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カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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初期型なのに調子良いPEN-FTの巻

2023年04月20日 09時30分00秒 | ブログ

PEN-FTが2台続けて作業中止となりまして間が空きました。ボールドウィンですが、ロッドを作り直しても動輪の回転が引っかかる症状が直りませんでした。最後は蒸気機関車の動輪の「位相」を疑うしかありません。左右の動輪のロッドピンには90°の位相が付けられています。専用の測定器など所有していませんので、分度器で後ろ側の動輪のロッドピンを12時の位置にセットした時の手前の動輪のロッドピン位置を見ます。本来は0°であるはずが5~10°程度ズレているように見えますね。動輪をプーラーで抜いて修正をしてみることにします。

で、販売用のPEN-FT #1429XXです。初期型ですが非常にコンデションが良くきれいです。露出計も元気に振れています。返ってそれが変なのですけどね。この頃の露出計はダウンしていても不思議ではないからです。

 

トップカバーを外してみます。あ~やっぱりね。Cdsユニットが基板別体タイプに換装されています。この部品は生産の最後期の個体に使われているのと、SSでの補修用として修理に入って来た個体に取付けられたと考えています。この個体のオーナーさんもSSで露出計修理を依頼されたと考えられ、SSでの正規の修理を施されている個体と思います。

Cds部分はそれまでのユニットとは全く別物です。ファインダーからの逆光防止用のグリッドもありません。生前に米谷さんにこのユニットのことをお尋ねしましたが「そんなものは無い」と言っておられました。たぶん、生産技術辺りが担当してご存じではないのでしょうね。

接眼プリズムの清掃とモルトの交換をして取り付けます。

 

 

ハーフミラーも金色コートですから後期の部品です。Cdsユニットと同時に交換されたのでしょう。端から腐食が始まっていますが視野外なので清掃で再使用とします。

 

別体式になった基板を新たにネジ孔を加工して取付けています。

 

 

このように収まりますね。このユニットは補修用として後期に生産されたものですから新しいので作動は非常に良いです。返って交換されていてラッキーな個体です。

 

この42mmはFTの付属品として販売されるのかな? 私が欲しいくらい非常に状態が良いです。持病のレンズの曇りも全くありません。絞り羽根に油が付着した程度ですので清掃をしておきます。

 

元々コンデションの良い個体でしたし販売用のメンテナンスですから工賃を掛けられないため限定の修理でした。

 

カメラの作業が終わってから、動輪をプーラーで抜いて位相合わせをしました。考えてみたらHOのレールは所有していないので006P電池でテストをします。嘘のように軽く動きます。

 

集電ブラシからモーターまで配線して取りあえず組立完成。

 

 

つぼみ堂のボールドウィンは安全弁などが省略されているのでパーツは用意してありますが、あまりデティールアップをするとオリジナルでは無くなってしまうので考え中です。あとはボディーの塗装や下回りの黒染め処理をしようかと思っていますが、手直し修正もあるのでしばらくこの状態で良いかと。手前は30年以上前に真鍮キットで組み立てたコッペルですが9mmレールで走ります。1/87 HOナローなのかな? 昔はHOゲージは1/80でレールは16.5mmと思っていましたけど、最近は1/87や13mmとかスケールの種類が増えて良く分かりません。

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