼女は「ワカナちゃんぐらいの時からかなぁ」と答えます。ハンセン病はその昔「らい病」と呼ばれ、患者は施設に隔離され「外の世界」と断絶されていたのです この映画は、何の束縛もなく自由に生きられることが いかに素晴らしいかを主張しているように思います

コメント
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